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11話:恩を金で返すby商人

馬車の積み荷移動の為、荷台から降りた4人はラキュアの大鎌が自分にしか持てず、不審人物で捕まる可能性を考え跳ね橋前で策を練っていた。


『ねぇメイビス、この門通らなきゃ駄目かな?』

《川が街に流れている。君なら小さいし水門の柵も通れるだろうが見つかったら捕まるぞ?それに鎌持って泳げないだろ…ラキュアの様な小さな子供じゃどう考えても無理だよ》


…どうしろってんだあ!!こうなったら上手いこと隙を見てポーチに入れてみ様かな…

…でもそれだとそれで何か言われそう。まぁとりあえずね…


『ねぇメイビス、私お花摘みに行って来るからそこで待ってて』

「ラキュアさんこんな時にお花を採りに行ってどうするんですか!!」

『ちょっちょ!!なんでカイン来るの!!バカなんですか!!』

「カインってば変態にゃ」

《カイン…その表現は用を足すって事だ…それとラキュア、何故に鎌を持っていくのだ…》

『か、カインみたいな人を追い払う為ですよぉ!!?まったくもう!!』


カインの踏み込んだ足が数秒止まりロボットの様にカクカクと退却して行った。


『はーもうカインってばデリカシー無さすぎ…見た目5歳でも恥ずかしいんだからね…』


ラキュアはぶつくさ言いながら木陰に隠れ、肩掛けポーチを取り出した。大鎌を持ち出す理由が出来たので内心では感謝していた事にカインは知る由もなかった。


もぞもぞ

『ふんっふんふっふ!!ふんっふん!!』


…ぇ、入らないんですけど…入れても入れても押し戻される…ストレージにも入らなくてアイテムポーチにも入らないって、何なのこの大鎌…お母様の形見なのに邪魔に感じて来た…私悪い子だね…ごめんさい!!でもこんなに大きい物じゃなくても!!…


スタスタスタスタスタ

「おや?帰って来たにゃ!!」

《なんだか様子が変だな元気が無いように見える》

「もしかしてラキュアさん漏らry」ぐふぁ!!?

ラキュアは通り過ぎる間際、無意識的に大鎌の柄でカインのお腹に一発かましていた。


「なっ……ぜっ」バタン

「乙女心が足りないにゃ…」

《自業自得だな》


腹を押さえ顔から倒れるカインであった。


----------------------------------―


その頃


ガラガラ

「入って良いぞ、次の馬車、積み荷を見せろ」

ガラガラ

「隊長。俺達もそろそろ行きますぜ」

「そうか、それにしても念入りじゃな…」

「壺の中身まで調べられるとは思わなかったぜ…」

「そうですね、まるで何か探してる様な感じでしたね」

「誰か探してる とか?」

「アホか、壺に人が入るわけないだろ、せいぜい小さな子供位だ」

「ですよねー」

「まぁそろそろ行くか」

「隊長はいつ頃?」

「わしは恩人方と少し話してから向かう。どうやら困っていそうでな…あらかた想像つくがの」ほほ

「確かに、未だに門を潜りませんしね、それでは私達はお先に…」

ガラガラガラガラ


商人一向の馬車は次々と跳ね橋を通過し、隊長おしいさんの馬車と孫の馬車だけが残っていた。


----------------------------------―


…あれぇ?おじいさんがコッチに来る。どうしたんだろ…


「先ほどから立ち止まっておる様だが、お困りかな」


…いやぁ、皆そんな目で私と私の鎌見ないでくれますかね…


《恥ずかしながらこの子の鎌が目立ち過ぎて通れないのではと悩み耽っていまして》

「うむうむ、そんな事だと思っておりました」

「?」

なら何故来た と言わんばかりにカインが首をかしげた。

《それでなにか?》

「もし宜しければその大鎌を滞在中だけワシ等に預けて見るのはどうでしょうか」

『どういう事?」』

「簡単な事じゃ、その大鎌を商品として持ち込めば良いだけの話しで御座います」

「にゃるほど!!」

「確かに…初めから頼めば良かった訳ですか」

『良いんですか?それならお願いします!』

「ええ、恩人ですからの。それでこちらからも少しお願いがあるのだが」

《ほお、それのお願いが本音と言う訳だな》

「急に胡散臭くなったにゃー!」

『でもせっかく通れるし聞くだけ聞きましょうよ』

「そうですね、話はそれからですね…」

《それで?》

「ほっほ、もし良ければこの大鎌を滞在中だけワシ等の商会の商品として見世物にさせてもらえないかと思っておる」

『えぇぇぇぇ!!?嫌ですよ!!これ私のお母様の形見なんですから!!売り物なんて駄目に決まってます!』

「ええ、存じてます」

「それなら尚更!!それにこれはラキュアにしか持てないですよ?」

「ええ、それも存じております」

《何がしたいんだ》

「この大きな鎌を使って1つ商売をしようかと思いまして…皆さま耳を…」


…おじいさんが私達にヒソヒソ話しを狭んで来た…


「ヒソヒソ」

『ふむふむ』

「にゃはーくずぐったい」

「なるほど」

《確かに》


「どうじゃろうか」


((((「《『 異議なし!! 』》」))))


大鎌を商売道具とする事で私達の道は開かれた。

『別にさー、只持っててもらうだけでも良かったのにね』

「何を言うにゃ ラキュにゃんはお小遣いで目が眩んでたにゃ!!」

「一杯食わされたと言う所でしょうか」

《流石商人、売り上げの一部支払により私達を即決させるとわな》


金に踊らされる一向であった。

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