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19話:園児と従業員


埃被った私は水浴びをし、薄い布服を着た事で風邪を引きそうだった為アイテムポーチから園児服を取り出すと驚愕な性能に驚き叫び声を上げていた所から始まる。


「何だ今のは」

「子供の汚い声がしたわ!!」

「子供なんかいたっけか!?」

「真ん中の開かずの間から聞こえたぞ!!」

 

ダダダダダダダ

「お嬢ちゃん何事かね!!」ドガチャン

「…」

『え、いやその…何でもないですよ!!』


扉を凄い勢いで開けたヘイソンはラキュアを目にして上から下を眺めていた。


「お嬢ちゃん…その服はどうしたんだい」

『え?あぁこれですか!?えーと私のポーチから出しました!!』

「その小さなポーチからかい?本当なのかい?」

『あ、ぎちぎちにしまってたんです!!』

「そ…そうかい?それでそのソファに置いてある資料はどうしたんだい…読んだのかい?」

『い、いえ…読んでませんよ…』


…何だろう、言い訳が凄く面倒だよ!!…


「はぁ…お嬢ちゃんはただでさえ問題を抱えているのに…私の感が確かならとんでも無い子供だね」


…ヘイソンさん眉間に手を当てながらぼやいてますよ!!…

…何ですかその感とやら!!ばれたんですか、嘘だってわかっちゃうんですか!!…


「それにしても何ですかこの部屋は!!…取りあえずソコにある本の数とそこに落ちている資料の数からポーチに関する資料だけ引いて数を教えなさい。随分お部屋が散らかってますよ…初日からこうも成る何て思いませんでしたよ」ピリピリ

『はっハイ!!すみません!!え~と、ココに15冊と…ココに9枚あってポーチのが3枚で…ハイこれ集めてきました!!』

「仕分けして仕舞いますよ。数はどうですか?」

『えっと本が15冊と資料9枚のうちポーチの資料が3枚と違う資料が6枚です…』

「はぁ…良くできましたね…全くどうしてこうも分かりやすいんだか…」


…また眉間を押さえているよ!!どういう事!!…


「お嬢ちゃんは数字も分かるし計算も出来るんですね…それに字も読めてポーチの資料だって事も分かったんですね…凄いですよ…えらい子ですよ…」


…しまった図られた!!てっきり怒られているかと思ってつい言う事に従ってしまったよぉ!!…

…そりゃ眉間も押さえたくなるよね!!私は頭を押さえたいよ!!…


『ここここれはその違うんですよ!!あのですねえっと』

「お嬢ちゃん…もういいですよ…やれる仕事が増えただけです…それとですね、ココの資料はもう古いものです。今は大して利益を生みませんので昔の知識だけが詰まったものです。アイテムポーチだけはなるべく隠して下さいね。でも大鎌も入らない容量なのでしょうし…そこまで価値は無いのかもしれませんが」


ヘイソンはそんな事を言いながら最後にため息を付き、廊下へ出て行き足音と共に話し声が響いていた。


「どうしたんですか旦那!!」「この開かずの間から一体…」「女の子の幽霊かしら!?」

「はぁ…すまないね。何でもないよ、夕食の時に話すから今は自室で待っていなさい」


そんな声は次第に消えて行った。ラキュアは少し反省し、暫くお部屋で大人しくしているとドアのノックが鳴った。ヘイソンだ、どうやらご飯の時間らしく2階の食堂にそのまま案内された。


『あれ、これってお店の食堂ですよね?』

「そうだよ、せっかく有るんだから有効活用しないとね。それに態々別の厨房を作るのも勿体ないさ」

『ですよね…あ、人がいます。お客様かな?』

「やぁ皆待たせたね、料理は先に食べてても良かったのに」

「何言ってるんですかヘイソンさん、それよりその子は…」

「あぁ紹介するよ、息子とアゴンはもう知ってるがこの店で暫く住み込みで働く事に成ったラキュアさんだ」

「よう!!お嬢ちゃんさっきぶり!!」

「宜しくねラキュアさん。私はリーラ」

「可愛らしいわね!!私はポッポよ」

「宜しくです。僕はデンク」

「や、やぁラキュアさん…まだ名乗って無かったよね…俺はフィルソンだ…助けてくれてありがとう…実は話辛くて今まで避けていたんだ…」


…お、コイツはゴミ屑若商人じゃないか。ふむフィルソン君か、確かに私達も避けてたよねうん…


「何だい、フィルソンが助けて貰ったのってこのお嬢ちゃんかよ」

「彼女と彼女の仲間達なんだがね…今は街で逸れたらしくて、暫くココで様子を見る事になったのさ」

『先ほどの通りで、ラキュアと申します。皆さん宜しくお願いします』

「随分淑やかなお嬢さんだね!!」「可愛いですよ!!妹に欲しいかも!!」


「ハハハ…」「ガッハッハ!!」「…」


事情と性格をしる三人はそれぞれ思う事を心に隠しながら笑いが広がっていた。


「さてさて軽い紹介は済みましたしご飯にしましょうか」

「よーし食うか!!」「そうですわね」「僕も食べたかった」「むしゃむしゃ」

「先ほども言いましたが先に食べていて良かったのに」

「だってお話があるって言うからねぇ」

「言ってましたね。開かずの間の叫び声が気になってましたし」

「きっとこの子の事だったんでしょうね!!」

「俺はわかってたけどな!!それよりお嬢ちゃん何だいその変わった服は…さっきの赤ドレスと随分違うじゃないか」

「確かに変わってますわね、私の衣類店にも無い服だわ」

『こ、これですか?はは…んー知り合いの御爺さんから貰った服なんです…良くは分かりません…』


…いやぁ、良く知ってますがね…私の世界で言う幼稚園児が園内で着る服ですし…本当に意味わかりませんよ。その趣味と言いこの性能といい…でもそんな事は流石に通じないので話しても無駄だよね…


「凄い可愛いわよ。ラキュアさんってのも変に感じちゃうし【ラーちゃん】って呼ぼうかしら♪」

「ラーちゃん良いですわね!!可愛らしさに磨きがかかったわ!!」

「ラーちゃん僕の野菜食べる?この赤いの何か特にあげるよ」

「だめですぞデンク。せっかく私が作ったのだ。失礼ってものだよ?」

「び、ビルビンさん…僕この赤いの嫌いだっていつも…」


厨房からお皿を持ったコックが現れてデンクにダメ出しをしていた。

彼はここの料理長で同じく住み込みで働く人だ。


「野菜だって貴重なんですからね、食べれるだけ有りがたく思いなさい…」

「そうよ、ビルビンがいつも美味しい料理食べさせてくれるのに贅沢だわ!!」


…あむあむ…ふむ、これトマトだね。デンクさんはトマトが嫌いなのね…砂糖とか付ければ美味しいお菓子間隔で食べれるのに…

…それにしても今までで凄い美味しい…お店として出してるだけは有ると思う。うん。…


『ビルビンさん凄く美味しいです!この味の染みた柔らかいお肉とか』

「そうかい?有り難う。まぁここで出すものは基本的に食べかけや、残り物だったりするからね…」


…食べかけや残り物って…、でも余り物とかをゴミに捨てる私の世界は豊か過ぎたのかな…

…残飯処理係?そんなの上等だい!!…きっとそんな世界なのかもしれない…食べれるだけで幸せなのかも…


『ご馳走様でした!!』パチ!!

「あら、どこでそんなの覚えたのかしら。珍しいわね!!」

「ふぅ食ったぜ!!」

「さて皆さん明日は早いですからね。お嬢ちゃんの大鎌の事業を始めますからね。各コーナーにチケット配りますから購入額に応じてチケット渡して下さいね。価格設定はコーナーチーフにそれぞれ任せますのでソコは私から伝えておきます」

「遂に始まるのか…」

「まぁお嬢ちゃんが街にいる間だけですがね。少しでも売り上げが伸びれば良いのですがね」

「でもこの都市は辺境領ですし大鎌を欲しがる人は結構居ると思いますよ」

「そうだと良いですわね!!」

「ラーちゃんも一緒に頑張りましょうね!!」


…皆商売が好きなんだろうね。ワクワクしてるよ!?私もワクワクしてきちゃうよ!!…


『ハイ!!お手伝い頑張りたいと思います!!』


その日、あらかたの説明を受けた私は明日に備えるべく直ぐに寝る事にした。


私は自室に戻ると引き出しが少し開いていた事に気が付いた

『ん、私はちゃんと閉めたはずなのに…』ガラガラ

『あれ?皺くちゃの手紙が無くなってる!!まさか掃除した時に抜き取ったのかな?』

『でもそうだよね、幼女が算数も字も読めるなんて思わないもんね!!』


「なんて事だ…もしかしたら見られてしまったかもしれない…。息子が書いた手紙をゴミ箱から拾って保管していた何て事を…彼女が教えないか心配だよ…」


彼は小さな息子の願いの文をゴミ箱から拾い上げ読んだその日から、息子へ対応を変えて同じ道を歩ませる事にした大切な手紙なのであった。

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