13話:手分けて手握り手を放す
私達は宿屋を探す為に二手に分かれ、それぞれ聞き込みをしに回った。
私はソマリに手を繋がれていた。
『ソマリ…手…』
「どうしたにゃラキュにゃん、汗でも付いたかにゃ?」
『いやぁ、なんか恥ずかしい…』
「子供が何言ってるにゃ!!普通は喜ぶとこだにゃ!!むしろアタシが嬉しいのにゃ!」
『あ…あはは…』
…精神年齢16歳、まさか手を繋いで街を歩くとは夢にも思いませんでした…
『所で誰に話しかけるか決まってるの?』
「んにゃ?そんなの決まって無いにゃ」
『ですよねー』
…わかってたよソマリ…
「でも取りあえずと言えば屋台だにゃ!!」
『ちょっと趣旨がズレていると思うのですが…』
「そうかにゃ?美味しいモノ食べながら店の人に聞けば良いにゃ」
『ほぉ成るほど!!ソマリらしい考え方かもね』
「にゃはは!!そういう訳だからあそこの串焼き屋行くにゃ!!」
『お、おぉ!!』
…食べ歩きツアー始まったよ。大丈夫かな…
クンクン
「良い匂いにゃ…お兄さん串焼き2本下さいにゃ!!」
「おう!4銅貨だ。あいよ!!毎度アリ!!」
『ソマリ…私お金持ってないんだけど…』
「これラキュにゃんの分だにゃ!!」
『良いの?ソマリぃぃ…ありがとう!!私もいつかおごってあげるからね』
「可愛いラキュにゃんの為なのにゃ!!それに子供は甘えられる時に甘える者にゃ」
「ムガムガ…お兄さんムガムガ…安い宿屋しらないかにゃ?ムガムガ」
…ソマリ…話すか食べるかどっちかにして…
「安い宿屋か…此処は観光地じゃないから基本的にどこも安い筈さ、違いが有るとすれば客の受け入れだな」
『貴族様か平民かって事ですか?』
「いやぁ人族かどうかだな。他種族を受け入れる代わりに少し高めにする宿屋がいくつか有る。お姉ちゃん達ならマッコイの宿屋が良いな。獣人なんだろ?あそこは獣人が良く出入りしてる。因みに貴族様はヴィンテーニ系列かネオン系列の宿屋になる」
『ホホ―!!』
…ヴィンテーニって多分あのおじいさんのだよね?宿屋も経営してるのか…
「にゃにゃ!それは!ありがたい情報にゃ!!お兄さんありがとにゃ」
「また食いに来てくれよ」
「ラキュにゃん次はあそこ行くにゃ!!」
私達二人はこんな感じで聞き込みを回っていたが何処も似たような情報ばかりであった。
ただこの都市は辺境の土地と言う事もあり他種族の出入りも頻繁らしく種族別宿屋と言うのが他の街より多いらしい。王都に近付く程、偏見が強くなるのだとか。
『この辺人が多いね』
「クンクン!!!?この匂いまさか!!」ササササ
『えぇ、ちょソマリ!!えぇ!?』
…ど、どうしよう人が多い!!見えないよソマリ何処!!アワワ推さないで…
…転んだら私踏みつぶされるよ!!…
その時ラキュアは腕を掴まれた
ガチッ
『え、何?引っ張られる!!誰!!?』
私はそのまま細い路地に連れ込まれてしまう
『痛い…誰かの足に当たったよ…それにココ…』
「君!!大丈夫!?あのままじゃ危なかったよ?」
『え、あ、ありがとう…誰?』
…目の前にフード被った人が…どうしよう、誘拐?…
「おい何してる!!見つかったらどうする!?それに誰だその…?」
「ご、ごめんなさい…小さな女の子がもみくちゃにされてるのが見えたから…」
「だから連れて来たのかよ…ほどほどにしとけよ…」
『えっと?』
…凄く怪しい人が二人に増えた件…
「それでどうするんだその子供…誰かに似てるな…」
「だよね…私も思ったの…」
「だがな…あの眼帯にあの指輪…お前とんでも無い事したな!!どう見ても貴族のお嬢様じゃねーか!」
「どどどうしましょう…」
「そんなの決まってるわ!!バレ無い内にずらかるんだよ!!」
ダダダダダダ
「居たぞー!!怪しい三人組が路地裏に居るぞ!!包囲して捕らえろ!!」
「何て事だ…お嬢様は置いて行くぞ」
「わかったわ、ごめんなさいね…彼らに身元を話して親御さんに合わせて貰いなさい」
…ささ、三人組!?そもそも、それ私も一旦捕まるよね!!?下手したら眼帯取られてばれちゃうよ!!…
『ま、待って!!私も連れてって!!捕まりたくないの!!』
「はぁ!!?」「えぇ!!?」
「コッチだ急げ―!!」
「ッチ、俺が抱える!急いでアジトに戻るぞ!!」
ひょっと
…え、何この持ち方、正に誘拐なんだけど?いや、連れてって言ったの私ですが…
「下を開けてくれ。おいお嬢ちゃん、カビ臭いかもしれないが我慢しろよ」
私は下水に連れ込まれたのであった。
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「店主!!このお肉いい香りにゃ!!10枚欲しいにゃ!!」
「アイよ!!ニップベーコン1銀貨だ」
「ぐぬぬ!!背に腹は代えられぬにゃ!!」
「はぁ~堪らないにゃ!!ラキュにゃん見るのにゃこの素晴らしいベーコン!!あれ?ラキュにゃん?」
「ラキュにゃんが居なあああああああああああああああああーい!!!!」
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「と、いう訳なんだにゃ…」
《ほほお、それで時間もわからず先に中央広場でベーコンを7枚を食べて私達を待っていた訳か》
「別にこのベーコンは悪くないにゃ取らないで欲しいにゃ…」
「ベーコンに罪はないですからね、それよりもっと自覚した方が良いんじゃ無いですか?」
《もしラキュアが巡回兵に捕まってみろ…これ以上話してもラキュアの為にならん、集めた情報よこして宿屋をさっさと決めてラキュアを探しに行くぞ…》
「わかったにゃ…すまないにゃ…」
「ソマリさんがこんな事でラキュアさんから目を離すなんて…」
他種族を受け入れている安い宿屋という事で彼女達は外壁に近い離れた宿屋に決める事にした。
ガランガラン
「…3名かい、悪いが人族は受け入れてねぇんだが…」
《すまない、ここが一番よさそうだと判断したんだ。この人族は私が引き取った下僕だ。変な事はせん》
「ちょっとメイビス様酷いですよ!!」
「ほぉ、メイビス様と言えばあの大賢者かの。ならば歓迎しよう」
《すまんな店主よ、私は魔法も練れないし精霊も居ないのだよ人違いだ》
「はは、そうかいそうかい!!表立った事さえしなけりゃ良い。自由にしておくて」
《感謝する》
「ドッピー部屋を案内してやれ」
「わかった父ちゃん」
「ココのお部屋ね共同だけど」
「あぁ、構わない。どうせこの男は下僕だ」
「ハハ!お姉ちゃん面白いや!人族が下僕だなんて最高だよ」
「カインどんまいだにゃ…」
「メイビス様以外から言われると中々堪えますね…」
《さて、手分けしたい所だが、早速誰かがヘマしたからな。三人で探すとしよう》
「ソマリさんが逸れた東の露店街を重点的に探しましょうか…」
メイビス達はラキュアを探す為に日暮れまで出歩く事に成ったが見つける事は出来なかった。
「すまんな、暫く人族が出入りするらエルフ様の下僕らしい多めにみてやってくれ」
「まじかい!そりゃ傑作だわ!今日は酒盛りといくか?」
「おぃ?いいねぇ!!鬱憤たまってたしな!!」
「俺達もいつかこき使いてーわ」
「ぶぁあっくしょっぉん!!!」
《どうしたカイン?風邪か?》
「いやぁそんな筈は…」
「誰かが噂してるのにゃ!!」
「僕なんかが噂される程の人望なんて有りませんよ…」
《ボッチだもんな》「ボッチかにゃ」
「どうせ下僕な僕には知り合いと言う知り合いは居ませんよ…トホホ」




