16話:酒は飲んでも呑まれるな!!
私とミルフィちゃんが仲良く夜を過ごしている中、その上にある宿屋の酒場では毎日の様に人が呑みに来ていた。
ガランガラン
「おうおう、なんだ皆してその面は…今日はそんな気分で酒飲みに来たのかよ」
「おうドドいつもすまねーな…とんでも無い子供を連れて来ちまってな…皆この有様よ」
「ハハ!!地下から聞こえた子供の叫び声はそれかよ!!」
「何だよ聞こえてたのか…すまねーな、匿って貰ってるのに騒いじゃってよ」
「あの子はとんでもないのよ…」
「そうね…色んな意味で大物よ」
「そんなに世話が焼ける子供連れて来たのかよ…頼むから穏便にしてくれよ?」
「あぁ大丈夫だ、近い内に仲間の元に帰るはずさ」
ガランガラン
「お、なんだ例の人族連れの客か」
「あぁそうなんだよ、どうも人探しらしくてな。問題を抱えてるらしくウチの宿屋が良いらしい」
「お前も物好きだよな。こんな店で頑張るなんてよ」
「なに言ってんだよ。アルカードが居なきゃこんな気持ちにはならなかったよ。こんな場所で暮らすのは奴の受け売り見たいなもんさ」
「ドドもフォルンで酒場開けば良かったのによ」
「バカか、もう俺達は帰れないだろが…ドドがココで頑張ってくれたからこそここに居られるんだぞ」
「それもそうか…ドドお前には感謝だな。俺から一杯おごってやるか」
「ハ!!辛気臭い酒かよ。まぁ貰っておいてやるか!!」
《マスター私達にも酒と串焼きを頼む》
「あいよ、そこの人族にもかい?」
《あぁすまんな、下僕とは言えこれでも仲間なんだよ》
「メイビス様…うるうる」
「カイン…泣くならお酒が入ってからにするにゃ…みっとも無いにゃ…」
「随分不抜けた人族だぜ!!ハハ!!」
《あぁそれ位ならもっと言ってやって良いぞ良い薬だ》
「面白れぇや!!ほれ皆のむぞ飲むぞ!!」
メイビス達が酒場の皆と和気合い合いにお酒を飲みだしてから暫くが経った。
「ハハ!!随分呑んでんじゃねーか偉大なる大賢者メイビス様よ!!」
《やめろぉ!!私はただのメイビスだぁ!!》
「メイビス様は凄いんですよ!!足にビューんてしてストーンてジャンプして早く駆けるんですから!!」
「ふにゃふにゃんにゃははーん♪メイにゃんチビ可愛いにゃん…むぎゅ」
《放せぇ~このバキャ猫がぁ~》
「むぎゅむぎゅ~~ぺったんこにゃぁ」
「おめぇさん達の人探しはどうなんだい?」
《邪魔だぁソマリ…んしょ…ん、人探し?いやぁ全くだなぁ、まだ子供だというのに…》
「子供かい、うちン所も最近子供が来てよ!!まったく世話がかかるぜ!!」
《そうかそうか…私の所の子供も世話が焼けるのさぁ…》
「頭も良くて元気なのにゃ~♪むにゃ~」
「ソマリさん食器に顔ついてますよぉ~」
彼女達と彼等はお互いの悩みの共通点が直ぐ傍にある事をその時気づけなかった。
お酒に呑まれる一向の夜は数日続く。
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私はメイビス達と合流する為に魔族達のアジトから中央広場へ向かう日々を三日程繰り返していた。
「どうした?何だか顔が酷いぞ?寝てないのか?」
『そ、そうですか?んーそうですね…ある意味寝てないのかもしれませんね…』
「なんだそりゃ!!あれか、さてはミルフィと遅くまで遊んでいたな」
『違いますよ、ミルフィちゃんはちゃんと私を寝かし浸けてくれていますよ』
…ミルフィちゃんのホールディングのおかげで寝不足です、なんて言えないよ!!…
『いつもこの道行くんですね、流石コソコソしてるだけは有ります。怪しい集団です』
「仕方ねーだろ!!見つかるわけには行かないんだからよ…お嬢ちゃんも同類だろうが」
『私はちゃんと検問の許可を得て都市に入ってますからね!!一緒にしないで頂きたい!!』
「それなら俺達といる必要ないな」
『そんな事は無いです!!万が一が有ります!!これは何でも従う条約の範囲ですよ?』
「我が儘ってレベルの子供じゃないわな!!ひでー性格してやがるぜ全くよ、ほら着いたぞ。また影で見ててやるからベンチにでも座ってな」
『うん、行ってくるガーデル』
私はそんなやりとりをしながら中央広場のベンチへと1人で向かった。普段はこのまま誰も現れずそのままアジトへとガーデルと帰るのだがこの日、三日目にしてある知り合いが私の前に現れた。
「おやおや大鎌のお嬢ちゃんじゃないですか!!こんな所におりましたか、探しましたよ!!」
『ん?えっと…バカ商人のお父さんですか?』
「ハハ…あの時は本当に申し訳御座いませんでした…そうです私はバカ息子の父ヘイソンです」
『ヘイソンさんこんにちは、それで私を探していたとは?』
…あれかな、メイビス達と連絡とって私を探してくれていたのかも!!…
「そうですね、実は商会の準備をしておりまして大鎌を持ち運べる物がやはり居なくてですね、是非ともお手伝いをお願いしたいと思って探しておりました」
『成る程、それじゃメイビス達と一度会っては居ないんですね?』
「旅のお仲間達ですよね?そうですね、彼女らにもまだ会って居ません」
…んーどうしよう、でも取りあえずお手伝いはした方が良いよね…
『そうですか。取りあえず大鎌運ぶの手伝いますよ!?』
「それは有りがたいです。良ければ早速我が商会へ向かいますが」
『あ!!少し待ってて貰っていいですか?』
「分かりました」
私はヘイソンさんに待っててもらい路地裏へと向かった。ガーデルに話を付けるためだ。
「どうした、随分親しげだったが仲間じゃないのか?」
『あの人はちょっとした知り合いですよ。この都市に入る許可を貰えたのは彼等の御かげです』
「それで?どうすんだ?俺達はもう必要ないのか?」
『いえ…まだどうなるか分からないと言いますか。取りあえず彼等の商会のお手伝いをするので一旦お別れをしようかと思いまして』
「成る程な、それで一旦と…泊まる場所で悩んでるんだろ?奴らを信用できるなら匿って貰った方が都合が良いんじゃねーのか?その方が動きやすいだろう」
…おぉ成る程、見た目によらず中々冴えてますね!!…
「なんだその顔は、失礼な事考えていただろ…」
『なな何言ってるんですか!!凄く良い提案だと思ったんですよ!!』
「そうか、なら話を付けて来い。決まったらまた俺に声かけろよ」
『わかった行ってくるね』
『ヘイソンさんお手伝いの代わりにお願いがあるのですが聞いてもらえませんか?』
「お願いですか、そうですね出来る事であれば良いですよ」
『あのですね、今メイビス達と逸れて居まして住む場所に困っています。良ければ私を匿って貰えませんか?』
「匿うですか!?あぁ…確かに眼帯の事がありましたね。そうですね、なら住み込みという形で暫くウチで働きますか?」
…住み込みで働くだと…拙者、絶対に働きたくないで御座る…何て流石に言える立場にないので御座る…
『衣食住と身の保証が出来るのであれば…』
「なら決まりですかね…また行ってくるのでしょう?」
『あ、え…はい…また少し待ってて下さい』
「おう嬢ちゃん。どうだった?話はつけれたか?」
『うん、ヴィンティーニ商会のお店で住み込みで働く事になったの』
「おいおいマジかよ…凄い所の知り合が居たもんだな…」
『知ってるの?』
「知ってるも何もこの都市の1,2を争う商業ギルドのトップ勢だぞ、因みに此処はヘイソンって言う中年が管理を任されて居る。冒険者の国である公国に本店がありヘイソンの親父が経営しているって話だ」
…へぇ、全然よくわからないや…兎に角凄いって事だよね?公国?どこそこ何それ美味しいの?…
『ま、まぁ知ってるよね…ハハ…取りあえず私は大丈夫だと思う…』
「そうだな…まぁ情報が入ったら知らせてやるよ。頑張りな」
『有り難うガーデル…あとミルフィちゃんにも皆にも』
「寂しがるだろうなミルフィは…気が向いたら遊びに来な」
『分かった!!それじゃ行ってきます!!』
私はガーデルと別れヘイソンと共に馬車でお店まで向かった。
「ガハハ!!まったくだ!!」
《それでラキュアって子供がこの下僕に大鎌の柄でぶん殴ってた訳!!》
「らって僕そんな事しりませんれしたしぃ!!」
「カインはおんにゃのてきにゃぁぁ」
「俺んところのガキも相当やばいぞ!!ガハハ!!目がパチってしたらドォォオオン!!!だもんな!!」
「あやりゃやべぇわ!!悪魔の子供だぜ!!」
『すぴ~すぴ~…ふぇっくしょん!!!!!!…えぇ?せっかく寝れたと思ったのに…誰私の噂する人は!!』




