12話:危ない橋を渡っても、危ない事には変わりない
大鎌を隊長おじいさんの荷馬車に預け商品として扱う事で都市に持ち込む算段を立てた一向は何気ない顔で門を通り抜ける所から始まる。
『荷物もなくなったしこれで問題無いね!!さぁ皆、気兼ねなく行きましょう!!』
《誰のせいだと思ってるのだ…君の鎌のおかげで悩み疲れたって言うのに》
「もう入れるならアタシは気にしないにゃ!!」
「さぁ行きましょう」
私達はおじいさんと若商人より先に跳ね橋を渡る事にしたのだが
「おいちょっと待て、そこの子供連れの旅人達よ」
『ふぇっ!?』
…何故に止められたし!?…
《何でしょうか、これと言って持ち物は持ち合わせて居ないのですが…》
「アタシ達ほぼ手ぶらにゃー」
「そこの子供に少し用があるのだ、お話し良いかな?」
…わ、わたしですかぃ!!…
「ロリコンかにゃ?」
「…」
「仕事だ仕事!!」
「本当かにゃ」
《余計な事言うなよ》ボソ
『お勤めご苦労でありまする!!私に何の用でしょうか!!』
「我等は今、魔族の子を探している最中だ」
《…!!?》「…!!?」「…!!?」
…うわぁヤバいヤツだこれぇぇ!!?…
《ほぉ…魔族ですか…それでこの子が魔族とでも?》
「ラキュにゃんはどう見ても人族だにゃ」
「そうですね…魔族なら角とか羽とかありますよね」
《この子に失礼では有りませんか?》
「ラキュにゃん可哀想にゃ…」
「最近の兵士様は見る目が無いんですね…」
…何か皆でぼろ糞言い出しましたよ!?凄い一体感を感じます…
「いやぁそうだな!!確かに人っぽいな!だがなぁ」
『お兄さん私が魔族だって言うんですかぁ…私泣いちゃいます…ぶわぁ』
「ウグゥ!!」
…お?くらっと来た?…
「小さい子泣かせるとか人として恥ずかしいですね…」
「ぐぬぬ…だがしかし…ん!!!?そうだ、その眼帯なんて特に怪しいじゃないか、少し見せなさい」
…痛い所ついて来たー!!…
…何ですかこの兵士さん、意地になって問題点取り上げようとしないでください!!…
《それはいくら何でも…》
「乙女の悲痛な傷を殿方に見せろと言うのですか。僕はこんな漢には成りたくないですね」
…カインが男らしい事言ったけどさ、さっきトイレについて来ようとしたよね!!…
…漢度に減点入ってるよ!!…
「五月蠅い!貴様にとやかく言われる筋合いは無い!!良いから見せなさい!!」
そう言って頭に血が昇った兵士は強行突破をけしかけて来た。
ラキュアの顔に向かい手が伸びるその時…
「お待ちになられなさい、その子達は怪しい者じゃないぞ。ワシが保証する」
「なんだ爺!!なっ!……ヴィンティーニ商会のベルモンド様ですか!?何故ここに!!」
…え、良く聞こえなかった。ビンテージ商会?古いの扱ってるのかな?…
…それより様ってなに?凄いの?このおじいさん…
『…』
「今王都から戻った所でな、ワシ等キャラバンが盗賊に襲われてのう…孫が逃げ遅れた所をこの御方達に助けて貰ったのよ」
「と、盗賊に襲われて?コイツ等が助けただと!?」
…何か怒りに任せたままなのかコイツ等呼ばわりされてるし、疑いの目が痛いです…
「ほれ、後ろに孫の馬車がおるぞ、賊を捕らえておる。見てくるか?」
「賊など護衛が居れば!!…護衛は?」
「護衛はおらん、ワシ等を置いて逃げたわ」
そう言われ辺りを探すが護衛を見つけられず、そのまま孫商人の荷馬車を確認した兵士が戻って来た
「し、信じられません…この人達がこれを…」
「だから言っておるだろう…ワシ等だけであの数を捕まえれると思うか?それこそ無理じゃわい」
「……。し、失礼しました…それで…この子の目は?」
「まだ疑うのかい!?呆れたわ、盗賊との一件で人には見せれぬ事に成ったからワシの商品である眼帯を渡したのじゃ」
『えへへ、タダでもらっちゃいました』照
「そうでしたか…ベルモンド様達の窮地を救ったのでしたら…」
「そうじゃな、だから彼女達を通してやってくれ」
「了解しました!!…お嬢ちゃん…失礼したね、ハーバル城塞都市へようこそ。さぁお入り」
…何ですかこれ、ジェントルマンスタイルの手の平返し…
『あ、ありがとう御座います…』
《おじいさん、助かります》
「これで本当に入れるのにゃ」
「どうなる事かと」
ラキュア達四人はやっとの思いで跳ね橋を渡る事がが出来た。
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門を潜り抜け城塞都市へと踏み込んだラキュア達
『思ったより何も無いですね』
「外壁に近いほど何も無いものですよ。この辺りは戦う為の道具や兵士の宿泊施設くらいですかね」
《火でも放られたら火事に成りかねないしな、門からこのまま真直ぐ進めば賑やかになるさ》
『なら行きましょう!!』
ダダダダダダ
『随分兵士達が走り回ってますね…毎日大変そうです』
「こんなに走り回るほど兵士は忙しくないにゃ」
『え?』
《魔族を探しているのだろうな》
「もしかして聖騎士がもう来てるとか!?」
『無くはないだろう…』
「なら先に宿でも探そうにゃ。早めに身を隠す場所が必要だにゃ」
「そうですね、そうしましょう」
私達は二手に分かれて宿屋を探すことにした。メイビスはカインと、私はソマリと探す事に成った。何故この組合わせかって?ソマリが一番力持ちで私を抱えて逃げやすいからだ!!それぞれが聞き込みをして安くて目立たない宿を探し出した。
「それでは僕達はあっちに向かいますので、中央の広場で待ち合わせしましょう」
「わかったにゃ、でも時間どうするにゃ?」
《あぁそうだったね。ならこの指輪を渡しておくよ》
そう言ってメイビスが様々な色の宝石が付いた指輪を渡してくれた。
「メイにゃん…アタシじゃこの指輪はめれ無いにゃ…」
《私より背がデカいもんなソマリは》クク
「いつだかの事まだ根に持ってるのかにゃー!」キシャー
…なんか軽い喧嘩が始まりそう、流さなきゃね…
ヒョイ
『じゅあ、この指輪は私が貰ってあげますね!!』
私は二人の間に入りソマリから指輪を奪い取った。
『親指に入りました…ってあれ?宝石が光始めましたよ!』
…そもそも何の指輪か聞いて無かったよ!!大丈夫かな…
『メイビスこの指輪なに?』
《その指輪は【魔石時計】と言って魔力を込める事で宝石に宿った精霊、通称【魔石】が反応して一番良く光る魔石を見て時間を確かめる時計だよ》
『まったくわからないですが凄いですね』
「ラキュアさん…ちなみにそれ物凄く貴重なものなので無くさないでくださいね」
《小さな屋敷くらいなら買えるからな》
…小さな屋敷って…それだけでも私からしたら豪邸だよ豪邸…そんなもの渡すなんて…
《おや、もう魔力込めたのか。今なら火魔石の3つ目が良く光ってる筈だ。13時と言った所だ》
…あ、本当だっ…て、魔力を込めた?指に嵌めたら勝手に光ってたけど…私どうやって魔力込めたんだろう。時間の見方も今一わからないし今度聞いてみようかな…
「でも指輪の光がちょくちょく消えてるのにゃ、制御できてないのかもだにゃ」
「本当ですね…まだ幼いからですかね」
《とりあえず風の2つ目、15時には中央に集まろうか》
「了解したにゃ!!」
『了解だぜボス、聞き込み調査に行って参りますぜ』キラン
私は手を拳銃の様な形に変えて顎の下で決めポーズを取り、ソマリと二人で宿探しに出かけた。
『メイビスって実は子供なの?』
《なんだその質問は…私に失礼ではないか?》
「メイビス様はこれでも百ry…痛でででで!!はなじでぐだざい」
「だって背が低いもんニャー!!それに指も小さいのにゃ」にゃはは!!
《このバカ猫め!!痛い目に遭いたいようだな!!カインよ、剣を貸せ》
「ノーム…すまない…こんな事に使わせて…」
《こんな事とはなんだ!おいカイン、さっきのと言い貴様も覚悟しろ!!》
中央広場で戯れる一向であった。




