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20話:大鎌ブースの宣伝準備


住み込みで働く従業員達と粗方紹介を済ませた私は朝一の作業の為に早めに寝る事にし、朝を迎えた。


コンコン

「お嬢ちゃん、朝だよ。入りますよ~」ガチャ

『あ、おはよう御座いますヘイソンさん』

「おや、早いですね。起こす前に起きているとは思いませんでしたよ」

『早寝早起きですので問題なく目が覚めました!!』

「そうですか…くれぐれも人前ではソチラの眼(真っ黒な左目)だけは開けないでくださいね…」

『あ…、っはい!眼帯眼帯っと』ガサガサ


私は朝一で見開かれていた眼を隠す為、眼帯を付けた。眼を瞑る癖は中々つくものでは無い様だ。


「朝食は既に用意してありますので各自で食べて貰うようにしています。支度が良ければ直ぐに食べてお店の準備をしてしまいましょうかね」

『はい分かりました!』


私は園児服のまま大鎌を持ち出し2回の食堂へ行き、軽く黒パンとスープとサラダを口いっぱいに方張った後、1階へと降り立ち辺りを見回していた。


『とは言いつつも何したら良いのかな…』


やる事が分からずに階段下で呆けて居るとヘイソンから声が掛かった。

これから店前にあるテラスを片づけ大鎌を宣伝する為のブースを作るのだとか。


『良いんですか外で大鎌をお披露目しちゃっても』

「お披露目も有るがお客様が何を持って何を斬りに来るか分からないからね、こうして外にお店を出せば入口がつっかえる事も無くなって他のお客様に迷惑が掛からない様にしたかったのさ。」


…確かに、でっかい物をお店の中まで持ち込まれても困るのか…


「それに各コーナーで渡されるチケットを持って出口に向かえば帰るついでに大鎌を握って行けるしね」

『私はそのお店のお手伝いをすればいいのかな?』

「そうだね、取りあえずテラスの片づけをしてそこに大鎌を置く台などを置く作業から始めましょう」

『分かりました!!』


私は大鎌をお店の壁に立て掛けテラスの椅子を一生懸命取り除いて居ると声が掛かった。


「おうお嬢ちゃん大変そうだな、小さいから机は流石に無理だろう…手伝ってやるよ」

『アゴンさん!!本当ですか!!やったー!!でもアゴンさんの支度の方は良いんですか?』

「一応この出店も俺のコーナーの管轄になってんだよ。その為にテラスの窓際に俺の店を移動させる事になってな」

『という事はテラスの大鎌の後ろにはアゴンさんのお店が有るって訳ですね』

「そうだな、外からもお嬢ちゃんの様子見れるし両開きの窓を開ければ直ぐにそっちに行ける訳さ。そう言う訳だからこの手伝いは俺の一環でもある。細かい事は別の奴に任せているし見知った人が近くにいた方が良いだろ?」


…そっか、働きに来ている人に任せて私の様を見ていてくれるのね…

…なんて面倒見の良いオヤジなんだ!!…


私はアゴンさんと二人でテラスに大鎌ブースを展開して行き起床から4時間後度が経った。


「まぁこんなもんだろ」

『随分テキパキと進みましたねまぁ私殆ど何もしてないんですがね』

「そりゃそうよ、お嬢ちゃんが来る前から準備は進めていたからな。後は物を組み立てて配置するだけさ」

『それでなんで垂れ幕なんて取り付けているんですか?』


脚立の様な台に乗りながらブースの上に垂れ幕を取り付けているアゴンさんに私は問いかけていた。


「ちょっと待ってろ、下が見えんから少し待ってッほいっと!!」カンカン 

「ひょっと!!…あぁ、それでだな、この垂れ幕が無いとお嬢ちゃんがココに持ち運ぶ所を見られてしまうからな。持ち帰る時もしかりさ。余り公けにしたくは無いだろう?それにオシャレにもなるってもんさ」

『じゃぁ持ち帰るときは垂れ幕下げれば人目を気にせずに済むって事ですか!!成る程成る程!!』

「ヘイソンの旦那~準備終わりましたぞ~!!」


アゴンさんは何処に居るかも分からないヘイソンに向かい大声で呼びかけた。


「さてお嬢ちゃん、準備も出来たし先ずは宣伝といこうか」

『宣伝ですか?ここで切れ味のお披露目すれば良いのでは無いのですかね』


タッタッタッタッタッタ


ジョギングしているかの様にヘイソンが向かってきた。

「アゴンさんこれを」

「すまない旦那、ほれ嬢ちゃんもこれを」


私は何やら沢山の紙束を受け取った


…なになに…


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…ビラ配りですかーい!?…でもちょっと数が少ないような…


『これもしかして街で配るんですかね』

「配りたい所だが流石に筆記が追い付かないからな、張り紙として各地に置いて貰うのさ」


…そうか、印刷とかないもんね。当たり前すぎて忘れていたよ…


「それでお嬢ちゃんにはこれを首から掛けて貰おうかな」


私はチラシの貼られた看板の様なものを首に掛けられた。


「これで中央広場で宣伝してまわるぞー」

『えぇぇ!?これでですか!!』

「そうだな、ついでにお嬢ちゃんの知り合い探しも出来るってものさ」

『は、はぁ…確かに理に適ってますね…早く見つけてくれるといいなぁ…』


…別に私の首に掛ける必要は無いのでは?…


と内心思いながらも、私達は宣伝しに中央広場に行く事になった。


てくてくてく

『アゴンさんどうして私がこれ掛けてるんでしょうか』

「そりゃその方が良いからに決まってるだろ」

『全く理由になってませんよ!!それに凄く歩きづらいんですよこれ!!』

「それも込みだ、文句はヘイソンの旦那に言ってくれよ」


…意味が分からないよ!!…


私はこの時、人目を浴びている事に気づいて居なかった。

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