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34話:駄々っ子の呪文

後書きの話しフライングしました。編集して別の物にしました。すみません…


子供達と勇者ごっこをするラキュアは、捕らわれたガーデルの仲間達を牢で見つけた所から始まる。


『貴方達を助けに来ました!!』


「助けに来たって言われてもな…あまり冷やかすもんじゃないぞ」

「ですがその子、ガーデルやミルフィとおっしゃって…」

「それは驚いたがこんな子供が牢にまで忍び込んで助けに来るか?」

『ここに来れたのは偶然ですが目的は本当なんですよ!!』

「何をごたごた言ってるか知らねーが助け出すには俺達も出すことになるな!!」

「そうっスよ!!」

「その瞬間、兄貴がそこの生意気な子供を一捻りヤンス!!」


…この3馬鹿トリオ良い気になって…でもどうする私、助けるには鍵を開けるしか…


「助ける事はないぞ?俺達の事なら気にするな」

「そうよね、こんな乱暴な人達を助ける必要はないわ」

「はぁ?ふっざけんなよ!?せっかく逃げれるんだから逃げろよな!!俺達を逃がさない為って言うならコイツらをボコボコにしてやるからな?」

「流石兄貴っス!!」

「これには従うしか無いでヤンス!!」

『こんな子供に脅迫のつもりですか!!本当にろくでも無い人達ですね!!』

「自分でこんな子供とか言ってるッス!!」「ヤンス!!」

「あぁ?立場分かって無い様だな…なら少し痛い目に遭わせてやるか。やるぞお前等!!」


牢屋内の男3人が奥に居る男女二人に見せしめと言う暴力を振るう。


「女はお前等二人に任せたぜ」

「兄貴!!」「わかったヤンス!!」

『や、やめてよー!!!』

「牢屋内で乱暴なんて私達には厳しいわ…」はぁ…

「だが正当防衛だ、なんとかなると信じるしか無いな」はぁ…


これから暴力を振るわれる二人は何故か罪が増える事を気にしながら冷静に溜息を吐いていた。そして二人に…


「捕まえてから平手打ちでヤンス!!」

ササッ

「何してるッス!!ちゃんと捕まえるッス!!」


スルッスルッササッガチ!!ドン!!ササッスルッガチッ!!ドン!!


「お、おい!?ババア一人に何してんだよ!!なめた真似しやがって!!ウオォラァ!!」スカ

「ババアなんて野蛮ですわね…」スルッ ガチッ ドン!!

「馬鹿だな~コイツ等…やるなら俺からすれば良かったのによ…」

「あ、兄貴…」

「うぐぐ…」


…えぇ、何この状況…ここは何処かの道場ですかね?…


襲われる筈の女性が捕らえようとする男達の攻撃を次々と避け、その相手の勢いを利用して伸ばしてきた腕を掴み投げ飛ばす。背負い投げの様に投げ飛ばされた男達は背中を強く打ち付け痛そうにもがいて居た。


『すす、凄いですね!!まるで柔道見たいです!!怪我とか有りませんか?』

「じゅうどう?なんだそりゃ」

「何とも無いですわ。相手がただの人族で良かったわ。こんな護身術、素人にしか通用しないですもの」

『ご、護身術…』


…な、何者なんだ…いや、ガーデル達の仲間だからこれ位…あれ私、何かがマヒしてるわ!!…


「猶予が伸びてしまいますね…」

「やっちまったな。だが、子供の前でただ殴られる訳にもいかんしな…」

『な、なんかすみません…でもそんな事はココから逃げ出せば!!』

「それ本気で言ってるのか?」

「困りましたわ」

「おめぇら…ただじゃすま…」

「こりない奴だな…また投げ飛ばされたいのか?まぁ投げるのは俺じゃ無いがな!!」

「兄貴…」

『兎に角今がチャンスですので行きましょう!!私の仲間が上で待っています!!』

「お遊戯のお友達か?」

「可愛らしいですね」

『違いますって!!ちゃんとした大人の仲間達です!!ガーデル達も助けに来るつもりですので早めに逃げちゃいましょう!!』

「それは本当で御座いますか?」

「あいつら…まだ居たのか…どうするカトレア」

「もし彼等も来るのでしたら…ここに留まるのは彼等を危険にさらす事になるのかも知れませんわね…逃げ出せるのなら逃げてしまいましょうか…」

「良いのか?次捕まれば後が無くなるぞ」

「ガーデルやミルフィが私達のせいで捕まる方が良く無いですわ。それに私達が捕まって死ぬので有れば…彼等は諦めが付くと言うモノです。」

「それもそうだな…俺達が縛り付けている様なもんだよな…この小さな騎士に賭けてみるとするか…」


…話しが纏まったかな?鍵開けちゃうよ?私も早くココから逃げたいの。それとこれ、騎士じゃ無くて勇者だからね!!…


『いい、良いですか!!開けますよ!!』ガチャガチャ カチャ ガラン

「それでコイツ等どうするんだ」

「ま…てやコラァ!!…」ガサッガサッ


牢を出た二人とその後ろから這いつくばって出ようとする馬鹿トリオ達


『コイツ等ってドイツ等でしょうか? ふんッ!!! 』 ドン!! カチャカチャ

「痛ぎゃぁぁぁ!!!糞がガキがぁぁぁぁぁ!!」

((「兄貴ぃぃぃ!!!」))


ラキュアは扉に手を掛けた男を無視してドアを蹴り飛ばし鍵を閉めた。


「随分肝が据わってるな…大人の指を躊躇無くドアで挟む何て…」

『なんの事でしょうか?それより女の子が別の牢で隠れてますので連れて行きます…』

「なんだ、やはりお遊戯友達が…」

「ち、違いますよ!!それより…」


「むにゃむにゃ…早く助けに来てー…」すぴ~すぴ~ 


ラキュアが最初に入った牢に向かうとベッドの上で寝ている女の子が居た。


…ちょっと―!!なんでこんな時に平然と寝て居られるんですか!!それと私、隠れててって言ったよね!!なんで堂々とベッドの上で寝てるんですか!!…


『起きて下さいー!!』

「むにゃぁ…」

「こりゃ熟睡だな…俺がおぶって行くか…」

「あら、子供の御相手は私でも構いませんよ?」

「駄目だ、俺よりカトレアの方が対人で対処出来るんだから…」

「フフ♪少しは鍛えて下さいませ」

「そんなもの馭者には不要だよ…」


ラキュア達は悲鳴が鳴り響く地下の通路を後にし、階段を上がった。


『あ、言い忘れてましたがこの先に見張りの兵士が寝て…!!!!』

「寝てるってこれ…」

「子供が見るものでは有りませんわ。そのまま進みなさい」バサ


カトレアと呼ばれた女性がラキュアの目元を抑えながら前を歩かせた。


…だ、大丈夫…この歳にしてはグロ耐性は有る方だと思うから…でも生の死体…先に出た危ない人達に、寝てる間に殺されちゃったのかな…


「牢を出た他の連中の仕業だろうな…この先は兵士だけで無く殺し人にも注意しなくちゃならない様だな…」

『はは早く逃げましょう!!』

「そうですわね。でも…」

「悪いが今動けるうちにもう一人の仲間を連れだしたい」


…ん、どういう事?仲間が牢の外に居るって事?…


『えっとそれは…』

「凄い料理人でさ、牢に入れとくのも何だからとパーティ料理を作ってくれと好条件を突きつけられて厨房で料理をしている筈なんだよ」

「ですから彼を見つけてから脱出いたしますわ」

『厨房探しって事ですね…どうしよう私この館詳しくない…』

「バレ無い様に探す必要が有りますわね…」

「そうだな…流石にこの格好では…」


…ふむ、確かにボロ服だ…見つかったら明らかに疑われるよね…ん、待てよ。私のポーチに本来取られても良い様な品々が…


ガサゴソガサゴソ


「な、何をしているんだいおチビちゃん…」

「少しハシタナイわ…もしかしておトイレかしら!?」

「おいおい嘘だろ!!」

『違いますよ!!』


ラキュアはダンボール鎧の下から弄る様にポーチに手を突っ込み、衣類をその場に出した。何が有るか分からないし、一々確認して出す暇も無い為、回りなど気にせず大量にである。


ドササササ―


「な、なな…」

「まさかこれ、お洋服でしょうか!?」

「何処からこんなに!!?」

『そんな事はどうでも良いですから着れそうな服選んで下さい!!』

「そ、そうだな…今はそんな事気にしてる余裕は…無いな…」

「良いわねこれ、少し丈が長いですが…良い趣味ですわ。この水色のポンチョ」

「だめだ俺のは少し小さくて腹が出てしまう…」

『だだ、大丈夫ですよ!!今仮装パーティ中ですし…』

「そうね、それに貴女もいますしね」

「確かに可笑しな恰好で言えばおチビさんがずば抜けてるわな」


…なんですかそれは!!私はカモフラージュの為にコレ着てる訳じゃないんですよ!!…


『良いから行きますよ!!』シュポン!!シュポン!!

「なんだか分からんが凄いな」

「えぇそうですわね…御かげで自由に動けそうだわ…」


大人二人は囚人服からサイズが合わないが別段目立たない服に着替え、ラキュアと眠る女の子と共にパーティ会場を暫く彷徨っていた。


タタタタタタ

「どうだ?」

「全く分からないわ…」

『私、会場の戻り方も分からないです…』

「むにゃ…ん…ここドコー?」

「おや、お姫さん起きたかい?」

「お、オジサンだれー!?皆はー?」

『皆は…捕まっちゃったの…』

「えぇぇ!?じゃあ今度は私が勇者になるばんだね!?探さなきゃ!!」

「だめですよ、危険ですので私達と一緒です」

「なぁ、このお姫さん、道とか分からないかね」

「そうね…聞いて貰ってもいいかしら?」


…ふむ、なるほど。折角だし聞いてみようか…


『私達いまね、迷子なんだけど…貴女ここが何処だから分からない?厨房探してるの』

「んーココ?ン――分かるー!!」

「ほ、本当か!?」

「だって良くパパとママとオネーちゃんと来てたもん!!お二階には沢山の絵も飾ってあるんだよ!!あとね!!」

『う、うん凄いね!!厨房どこか分かるんだよね?』

「分かるよー?ごはん作るのー?でもパパ達の所行けばお食事沢山あるよー?」

『お、美味しーお菓子つくるんだよーーー!!?』

「そうなのか?」

「合わせる所ですよ!!」ヒソ


…そうですよ!!空気読んで下さい!!…


「あぁああ!!!…そ、そうだぞー!!だから案内してくれないか?美味しい物食べれるぞ!?」

「ホントに―!?お菓子作って見たかったのー!!コッチコッチー!!」


…この子手間がかかるよ…いやこの子だけじゃ無かったね、勇者隊の子供達…大丈夫かな…


ラキュア達は途中で起きた小さな女の子によって厨房まで道案内された。


「着いたー!!ココ―!!お菓子作るー!!」


ガチャンガチャン ジュジュ― トントントントン!! ササ― キュッキュ!! ボアー!! ガシャン!!パリン!!


「おいそこ!!もたつくな!!おいこら!!よそ見せず丁寧に焼け!!キメが荒い!!もっと細く切れ!!火加減が強すぎるぞ!!おい!!今更食器を割るとかどこの間抜けだ!!見習いからやり直せ!!」


…おぉなんだか凄いぞ。高級料理店さながらの厳しいオーナーシェフの様な、お怒りのお言葉が鳴り響いてますよ!!…


「見てダール!!ビーンですわ!!」

「あの野郎!!本当に料理してやがる!!おーい!!」


厨房での様々な奮闘をするシェフ達の仲で一際目立つ人物に向かいダールと呼ばれた馭者が声を掛けた。


「あぁ?呼ぶときは料理長様って言ってるだろうが!!………お前等!!!」

「おい聞いたかカトレア、料理長様だってよ」

「確かに聞きましたわ…でもそれが許されたのはあの御方に仕えてた時だけですよ?」

「ばばばば馬鹿野郎!!そんな事は良い!!なんでここに居るんだよ!!牢はどうした!!なんその子供達は厨房に子供など入れるな!!」


「お菓子まだー?」

『ちょっと待っててね…大人のお話ししてる見たいだから…』

「大人のお話し?」


「ビーン、良く聞いて下さい。私達はこれから館を逃げます。貴方もついて来て下さい」

「はぁ?何を言ってるんだ!!そんな事して捕まれば死刑になるぞ!!折角俺がこうして居るのによ!!」

「すまんが、拒否をさせる訳には行かない…ガーデル達が俺達の為にまだこの都市に居るんだ。そして俺達を助けに来るらしい。今俺達がここに居るのはそこのヘンテコなおチビちゃんの御かげなのだが…」


…横目で気にしながら言ってますが、聞こえてますよ?ヘンテコとか言わないでくださいよ!!…


「要するに今、この時が逃げるチャンスで俺もついて来いと言う事だな?そんな確証あるのか?」

「確証にはならないかも知れない…でもこの子がガーデルとミルフィの事を知っていたの。そしてその情報もこの子からよ。牢まで来てくれたのもこの子。話が上手すぎるとは思うけど、もし本当ならこれがチャンスだと思おうわ」

「話が上手いとか言うレベルじゃねーぞ!!それにそのヘンテコな子供が俺達を助ける理由にもならん!!」

「それはそうだが…」


ラキュアが全般的に信じきれないビーンは情報全てを疑い、この行動に非を唱えだした。しかしそこで


「お菓子食べたい―――!!お菓子食べたいお菓子食べたいお菓子食べたい食べたいーー!!お菓子作るの!!作って食べるのー!! 約束したのー!!嘘つきはいけない事なの!!お菓子食べなきゃダメなの―!!!駄目なの駄目なの駄目なのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」


『ちょ!!!』

「な、なんだよこのガキはよ!!!」

「おチビちゃんごめんよ!!ほーら良い子良い子!!」

「ビーン!!お菓子無いかしら!?」

「んなもんねーよ!!今から作るにしても時間が掛かるってんだよ!!それに作る義理もねぇ!!」


「食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!!」


「誰かコイツを停めてくれーーーー!!!!」


ココに来てまさかの駄々っ子が誕生してしまったのだった。




「料理長様!!いったい彼等は!!」

「気にするな!!お前等は黙って料理に集中してろ」

「しかしこの騒ぎでは…」

「なんだ、お前等はその程度の料理人なのか?俺の指示でしか動けず、終いには子供の喚き声で料理を断念する腑抜けシェフなのか!!貴様らが領主に出す料理とはその程度の物なのだとハッキリわかったぞ!!」

「いえ違います!!そんな事は!!」

「だったら黙って集中しろ!!」


((((「 はいぃぃぃ!!! 」))))


しかし彼等の熱意は1人の幼女によって鈍らされてしまう事に…それはまた次回に続く…

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