作戦4
短めです
2人して赤くなって黙った頃
馬車の窓が開いて篝が顔を出した。
「柚葉様、屋敷まであと八町です」
「わかったわ。そろそろ飛ぶわね。後ろの馬車に気づかれたと思ったらすぐに逃げなさい。……まあ、そんなヘマはしないと思うけど」
「はい。お任せください。柚葉様もお気をつけて」
「ええ、ありがとう。貴方たちもね」
そう言って私は窓を閉めた。
「蓮くん、そろそろ行くわよ」
「わかった」
「ああ、あと先に言っておくわね。瞬間移動は思ったよりも安定しないわ。どんなに揺れても私の手だけは離さないで。最悪空間の割れ目に置き去りになるから」
「……わかった」
「あと、私はさっき馬車に乗る時も瞬間移動を使っているから妖力が満タンじゃないわ。妖力切れとまではいかなくても動けなくなる可能性が高いからその時はよろしく」
「おう、任せろ」
蓮くんは力強く頷いた。
「それじゃあ行こうか。私の手を握って」
私たちは手を取り、馬車の中心に立つ。
「行くわよ。『転移せよ』」
一瞬私たちの体を強い揺れと浮遊感、そしてG(重力)が襲う。
それに耐えると、明るい光が目を襲う。
「眩しい!」
そう言って笑いあう。
流石に屋敷の中に直接瞬間移動で入るのは気まずいので私たちが瞬間移動してきた場所は屋敷の隣の公園だ。
「立てる?」
そう心配して蓮くんが私に手を伸ばす。
「ぎりぎりかな。手貸してくれれば大丈夫。貸してくれる?」
「いくらでも」
そう言って蓮くんに立たせてもらい、手を繋いで屋敷の玄関に歩き始めた。




