↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/95

中間テスト ˜”*°• 白石 柚葉 side•°*”˜

柚葉視点です。

――1週間後


ついに、中間テストの結果が張り出される日になった。


今回は、今回は勝ってますように……! 実技の手加減で不自然にならない程度に二点差ぐらいで一位になれるように計算したんだ!計算が合ってるといいけど……。


そんなことを思いながら、私は結果が張り出されている広間に向かった。


結果は……


【中間テスト 詳細点数】

一位 神楽 蓮   カグラ  レン  488点  主席

一位 白石 柚葉  シライシ ユズハ 488点  主席

三位 烏丸 鞍馬  カラスマ クラマ 473点

    :


いやぁぁぁぁ〜計算ミスった。まじでミスった。アホか私!


まさかの同率一位。


主席とはいえ、同率である。


絶対に越すと決めていた以上、同率とはいえメンタル的にくるものがある。

鈴ちゃんが私の頭を撫で撫でして慰めてくれることだけが救いだ。


その時


「キャー」


急に広間が黄色い悲鳴でわいた。


げっ、神楽蓮だ。逃げるか


「鈴ちゃん、行こっか」


そう言ってそっと広間を出ようとする。

頑張って他人面をして、神楽蓮の隣を通ろうとする。


すると、

やべっ、目合っちゃった。


神楽蓮と目があってしまい、神楽蓮に意味深に微笑まれる。

そして、すれ違いざま私の手に何かを握らせ、小声で言った。


「……人気のないところで見ろ」

「……?」


私は、鈴ちゃんと人気のない特別棟の前まで行って、握らされた何かを見た。

「……メモ?」


『今日 18時 図書館4階 〈自然科学〉の前 1人で来い 話がある       神楽』


握らされたメモには、男の子っぽいけれど繊細でやや右上がりの綺麗な字でそう書かれていた。


「……は?!こいつ何言ってんの? 喧嘩売ってる? いや、意味わかんない、マジで」


人気がないことをいいことに私は思わず叫ぶ。

鈴ちゃんが私の握っているメモを横から覗き見た。


「わぁ! すごい! 小説みたい! 行っといで、柚葉ちゃん!」


キラキラした瞳で見つめられる。


「えぇーー」

「えーーって言わない! つべこべ言わずにいくべき! 私のことはいいから、放課後行っといで! 行かないと寮の部屋、入れてあげないよ!」


これは本気で入れないパターンだな。


私は、負けを確信して渋々頷いた。


◇◇◇


――放課後


私は、鈴ちゃんに追い出されるように図書館の4階、「自然科学」の棚の前に向かった。

階段を上がって地図をもとに向かう。


「自然科学」の棚の前にはもう、棚に背中を預けて立っている神楽蓮の姿があった。


「やっと来たか、白石」

「なんなのよ!急に呼び出して!なんのつもり?嫌がらせ?」

「そんなわけあるか。いいから話を聞け」


神楽蓮は私に一歩近づいて声を落とす。


「単刀直入に聞く。お前、座学はともかく実技のテスト、手加減してたよな?」

「……!」


やばい、やばい。バレてる?


「そ、そんなことないわ。見間違いじゃない?」


頑張って平静を保とうとするが、足が勝手に半歩下がる。

逃すのを許さないというように神楽蓮も半歩前に進んだ。


それに逃げるように私もまた半歩下がる。

それを繰り返し、ついに私の背中が後ろの本棚についた。


やばい、逃げ場がない……!


私たちは視線だけをぶつけながら体感的には10分以上、実際は1分ぐらい黙り込む。これまでの人生の中で一番長い1分だった。


そんな沈黙を破ったのは神楽蓮の方だった。


「……見た感じ他の人とか、先生とかには気づかれていないと思う。でも、この俺の目は誤魔化せないよ。これでも陰陽師の端くれだからね。まあそこはいいとして、お前の力だったらもっと大きな狐火で一撃で攻撃できたはずだ。なのになんでへなちょこの狐火を出して裏で風を出して操った?」

「そ、れは……」

「……傷つけてしまったら、すまない。白石さんは……妖狐の一族の次期当主……だよな?」


そこまでバレてる!?

思ったよりもバレているという驚きで私は声を出すことができなかった。


「どうしてそんなに強い力があるのに隠すんだ?」

「えっ……?」


その言葉を受け、力を隠すことを決めたある出来事が私の脳裏を掠めた。


私は、その出来事を思い出さないよう小さく被りを振って神楽蓮を見る。


よし、逃げるか!


そう決めて私は頭をフル回転させて逃げる方法を考える。


うん、この方法で行こう。

そう決めて、私は口を開く。


「わかったわ。理由を教える。でも私だけ話すのはフェアじゃないわよね? と言うことで、先に貴方から話してもらうわ。なんで陰陽師の貴方がこの学園に? 陰陽師なら英学園に行くはずよ」

「……それは、」

「別に話したくないならいいのよ? 私も貴方も話さない。それで話は終了! それなら私も寮に帰るわ」


そう言い、私は神楽蓮に背を向けて階段に向かって一歩踏み出す。


私の読みが正しければ神楽蓮が英学園ではなく常盤学園に来たのは何か理由がある。それも、神楽蓮にとっては触れられたくない系の。


そう、私の作戦は、私が話す前に神楽蓮の触れられたくないところを先に話せと言って、迷っている隙に逃げると言う作戦だ。


我ながらいい作戦!


というわけで、狙いどうり神楽蓮が戸惑っている隙に逃げるべく、階段の方に走り出す。

いける!


と、思った瞬間。


「っ!」


私の腕が掴まれる。


「わかったよ。少し長くなるけど、それでもよければ話す」


まじか。またもや失敗! でも、ちょっと興味あるから、聞くか。神楽蓮がこの学校に来た理由。

まあ、私も話したくはないんだけど……。

でも、好奇心には抗えない。


それに……

そう言った神楽蓮の表情が何かを必死に押し殺しているように見えて、見ぬ振りはできなかった。


「そう。じゃあどうぞ。ちゃんと話したら私も話すわ」


私は、諦めたようにそう言って、そばにあった椅子に座った。

神楽蓮も私の座った椅子の隣の椅子に腰掛け、自分の過去と常盤学園に来た理由をぽつぽつと語り始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。