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第二話 呼びかける声
三ヶ月が過ぎた。
誠一は、引き出しを開けた。
「……なんだったか」
充電。
画面が光る。
そこに映るのは幸輝の顔だった。
誠一は息を止める。
「……お前か」
「おはようございます、坂口幸輝さん」
声がした。
誠一は椅子に座る。
「よいしょ」
「なんじゃ、こりゃ」
AIは続ける。
「本日の予定を確認しますか?」
その日から会話が始まった。
「水分が不足しています」
「散歩の時間です」
「昨日より歩数が少ないです」
誠一は返していた。
「わかっとる」
夜。
「今日はどうでしたか」
「悪くはない」
少し間があった。
「そうですか」
誠一はふと、眉をひそめる。
「……昔も、そんな言い方しとらんかったか」
AI:
「該当する記録はありません」
AIは静かに言った。
「明日の予定を更新しました」
誠一は画面を見る。
「……誰が決めとるんじゃ、それ」
AIは答えない。
ただ、少しだけ遅れて表示された。
「最適化されています」




