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初対面

――数日後


「入学後、初の休みだー!!」


鈴ちゃんは、私の隣のベットでゴロゴロしながら叫んだ。

私と鈴ちゃんは無事寮で同部屋になれた。


ちなみに寮の部屋割りは入学試験のクラスごと男女別の成績順で、大きな問題がない限り卒業までこの部屋だ。

鈴ちゃんとすぐ仲良くなれてよかったと本当に思う。


なんか猫じゃらし目の前で振られた猫みたいだな…… あっ猫なんだっけ。正確には猫又だけど


「ねえ、何する何する?」


鈴ちゃんはワクワクした表情で私を見上げる。


うっ、小動物系美少女の上目使いはキツいって……。


何でもしてあげたくなる気持ちを頑張って抑え込みながら、私は言った。


「鈴ちゃん、昨日出た課題、終わらせないと先生に怒られるよ?」

「うっ、そうだった…今日は図書館行きかぁ」


「仕方ないよ。あの先生怖いもん。それに、休みは明日もあるから、遊ぶのは明日でいんじゃない?」

「……そうだね、よし!今日で課題全部終わらせるぞ!」


「「おー!」」


気持ちの切り替えの良さは鈴ちゃんの良さだ。

可愛いなあと思いながら私は鈴ちゃんと拳を天に突き上げた。



ということで、私たちは勉強道具を持って学園内の図書館に向かった。


図書館の扉を開けると、中にあったのはたくさんの本、本、本!


「ひろーい!初めて入る!」

「うん、思ったより広いね」


図書館は、筒状の建物で、4階まであり、壁一面に本棚がたくさん並んでいる。2階以降の真ん中部分は吹き抜けになっていて、机は一階の真ん中部分と各階の一部分に並んでいる、高級感ある建物だ。


知らない本がたくさんある……! すごい、ずっとここにいたい!


そう、なにをかくそう私は読書マニアなのだ。

私の実家、妖狐本家の屋敷の地下にある図書室にもたくさん本があり、私は大抵その部屋にいた。


昔は本に埋もれて寝てたっけ。懐かしいな


「さて、ちゃっちゃとやりますか!」

「そうだね」


私たちは空いている椅子に座り、課題表を出す。


「えっと、『日本国の歴史のうち、好きな時代を一つ選び、その時代について調べ、自分の意見をまとめよ』だって」


「えっ、めんどくさ」

「めんどいね。とりあえず私歴史書見てくるね」

「うん、いってら」


私は、とりあえず歴史の本を読んでみることにした。

えっと、歴史、歴史……この棚かな?


私は、生徒手帳を開き、図書館の館内地図が乗っているページを見ながら私は歴史の本がある棚を見つけた。


こういう時、地図って便利だよね。どの本がいいかな?

本が多すぎるというのは便利であり不便でもあるものだ。


多すぎてわかんない……とりあえず良さげなの全部持ってくか。持てるかな?


そんなことを思いながら脚立を持ってきて本を取った。


その時


「あっやば!」


本を持ちすぎたのか、脚立の上でバランスを崩し、視界がふわっと浮いた。


詰んだ、落ちる……!


すぐにくるであろう痛みを想像し、私はギュッと目を瞑った

しかし


痛く……ない?


そっと瞼を開ける


すると


「ふひゃっ!?」


サラサラの黒髪を持つイケメンが目の前にいた。


「っあぶねーな。あんた、自分の持てる重さすらわかんないのかよ。貸せ」


そう言って、目の前のイケメンは私を降ろし、私の手から本を奪い取った。


「持ってやるから席案内しろ。危なっかしくて見てられねぇ」

「あっありがとう…えっと、こっちです」


よくわからないが、持ってくれるというなら頼ったほうが楽だ。


でも、危なっかしいって言われるのは心外なんだけど……。


そう、私は本来は九本ある尻尾を一本のみにするため、八本の尻尾を隠さなくてはいけない。

尻尾を隠すのは思ったよりも大変なのだ。

並の妖狐は尻尾を一本隠すのすら難しい。


どんなに強い私だって八本の尻尾を隠すには膨大な体力と、妖力という異能の力が必要だ。

ちなみに妖力は、人間の陰陽師が使う「霊力」とは相反する性質を持っている。あやかしはこの妖力を五感の強化や空間転移、念話など、さまざまなところに使う。


特に妖狐は、「狐火」という青白い炎を使う。攻撃にも使える上、威力を弱めれば灯りがわりにもなる便利なものだ。


ということで、普段よりも周りが見えなくなり周りから見れば危なっかしく見えてしまうのは仕方がないのだ。


そんなことを思いながら私は鈴ちゃんが待つ机に向かった。

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