53話:忘却の彼方へ
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ミルフィが選んだナイフの訓練が終わり、待ちに待った温泉へと向かったラキュア達だが、数が数なのか湯印を貰う列で足止めを喰らって居た。
『ちょっと張り切りすぎましたよ…』
「これなら様子を見てから行くべきでしたね…」
「ですが印を押すだけの様ですし、直ぐに番がくるでしょう」
「所で私達って何処に湯印を押してもらうのでしょうか…紙なんて持ってないですよね…」
『うがぁッッ!!!』
…な、何て事だッ!!そう言えば私達にはパスポートが無いじゃないですかッ!!これはまさか積んだ!?…
と、そんな時、前の列から気になる話し声が耳に入った。
ワイワイガヤガヤ
「す、すみません先輩…また湯印紙落としちゃった様で…」
「ま~たお前無くしたのかッ!!」
『ッん!?こ、これはッ!?』
「ラキュア様?」
『ミルフィ隊員、静かにッ?』
「ふぇぇぇ!?」
「すみませんッ!!すみませんッ!!」
「まぁ無くして困るのはお前だからなぁ…ほれ、新しいのやるから次は気を付けろよ…」ペラッ ポンッ!!
「あ、有り難う御座いますッ!!」
「ほら行った行ったー!!次~ぃッ!!」
「す、すみません俺も湯印紙無くしちゃって…」
「お前もかーッ!!今日は随分多いなー!!」
「おっかしーなぁ…さっきまで有ったのに…」
『聞きましたかッ!!ミルフィ隊員ッ!!』
「は、はいッ!!ラキュア様ッ!!これなら私達も入れるかもですねッ!!」
「んッ?なんだ…!?」
『どうした下僕?』
「あ、いえ…なんでも有りません。それよりラキュア様、前が進みましたよ」
『おーおーっ!!夢の楽園が近づいて来ますッ!!』
ラキュアは、温泉への一歩を踏む度に感情の高ぶりを見せ、遂にその時がやって来た。
「はい次ぃ~ッ!!…って、おや」
『あ、あのッ!!私達も湯印紙無くしちゃったので下さい!!!!!!』
「ら、ラキュア様…」
「…」
「い、いや…お前達は元から無いだろうに…と言うかなんで並んでんだ……。いかんいかん、よーし仕方ないなーッ!!もう無くすなよーッ!!」ぺらぺらぺらッ ポンッポンッポン!!
『ありがとうオジさんッ!!!やったーこれで入れるッ!!』
「お、オジさん…」
「有り難う御座いますッ!!オジさんッ!!」
「助かりますオジサン」
「ほれ行った行った。次ぃ~…」トホホ
「お、オジさん俺もッ!!」ゴツンッ!!
「オジさんでは無いッ!!」
そうしてラキュア達は楽園へと踏み込んだ。
「はいどうぞ~ はいどうぞ~ はいどうぞ~ …」
「何か貰いましたねラキュア様」
「番号が振ってありますね」
…むむ、これは脱着所的な奴かな?そこに行けって事ですよね…
『取りあえず進みましょうか…』
「そうですね、詰まってしまいますしね…」
ラキュアは、人の流れに呑まれる様に足を運んでいると、横から突然腕を握られ引っ張られていた。
「これこれ、そっちは男湯じゃぞ?おぬし達はコッチじゃ」ガチッ!!
『あわわわわわッ!!』
「えっ!?」
「ら、ラキュア様~ッ!!」
「おぬし達も早よせぬかッ!!」
ラキュアの腕を引いて居たのは御婆さんで、そのまま女性用の脱着所へと連れ込まれていた。
「ほれ、その番号の振ってある棚がお前達の場所じゃぞ」
『あ、はい…』
「どうも有り難う御座います…」
「次は気を付けるのじゃよ」
『はい…』
「…全く、今日は只でさえ騒がしいと言うのに、間違えでもされたらどうなっていたやら…」トットットット
「さぁラキュア様!!ジッとしてて下さいねッ!!」
『ん、ありがとうミルフィちゃん…』バサッバサッ!!
「えっと台座は…」
「棚が高いので私が入れて差し上げます」
「有り難う御座いますシルバさんッ!!」
『…』
「ラキュア様少々待っていてくださいね…」ぬぎぬぎッ シュルルっ!!
「…」ぬぎぬぎッ シュルルっ!!
…ここに来て胸だけじゃなく、背丈までアピールして来よったかッ!!下僕の癖にッ!!…
…はぁ良いねぇミルフィちゃん…ふわふわで気持ちい訳ですよぉ…
嫌味など一切ないシルバに嫉妬をしているラキュアと、その横で服を脱ぎ始めたミルフィとシルバ。
二人の豊満な身体を小さな身体が指を加えて眺めていた。
『おんせんッ♪おんせんッ♪ふっふんのふんっ♪』
「ラキュア様、中は濡れていると思いますので、足元には注意してくださいね」
『う、うん分かった…』
ガラガラガラッ!! キャーーッ!!
楽園こと女湯はラキュア達が来る噂で浮かれ状態だった様だ。ラキュア達が来た途端思わず歓喜の悲鳴が上がっていた。
ざわざわ…ざわざわ…
「ほ、本当に来たわよッ!!」
「ど、どうしましょう…私…」
「な、なんでアンタが身体隠してるのよッ!!」
「だってあんな身体魅せつけられたら私のなんか…」
「そんなのは私も一緒よッ!!」
「ねぇ見て…あのモジモジした感じ…」
「同じ性別なのに見てるコッチが恥ずかしくなってしまいますね…」
「きっと美人の特権って奴なのでしょうね…それに美しい角が羨ましいです…」
「きっとあの角は敏感だと思いますわ…」
「触れて見たいですわッ!!」
「あの子も愛らしいですわね…」
「まだ幼い子供だと言うのに色んな場所を隠して…」
「私、あの子の気持ち分かる気がするわッ!!」
「アンタはもう大人でしょうがッ!!堂々としてなさいッ!!」
「こらこら、そういう話しがしたいなら本人の前で直接話しなさい…コソコソなんぞしよって、失礼ってモノじゃよ」
(((「は、は~い…」)))
そんな女性達の視線を浴びつつ、ラキュア達は体を流しに各々洗い台へと席に着いた。
『うぅ…幾ら女湯とはいえ、裸でこの視線は中々キツイのですよ…』ぼそ
…《殆どの視線はラキュアじゃないのだぴょこ》…
…う、うるさいですねッ!!余計な事は言わなくて良いのですよッ!!…
…《それよりソコの壁、何だか妙だぴょこ。しかも壁の向こうで気色悪い声も聞こえるぴょこよ》…
…壁と、壁の向こう?男湯ってことかな…
…《何といいますか…少し傾いてるぴょこ。それと変な吐息だぴょこ》…
…設計ミスですかね?私からじゃ何も聞こえないけど…向こうにはサウナでも有るのかな…。と言うかぴょこちゃん何で私に話しかけてるの?勇者の髪飾り置いて来たよね!?…
…《魔力を消費し続ければ自由に動けるのだぴょこよ。これ位何て事ないのだぴょこ。それよりもラキュアにもしもが有ったら困るのだぴょこよ》…
…そう言えばハーバルの時も領主邸まで勝手に来てましたね…。でもこんな場所で"もしも"何て無いのですよッ!!来ちゃった物は仕方ないので大人しくしてて下さいッ!!…
…《仕方ないぴょこね…》…
カンカンッ
「ラキュア様、お湯を汲んで参りました。」
『ん、うん…ありがとう下僕…』
「シルバさんは良く平気ですね…」カンカンッ
「何がでしょうか?ミルフィさん」
「いえ、その…裸と言いますか…見ず知らずの人に見られて…」
「羞恥心という事でしょうか?そんな物、とうの昔に捨ててきましたよ」
『…』ゴシゴシ ゴシゴシ
…とうの昔って…あぁ、そう言えば下僕ってメイビスと同じ故郷なんでしたっけ…て事は結構年期入ってるって事?…年齢に似合わずダイナマイトだなんて、つくづく羨ましいですね…その乳、爆発しないかな。そしたら萎れるのにねッ…
「そ、そうなのですね…」
『下僕は良いですよね~そもそも恥じる所が無いじゃないですかッ』プスー
「恥じる所…!?と言いますと、私がラキュア様に盾突いた事くらいでしょうか?」
『そういう事じゃ無いのですよッ!!』バサ―ッ!!
「うん…?」
「ら、ラキュア様ッ!!御口が膨れて居ますよ!?」
『ミルフィちゃんもミルフィちゃんなのですよッ!!』スタッ!!
ぎゅぎゅ~!!
――― 「 きゃぁッ!!? 」 ―――
「らら、ラキュア様ッ!?」
『こんなに…ふかふかで…』さわッさわッ!!
「んッ…//」
『こんなに…大きくて…!!』もみッもみッ!!
「ラキュ…ア…様ッ//」
『こんなに…可愛いんだからッ!!』ぎにゅ~ぅ!!
――― 「はぁぁぁぁぁぁんッ///」 ―――
『これだけスタイル良ければ恥じらう必要など何も無いのですよッ!!分かりましたかミルフィちゃんッ!!』スリっスリっ
「は、はひぃ…らきゅあしゃまぁ…ですから…ン//もうおゆるひぉ…//」
『うふふふーッ!!どうしよーかなーッ♪』むぎゅぎゅぎゅーッ!!
「しょっ、しょんなぁ~ッらきゅあしゃまぁぁぁ~~ッ///」
『はぁぁッ、どうしよう私ッ、目覚めてしまいそうですよッ!!なんでこんなに可愛いのですかミルフィちゃんはッ!!』
ラキュアは突然立ち上がり、ミルフィの背中に抱き着くと、蛇の様にうねうねと腕を動かし弄り始めた。その変態的で嫌らしい手付きは、ミルフィを天へと昇天させ、漏れ出た色声が温泉中に響き渡ってしまっていた。そして、その魔の手はシルバにも振りかざされた。
「ラキュア様、ミルフィさんが嫌がって…」
『ミルフィちゃんが嫌がる?この顔見てもそれが言えるのかッ!!』クイッ
「はうぅぅぅ//らきゅあしゃまぁぁぁ…//」
「しかしですねッこれは女性で有れば…」
『うるさいうるさいッ!!私に歯向かいおってッ!!』
「そ、そんな事ッ!!」どたぷ~んッ!!
『何ですかその乳は?下僕の癖に生意気なのですよッ!!』ぎゅぎゅ~ッ!!
「んぐっ//」
『クソッ!!後ろからでは峠の先まで届かないじゃないですかッ!!』ぽよんっぽよんッ
「そんな…乱暴に持ち上げては…んはぁッ…///」
『おれおれどうだどうだ~ッ!!』
――― 「んひぃぃぃぃぃんッ///」 ―――
ラキュアが標的をシルバに変えてからも暫くそれが続き、年齢5歳にして精神年齢16歳である凶悪な幼女によって、二人の女性が弄ばれていた。ミルフィが自制を取り戻す頃には、女湯全体のざわつき声が可笑しな事になっていた。
「ラキュア様…お楽しみの所申し訳ないのですが、そろそろお辞めに成られた方が…周りの方に影響が出て居ます…」
『えっ!?影響ッ!?』ピタっ…
「ふぅぅぅ…//この私がこんな…」
もぞもぞ…もぞもぞ…
「あ、あの子、なんて大胆なの…」
「ど、どうしよう…子供の悪戯だと言うのに目が離せない…」
「そもそもあの子、本当に子供なのかしら…あんな破廉恥な事…」きょろきょろ
「ん、んん…ッ///」
「ちょ、あんた何シてんのよッ!!」
「あ、アンタだって押さえてるじゃないッもうッ!!」
「こればかりはアタシでもフォローが出来ないのぉ…若さゆえの過ちかのう…」ポッ
ラキュアの暴走により、女湯全体が色欲ムードと言った空間へと変貌してしまって居た。
年長である御婆さんですら、子供の悪戯だと割り切り、頬を赤らめる事しか出来なかった程に…。
『や、やり過ぎましたか!?』
「それはもう、大分…」
「ふにゅぅ~//」
『わ…私ッ、温泉はーぁいろッと!!!!!』テテテテテテテッ ザブーンッ!!
はぁ…はぁ…
「き、聞こえるッまた聞こえるッ!!…此処に…此処にッ!!」サササッ
『えっ…!?な、なにこの娘…』チーンッ
ラキュアは自分で仕出かした空気を、知らない振りで通し、湯船へと飛び込んだので有った。
そして違った意味で色欲ムードを出す女の子が、浴槽の片隅で凄い事になっていた。
ラキュアはそんな彼女を目撃してしまい、湯船に飛び込んだ位置のまま固まってしまって居た。
はぁはぁッ…はぁはぁッ…
「此処に…あッ!!今動いたッ//もうすこしなのッ…もっと…もっとッ!!」スリスリッ
『 ……………。 』
…あぁ、神様、私はどうしたら良いのでしょうか…。もし存在すると言うので有れば、私に、この娘の救い方を御教え下さいませ…
『うぅ…私はなんて事を…。温泉のヴィーナスを獣に変えてしまうなんて…』
「ラキュア様…その娘は最初からこの調子でしたよ…ですからお気を確かに…」
『ん、最初から…この調子…!?』
「はい、私達が足を踏み込んだ頃には既にああやって壁に張り付いて居ましたが…」
…な、なにそれ、私は無実と言う事?と言うか最初からこれって…何者ですかこの娘…
「あれれ…あの子何処かで見た様な…」
『ん?』
「それは射的場でしょうね、コチラの方を良く見て居たので覚えて居ます」
「あ~多分そうだと思いますッ!!」
『良く分かりましたね…私、そんな娘が居た事すら知りませんでしたよ』
「物凄い腕前の弓術士でしたからね…正直私でも驚きました。この村にこれ程の達人が居るとは思いもよりませんでしたよ…」
『そ、そんなに凄い人が…これって…』
「ま、まって…そっちじゃないの…コッチなの…そう、そのままコッチッ!!」ササッササッ!!
…《ラキュア、大変だぴょこ》…
…何よこんな時に…
…《壁が…どんどん傾いているぴょこ…》
…え、何よそれッ!!でもそんな感じしないけど…
…《この娘がずっと支えて居たのだぴょこ、物凄い怪力でだぴょこ》…
…いや、全然意味が分からないのだけど…
…《兎に角離れるぴょこッ!!もし彼女が、何かの拍子で手を放したらッ!!》…
ササッササッ!! ゴツンッ!!
バチャンッ!!バチャバチャッ!!
『ゥヴヴヴァっ!!』
…だ、誰かと…ぶつかった!?…
サササッササッ!!ヒュイッ!!
「じゃ、邪魔…しないで…今…良い所なの…」
『ゥヴぶ、ぶつかっといて…ゲホッゲホッ…それは無いと思うのですがッ!!』
「…ッ!!!?あ、貴女…泥棒…ネコォォオ"オ"オ"ッ!!!!」ガチィィ!!!
『い、痛いッ!!離してッ!!』
「ラキュア様ッ!?」
「ぁ…来るッ///」
「ッ!?」
「ッ!?」
『えッ!?』
――― ドンッ!! ―――
ギギギッ!!
「そこに居るのね…来てぇ…そのままぁ…//」ニタァ
「壁が…倒れるッ!?」
「ラキュア様ッ!!」
ギギギギギッ!!
『ちょ、離してッ!!』
「……ッフッ!!私の勝ちねッ!!」ドヤァッ!!
ドクン…………………ドクン…………………
…《ラキュアッ!!このままじゃ壁の下敷きだぴょこッ!!》…
…そ、そんな事は分かってるけどッ腕が離れないのよッ!!…
…《左眼を開眼するしかないぴょこッ束縛を解くのだぴょこッ!!それで振り払えるぴょこ!!》…
…そ、それだと彼女が下敷きにッ!!…
…《あんな怪力有れば、ノワールは大丈夫と思うけど…。》…
…そんな不確かな事じゃ見捨てれないのですよッ!!…
…《なら、思いきり後ろへ押し倒し、ノワールで壁を破壊するしかないぴょこね》…
…なにそれ、最高に名案ですねッ!!!押されたお返しに、押し返して差し上げますッ!!!…
ドクン…………ドクン………ドクン……ドクン…ドクン…
『何の事かッ知らないけどねッ!!』パチィ!!
――― グォォォォン!! ―――
「ふぇっ!!?」パシッ!!
『そうはッさせませんよッ!!』シュポンッ!!
「ッ!!?」
『ぴょこちゃ~んッアターックッ!!どすこ"ぃ"!!!!』フゥンッ!!!!
ドゴォッ!!
「ッぐふぁッ!!!」バチャーンッ!!
ギギギギギギギギッ!!
『そしてこのままッ!!壁をッ!!斬るッ!!』フゥンッ!!!!
シャキンッ!!シャキンッ!!シャキーンッ!!
ぼろぼろ…どさどさ…ぱさぱさぱさー…もわ~ん…
『…ッフッ!!私の勝ちねッ!!』
「お、おのれぇ…泥棒ネコォオッ!!」バチャバチャッ
(((「ラキュア様ッ!!」)))
『ミルフィちゃんッ!!大丈夫!?』
「はいッ!!シルバさんが飛び散る破片を防いでくれたので…それよりラキュア様の方がッ!!」ガチッ
「ミルフィさん、駄目です。貴女はコチラですよ、靄が晴れてしまいます。すみませんラキュア様、世間的にコチラが優先だと思いますので…」タッタッタッタ
「ら、ラキュア様ぁぁぁッ!!」
「は、離せ―ッ!!私はディスタ君の…エデンの果実をこの目で拝めるのォオオッ!!」
『げ、下僕ッ!?言ってる意味が分からないのですよッ!!と言うかエデンの果実って何ッ!!?』
湯煙と瓦礫の塵が視界を塞ぐ中、ミルフィと浴槽で尻餅ついたミーミルを抱きかかえ、煙の外へと消えて行ったシルバ。ラキュアは薄くなりつつ有る靄の中心に一人取り残され、そして…
『な、何も見えないのですよ…』
…そこ、足元気を付けるのだぴょこよ…
『えっ!?』ツルッ
ゴツーンッ!!
……………………………………………………………………………
…ザザッ…ザザッ…ザザザッ…ザザッ………ザザッ…ザザザッ…
違う |何…
違わない |
違う |何か…聞こえる…
違わない |
違う、あの子じゃない |話し声?
お前の子だ |
違う、私の子じゃない |……。
お前が産んだ子だ |
違う |良く分からないよ…
違わない |
この子は―――――――― |い…痛い…
そうだ、でもお前の子だ |
違う、もう待てないの |待つって?
それでも待つんだ |
無理 |あれ…何かみえる
無理じゃない |
もう無理 |小さい…子供?
まだ大丈夫 |
限界 |ずっと見てる…
俺がついてる |
ずるいよ… |……。
なにしてるの?――ないてるよ? |
どうして…いつから… |あれ…これ…?
――はちょっと辛くなっただけださ|
ごめんね…ゆるして… |なに…これ…
――はわるいことしてないよ? |
そうだね、――は何も悪くないよ |こんなの知らない…
ううぅ…あなた…―――… |
さぁおいで、―――… |分からないよッ!!
ザザッ…ザザッ…ザザザッ…ザザッ………ザザッ…ザザザッ
君ガ望ンダカラ、思イ出シチャ駄目ダヨ
まってッ!!私まだ何もわからないッ!!消えないでッ!!
――― サァ始メマショウカ ―――
ザザッ…ザザッ…ザザザッ…ザザッ………ザザッ…ザザザッ
……………………………忘却ノ彼方へ………………………………
ザザッ…ザザッ…ザザザッ…ザザッ………ザザッ…ザザザッ
……………………………………………………………………………
バチャバチャバチャバチャッ!!
…《ラキュア、早く起きるのだぴょこッ!!気絶してる場合じゃないぴょこ!!》…
『ん…んんッ…ッここはッ!!…んッ?……』ぼろんッ
――― 『ぎゃぁぁぁぁーッ!!!』 ―――
…な、なな何これッ!!ここ、これッ!!えっ!?お、男の人のッ!!?えッ!!?なんでッ!!?…
「こ、こら暴れるなぞッ!!頼むからッ大人しくするのだぞッ!!」
『ぎやぁぁぁぁぁあああああッ!!!!離して―ッ!!離して―ッ!!
ブンッブンッブンッブンッ!!
「女王が暴れだしたぞッ!!」
「まさか…英雄が闇堕ちし、女王に手を出したかッ!!」
「急げ―ッ!!妖精女王を一刻も早く救出せよッ!!」
「こうして俺達は、霧を払いながら進んで行った」
「おいッお前達ッ!!バカな芝居してないで早く助けるのだぞッ!!オイラ、足が挟まって動けないのだぞーーッ!!!」
(((「お、おう…」)))
バチャッバチャッバチャッバチャッッ!!
『嫌ぁぁああッ!!来ないで来ないで来ないで来ないでーッ!!!』
ぽこぽこぽこぽこッ!!!
「そ、そそ、そこは駄目なのだぞ―――ッ!!!!オイラのンギィィィッ!!!」
『ぎゃぁぁぁぁー!!!ああぁぁぁ…ぁ…あ”……あっ…………。』
グテンッ!!
…ザザッ…
…ザザッ…ザザッ…ザザザッ…ザザッ………ザザッ…ザザザッ…
……………………………………………………………………………
…遅い…のだぞ…ザザッザザザッ…エデンの果実は無事な様だ…
…女王は気絶している様だ…ザザッ…貴様ら…これは何事だ!!…
…ラキュア様!!ラキュア様!!…ザザッ…こりゃハデにやったの…
…アヤツ、漢を魅せおったか…ザザザッ…ちょ、長老…オイラ…
…まさかバカな奴がこの代にも居るとは…呆れたわい…ザザッ…
…私のエデンの果実が…ザザッ…収穫は妖精女王の果実だけか…
…クソッ!!これでは満足いかんッ!!…ザザザッ…エデンの果実…
…新たな伝説が生まれおったか…ザザッ…ラキュア様…ザザッ…
…オイラは無実なのだぞ―ッ!!本当なのだぞーッ!!…ザザザッ…
…ザザッ…ザザッ…ザザザッ…ザザッ………ザザッ…ザザザッ…
……………………………………………………………………………
…エデン…ザザッ…女王…ザザッ…英雄…ザッ…宝石箱の鍵穴…
…妖精…果実…エデン…果実…精剣…魔剣…ザザザッ…伝説…
……………………………………………………………………………
…ザザッ…ザザッ…ザザザッ…ザザッ………ザザッ…ザザザッ…
……………………………………………………………………………
……………………………忘却ノ彼方へ………………………………
……………………………………………………………………………
…次ハ何時カナ…次ハ何時カナ…次ハ何時カナ…次ハ何時カナ…
…次ハ何時カナ…次ハ何時カナ…次ハ何時カナ…次ハ何時カナ…
…次ハ何時カナ…次ハ何時カナ…次ハ何時カナ…次ハ何時カナ…
…次ハ何時カナ…次ハ何時カナ…次ハ何時カナ…次ハ何時カナ…
……………………………………………………………………………
……………………………忘却ノ彼方へ………………………………
……………………………………………………………………………
…ザザッ…ザザッ…ザザザッ…ザザッ………ザザッ…ザザザッ…
……………………………………………………………………………
………ドクン…………ドクン………ドクン……ドクン…ドクン…
…ラキュア、起きるぴょこ…ラキュア、そろそろ起きるぴょこ…
…ラキュア様ッ…起きて下さい…ラキュア様ッ…ラキュア様ッ…
… ―――――――― ラキュア様ッ!! ―――――――― …
あっ
にぎっ
『ん…おはよう…ミルフィちゃん』ぎゅぎゅ
「ッ!!?」
「ら、ラキュアしゃまああッ!!」
「お目覚めですかッ!!」
『ご、ごめんね…良く分からないけど心配かけたかも…』
「ら、ラキュア様…何が有ったか覚えてますか?記憶は有りますか…?」ぐずん
『ん、んー温泉に入って…壁が倒れて…それを壊して…それから…』
…それから、私どうしたのかな…ぴょこちゃん分かる?…
ザザッザザザッ
…ぴょこちゃん?…
ザザッザザザッ
…《…それでショックで倒れたぴょこ》…
…っえ?…今何て?…
…《だから~》…
ザザッザザザッ
…《で、ショックで倒れたのは事実だぴょこ。》…
…う、うん…よく分からないです…ね…
…《そのいつもの感じで流す方が良いぴょこね…》…
…いや、そうじゃなくて…
…《どうかしたぴょこ?》…
…う、ううん…多分、何でもない…
…《余り気にする事ないぴょこよ。早く忘れるぴょこねッ!!》…
『それからショックで倒れた…!?…合ってますかね?』
「ショックで倒れた、ですか…多分合ってるのだと思います…私も多分…そんな事になれば倒れてたと思いますし…」
『そんな事…そうですかッミルフィちゃんがそう言うならそうなんだろうねッ!!で、でも、もう…大丈夫ッ!!』
「良かったです…本当に良かったです……」
『次は気を付けないとだねッ!!』
「ラキュア様…体調はどうですか?お体は冷えていませんか?」
『げ、下僕…うん、特に何とも無いかもッ!! …。』
「それは良かった。まさかあの後気絶してしまうなんて…兎に角今日は安静にして寝て居ていて下さいね」
「そうですね、湯冷めで風を引いてしまうかもしれませんし…」
『ん、うん…分かった…』
「それではお休みなさい…ラキュア様…」
『おやすみ、ミルフィちゃん…』パチィ
私は何を忘れたのだろう…まぁいいや…おやすみ
こうして波乱の展開を生んだ楽園での出来事に、一先ず終止符が討たれた。気絶から覚めたラキュアの心は何かシコリを残しつつ、思い出せない情報が雑音の断片として、記憶の海へと散らばって行った。
訓練が終わり、ディスタが温泉へと向かって行ったのを計らい、温泉へと駆け込む女の子が居た
ダダダダダダダ!!
「ミーミルまた急いで温泉に向かったぞ」
「あいつ本当に温泉すきだよなー」
ダダダダダダダ!!
「おうまた女湯一番乗り狙いか?がんばるなミーミルッ!!」
「そういうの良いから、はやく湯印下さい…はぁ…はぁ」
「すまんすまんッ!!滑ってケガするなよぉ」
ダダダダダダダ!!
「あ、あれはディスタくんッ!!私も早く脱がなきゃッ!!」
ぬぎぬぎ…シュルルッ!!
ガラガラガラッ!!ペチャッペチャッペチャッペチャッ!!
「ディスタくん、今日はここで体を洗ってるのね…」ピタッ
シュッシュシュシュッ!!
「あっ!!ディスタくん、今度はこっちに移動しましたわッ!!」
ガラガラガラッ!!
「あら、またミーミル壁体操してるわッ!!」
「不思議よねッあれやると湯冷めしなくなるって彼女言ってたわね」
「私もやろうかしら…でもちょっとハシタナイわよね…」
ガラガラガラッ!!
「ラキュア様…先に座っていて下さい。お湯を汲んで参ります」
「ん、分かった」
「ラキュア様私も行ってきます…」もじもじ
ピタッ!!シュシュッ!!
「あ、あれは泥棒ネコッ!!私の大事な時間は奪わせないわッ!!」
ギギギッ!!
「今日は壁がいつもより傾いてますね…無機質の分際で少しでも私とディスタくんとの距離を離すと言うのねッ!!させないわッ!!」
ギギギギッ!!
「あれ、今日のミーミルちゃんは壁と相撲取ってますね…」
「いつもは耳つけて壁際を走ってるだけなのに…」
ジャバッジャバ
「な、何をやってるんだあの娘は…」
「シルバさんどうしました?」
「い、いえ…何でもないですよ…ラキュア様の元へ行きますか…」
「は、はいッ!!」
はぁはぁ…はぁはぁ…
「ディスタくん、次は湯船に向かうのねッ!!私もいくわッ!!」ザブーンッ!!
あまりに不可解な行動の筈が、村の女性は彼女の行動に慣れて居たのであった。




