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39話:若造組vs老い耄れ組【1】


ガーデル達を囲む兵士達とクリフ、ジェミルニアの登場により、退路を絶たれてしまったその時、館の壁に突如穴が開き、二人の魔族が現れた。


「ジェミルニア!!」

「分かっておる!!救護に向かった兵士は直ちに戻れ!!瓦礫の奥に敵がおるぞ!!」


…壁が吹き飛んだと思ったら奥からミルフィちゃんと知らない眼鏡君が出て来たよ…と言うか何でミルフィちゃん来てるんですか!!危ないじゃない!!…


「リンバス!!それにミルフィまで!!なんでお前等来てるんだよ!!」

「そんなの決まってますわ!!」

「ガーデル達が遅いから様子を見に来ただけですよ」

「これが様子を見に来ただぁ?」

「気になって窓を覗いたらこの有様でしたのでね、つい」

「あのな、いつからお前等は過激派になったんだよ…それとミルフィ、頭に何か付いてるぞ?」

「えぇ!?やっぱり付いてるのですか!?リンバスの嘘かと思いました!!」

「気に成って追いかけるからですよ…呪われたんじゃないですかね…」

「変な事言わないで下さい!!」

「何だか知らんがまぁ良いか…。今からそっちに向かう!!」



「アイツ等の様子を見る限りじゃ、魔族の手の者だな…」

「悪いがクリフ、ワシも戦わせてもらうぞ?王の命令が、などとは言ってられなくなったわい。ワシの館を壊し、ワシの兵士を傷つけた礼はきっちり返してもらわんとな」フン!!バゴォ!!ドゴォ!!

「すまんな、こんな事態になるとは…逃がさんぞ魔族。【音速斬り(ソニックブレイド)!!】」


手を抜いて盗賊達と遊んで居たジェミルニアは、避けるだけの脚力を倒す為のバネとして跳ね、着地をする度に次々と盗賊達に倒れて行った。

その最中、クリフが瓦礫とガーデル達の間に、逃がさない為の斬撃波を飛ばした。

その牽制は効きガーデル達がリンバス達に歩み寄る足が止まった。


「っち!!やはり行かせてくれないか…」

「当たり前だろ、お前等魔族はワシ等二人が捕らえるのだからな」

「そう言う事じゃ」ガチャン!!

「おいジェミルニア、くれぐれも…」

「分かっとるわい!!!!!!」


盗賊達は全員地に伏せ、ジェミルニアは大槌手に取ると魔族達と向かい合う。

ガーデル達は、牽制を放ち削れた床に配置付いたクリフと裏を取る様に回り込むジェミルニアによって挟まれてしまった。


『逃げ道確保かと思いきや又塞がれましたね…』

「そんなの見りゃ分かる!!悪いが姫様抱っこは此処までだ。隙が出来たらミルフィの所へ駆け込めよ」

『えぇぇ~~~~』

「こんな時に何でそんな嫌そうな顔すんだよ!!」


…いやぁ私だけ逃げるとか流石にね…それにメイビス達と合流してないし…きょろきょろ…ん?あれは!?…


「にゃにゃーん!!」ぶんぶんぶんぶん!!!

《お、ラキュアの奴やっと気づいたぞ》

「ですがどうしますか?このままでは捕まっちゃいますよ…」

《ラキュアだけなら捕まっても問題ないんだがな…勘違いで済んでいるからな。問題は奴等だな》

「アイツ等ってラキュにゃんがお世話に成った魔族でアルカードの手下なんだにゃ?」

「手下かどうか分かりませんがラキュアさんが言っていた魔族達で間違いないでしょうね」

《それにミルフィまで居るしな》

「なら助けに行こうにゃ!!」

「あの二人相手にですか!?無理に決まってるじゃ無いですか!!メイビス様は魔法が使えないんですよ!!」

「メイにゃん早く魔法使える様になるのにゃ!!」

《無茶苦茶だな…助けに行くのはカイン1人だぞ?一太刀くらいなら抑えられるだろ》

「ちょ、メイビス様ぁ~!!それこそ無茶苦茶ですよ!!」

《なんだ出来ないのか?だからポンコツなんて言われるんだぞ》

「うぐぐ…どうなっても知りませんからね!!」

《頑張って逃がす隙でも作って来いよ~。私達は今のうちに捕まった人達を探してくる》


カインは会場に残り、ガーデル達を逃がす為の割り込む隙を伺う。その間にメイビス達が捕らわれた魔族の仲間を探す為に移動を開始するのだが


「おいお前等!!早く中に入れ!!ここは危険だ」

「いや、だが俺達は…」

「あ、あの子の知り合いなの…」

「捕まった子供の!?だがお前等にはどうにも出来ん!!ここは我等に任せ中庭に避難しろ!!」


メイビス達が出て来た中庭の扉付近で護衛の男達が3人の男女を引っ張り中庭に連れだしていた。


《なっ!!あいつ等まさか!!》

「どうしたにゃ急に」

《行くぞソマリ!!探す必要が無くなったかもしれん!!》

「どういう事にゃぁ!!」

《良いから付いて来い!!》


中庭への扉付近でもめている連中に気が付いたメイビスが、足早に近寄り声を掛けた。


《すまん、そこの護衛達よ。その人達は私の知り合いでな。任せて欲しいのだが》

「お、お前等確か…凄腕剣士の所の護衛人…そうか、分かった。」

《すまないな》

「で、誰なのにゃ?この三人は…」

「それはコッチの台詞だぜ」

《お前達、捕まっていただろ》

「…」

「なんで…」

「っチ!!此処までか」

《他に居ないか?》

「いねーよ…俺達だけだ」

「あぁ…ガーデル達は囲まれたしもう私達まで…」

「強行突破するしかないか?」

「この状況で何処に逃げるんだよ!!」

「厨房に決まってんだろ!!」

《なんだ厨房から逃げれるのか?》

「当たりめーだろ!!って、あっ!!!」

「…」

「ビーンのバカ野郎が!!」

《本当に筋肉シェフは変わらないな》

「おいダール!!!その名で呼ぶなって言っただろ!!?」

「俺じゃねーって!!声からして既に違うだろうが!!!」

「あぁ!?確かに…じゃあオメェ等か!!なんで俺の…」

《久しぶりだな、お前達。町を創建した頃以来だな》ササ ガバ


ボロを出す3人にメイビスの被る般若の様な表情の角付仮面を外し、再び付け直した。


「な!!今の顔は!!」「まさかメイビス様か!?」「なぜ此処へ!!」

《声がでかい!!お前達を助けに来たぞ。改めて聞くが、捕まったのはお前等だけで良いんだな?》

「た、助けにって!?」

「あ、あぁ俺達だけだ。だがアイツ等も…」

《分かっている。だが、お前達が先だ。厨房に出口があるんだろ?》

「あぁだが…」

《大丈夫だ。私達はこの会場に護衛として来ている。一緒に動けば問題無い筈だ》

「どうするビーン」

「そんなの決まってるだろ。大賢者様が来たんだぞ?千載一遇のチャンスってもんよ!!」

「そうですわね…4大精霊達も居ますものね…」

「にゃにゃぁ!!それなんだがにゃ」むぐぐぐぐぐ!!!

《この猫はバカなのか!?不安にさせてどうする!!》ググググ!!!

「ぐぐぐ、ぐるじぃにゃぁ!!」

「な、何してるんですかね…」

《あ、ああ…気にしないでくれ。それより早く向かうぞ。厨房は何処へ》

「あぁそれならアッチだ」


メイビスが素性を明かす事により、彼等の希望に再び燈火が宿り、それを頼る様に歩き出した。

彼等はトイレが有る通路に向かう途中、兵士に声を掛けられてしまう。


「おい、何をしている。一般人は中庭へ誘導しろ!!」

《すまない兵士よ、コイツらがどうしてもトイレに行きたいと言うモノだから私達の護衛パーティが付きそう事に成ったのだよ》

「どうにゃ!!この待遇書が目に入らんかにゃ!!」ぴらぴらぴら~

「こ、これは中庭決闘の最優秀ファミリーに送られる特別待遇書!!」

「その通りだにゃぁ~!!!」

「お前達程の腕前なら大丈夫だろう…彼等は任せたぞ」

《あぁ任せてくれ。しっかりと()()()()()見せる》


その後のメイビス達は、何の障害も無くあっさりと厨房の裏口から外へと出る事に成功した。しかし、そこからどうすかはメイビス達は考えて居なかった。


「アタシ達って随分ノープランで乗り込んだのだにゃ」

《ここに来て気が付いたのか》

「分かってたのなら考えておけば良かったのににゃぁぁぁ!!」

《そんな暇など無かっただろ…前もって準備してなければ無理に決まっておろう…》

「そんな突拍子で俺達を助けに来てくれたのか」

「どうしましょう」

「おいおい、俺を忘れてないか?」

「なんだよダール。お前が何だって言うんだよ」

「そりゃねーよ!!!俺は馭者だぞおおお!!!」

《成る程、要するに馬車を奪って逃げるって事だな》

「そういう事だ!!後は任せな」

「アタシ等はどうするにゃ?」

《私達はいつでも都市を出れる身分だ。一緒に逃げる必要は無いだろう》

「なら会場に戻るにゃ!!」

《お前達はどうする》

「俺達は知り合いの宿に向かう。この都市に来た様に商人の振りして門を抜けるさ」

《そうか、ガーデル達は任せろ》

「そいつは安心だぜ!!」

「感謝しますわ」

「後は頼むぜメイビス様よ!!」


ビーン達三人は馬車を探しに館の庭を駆け回った。


「そんな事言っていいのかにゃ?状況余り良く無いと思うにゃ」

《こうでも言わなきゃ奴等は此処に残るだっただろうな。彼等には悪いが素直に逃げて貰う》

「そうかにゃ…だったら早く戻ってラキュにゃんと合流するにゃ!!」


メイビス達がビーン達を逃がし、館へと戻る。しかし、戻った先で驚きの光景を目にしてしまった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「挟み撃ちも良いがそっちの魔族二人も頼むぞクリフ。逃がすんじゃないぞ」

「中々難しい要求だな。逃げようと思えばいつでも逃げれそうな立場だぞ?あの二人は」

「お前さんがさっさと捕まえれば良いだけの話じゃ」

「そこの5人に逃げられてもしらねーからな!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



~~~~~。【エクスプロージョン!!】バァァァァァァン!!!!


クリフとジェミルニアの会話の途中、突然放たれた魔法


「逃げる?私達は助けに来たのよ!!余所見してる暇なんてあるのかしら!?」


じゅー…

「爆破…魔法だと…危ない所だったぜ…生身なら手足が吹き飛んでたぞ」


「な!!リンバス!!効かないわよ!!どういう事!!」

「魔法の発動はしてないはず…あの鎧のせいかも…」

「どうするのよ!!私まだ唱えるの遅いのよ!!」

「僕が注意をそらす。だからもう一度放つんだ!!」


「なんだ、逃げないのか?聖騎士団には向かうとは中々いい度胸してるじゃないか。これが人族なら大いに歓迎したんだがな」


「【風の歩(ウィンドウォーク)】!!僕が相手だ!!」

「躱す気満々じゃないか!!聖騎士舐めんなよ小僧【命中強化エイムアップ】」ササ シャキン シュトン!!シュトン!!

グサッ!!グサッ!!

「うあぁぁぁぁ!!」ドテン!!


クリフが命中精度を上げる為の強化魔法を唱え、近くのテーブルに有るナイフを二本掴み投擲した。

敏捷速度を上げた筈のリンバスで有ったがいとも簡単に脚に当てられてしまった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「リンバス!!何やってんだ!!俺達に構わずもう逃げろ!!出口が増えただけで十分だ!!」

「何処を見ているのだ?それに逃がすとでも思ったか?」ブォォーン!!


悲鳴を上げたリンバスの声に反応し、ガーデルが声を荒げた。しかしその余所見を狙い大槌で殴り掛かるジェミルニア。ガーデルは自らの種族能力で有る【部分硬化】の力を使い両腕でガードした。


ガツン!! ビキ…

「うぐ!!このジジイ…何て威力だ…!!」

「ほお!!耐えるか!!文字通り潰すつもりじゃったんだがな」

「これはヤベェ…お前等!!絶対に当たるなよ!!俺じゃ無きゃ間違いなく死ぬぞ!!」

「仲間の心配か?ならお望み通り奴等から砕いてやろうかの」シュン!!

「させねーよ!!!全力!!!」ガチン!!!!


ドゴーーーーーン!!


バキバキバキバキ!!

「痛ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ブシュ―!!! ポロポロポロポロ…

「来ると思ったがまだ耐えるとはな、だがその腕ではもう使えないだろうな」


ガーデルが再びガードの構えを取り、ジェミルニアの攻撃を受けたが、先ほどの威力とは明らかに違い、硬化した肌がひび割れ、ガラスの様に散っていく。そして骨を纏う赤い身が露わになり、鮮血の血がその腕から吹き上げた。


「さて今度こそお仲間さんから始末するかのう?」シュン!!ブオォォーン!!


ガシャン!!


「おやおや、どう言うつもりかのう?」

「大した事は無いですよ…ただ僕が守る人の前で肉塊にさせるのはどうかと思いましてね」

「ほぉ、これはこれは。確かにイカンのお。それで、ワシの攻撃を防げた言い訳はどうするのかのう?スキンヘッドの若造うよ」


二つの戦場に挟まれ、あたふたしているラキュアを見ながら、カインが再びジェミルニアの前へと現れた。




ぴょこぴょこぴょこ♪


「ねぇリンバス!!あれ使ってよ!!」

「良いですけどアレ捕まえる為に使うんですよね?辞めた方が良いと思いますけどね…」

「何言ってるの!?あんな珍しいモノ逃がす訳無いじゃない!!それに使えばすぐ済む事よ!!」

「精霊なんか追いかけて…呪われても知りませんからね?ウィンドウォーク!!」

「これで快適だわ!!待ってなさい!!私の精霊!!」


…《助けてぴょこ~!!!誰かが追ってくるぴょこ~!!!》…


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