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9話:旅路の食事は野生児と


幌馬車に乗るラキュア一向は馬を休ませる為に川辺へに寄る事になった。

ラキュアは初めての異世界飯に心踊らせなが荷台で伸ばした足を左右にフリフリとバタ付かせていた。


『ごっはん♪ごっはん♪ふっふんのふん♪』

「ラキュアさん随分ご機嫌ですね!」

『そりゃーそうよ!初めてのご飯ですもの!!』

「アハハ…初めてですか…」

「ラキュにゃんは食べ物も忘れちゃったのにゃ?」

『んー見た目も味も想像できないの。わくわくが止まらない』

…だって私が知ってる世界じゃ無いしね…

《ラキュア、期待しすぎるのは良くないよ?》

『何それ酷くないですか?せっかく貰えるのに!!』

「なんだいお嬢ちゃんは旅の食事は初めてなのかい?」

『そんな所です!!』

「そうか…なら悪いことをしたかも知れんな」

『そんなこと無いですよ!ねえ皆』

「にゃにゃ!!まぁ皆言いたい事はわかるにゃ…でも感謝はするにゃ!」

「たいちょーう!積み荷下ろしやすたーっす!!」

「さて、お待ちかねじゃなぁ…旅の皆様行きましょうか」


ラキュア達は食事の用意が出来た馬車へと向かった。食べ物が人から人へ手渡され、彼女等の分も配られた。


『すまないの、こんな物しか出せずに』

「いえいえ、外の旅でこれだけ恵んで貰えるとは思いませんでした!」

《そうだな、ラキュアの為に奮発する必要は無いと思うぞ》

「ほほ、これはこれは、バレておりましたか!!ささぁこんなものでよければ好きなだけどうぞ」

「どう見ても売り物混ざってますよね…」

「ハハ!!遠慮するなって!!俺達のサービスだ!!」

「では頂かせて貰います」

「んにゃんにゃ、もぐもぐ!!」

《では遠慮なく》


…硬いパンにジャーキーに魚の干物にクルミに果物にチーズ…

成る程、そうだよね、保存食が旅の常識なのか…私は無駄にハードル挙げさせてしまった訳だ!!

あぁ、過去の私よ…君は罪深いよ…私何て顔して食べたら良いのよ…


『い、頂きます!!』

硬いパン…干し肉…不味いとは言わないけど私には無かった組合せだわ。口パサパサだよ…

《どうしたラキュア。顔が変だぞ》

『意地悪言わないで下さい!!私、とんだ恥さらしで困ってるんですから…』

「にゃはーラキュにゃんかわいいにゃ」

「口に合わなかったかのう」

『いえいえ!!今の私にはご馳走です!』

「良い子じゃな…」

《ええ、彼女が小さな子供だと言う事を忘れてしまう程です》

「それに勇敢だにゃ~もぐもぐ」

「ソマリさん汚いですよー」

「幼い勇者様ですかの」

「そんな所ですね…少なからず僕達はラキュアさんに救われましたしね」

「それはそれは…冗談のつもりでしたわい」

『私だけ除け者かい!!何ですか何ですか!!』

《ラキュアが全然子供らしく無いって話だよ?川で遊ぶ年頃だぞ?》

「ほほ!!全くじゃわい!!孫も見習ってほしいわ!!」


「おっしゃ!!魚捕ったぜ!!えぇぇ!!?」バチャン!!!


『魚!!私も行こーっと!!』

「ラキュアさん着替え無いですよ!!!?」

「っは!!!」

《子供なら脱いでも平気だなー!?》

「ラキュにゃんの裸かにゃ!?」

『メイビス悪趣味だよ!私これでも淑女です!!』

《はぁ…こんな小さな淑女居てたまるか…》

『ねぇカイン、魚捕りたい』

「えぇ、何でそれ僕何ですか!?ソマリさんの方が絶対適任ですって!!」

「にゃにゃ!!出番かにゃ!!」

『私が捕れなきゃ意味無いよー!?カインの土魔法で囲むの』

「みやぁぁ!!出番が…」

「ズルじゃないですか…楽しいんですかそれ…」


その後カインは、ラキュアに土魔法をネダられ川の水を土壁で塞き止め囲い込漁に励んでいた。

小さな体で魚を掴むのは難しく体に水を被っていた。

ソマリも野生の本能抗えず、ラキュアに混じる事に…。


「もうこの辺の居ないにゃー…」

「ソマリさん捕りすぎですよ!!どうするんですか!!」

「それは皆で食べるにゃ!!」

《良いねそれ、お礼にもなる。ラキュア、商人達を連れて来なさい》

『えぇ!?このままですか!?』

《拭くものが無いだろ…次いでに借りて拭いてきなさい》


メイビスに言われラキュアは商人の元へとクネクネ全裸ダッシュを決め込む。その間ソマリとカインは魚の下拵えを、メイビスは焚き火の準備をした。隠す所も特に無い5歳児が、手や腕で隠しながらクネクネ帰ってきた。


《何だその走り方は…》

『わ…私、淑女ですから!!ふぇっくち!!!!寒いですメイビス』

《アホだな君は…》

「ラキュにゃん魚焼くから此方で暖まるにゃ」

…焼き魚…ゴクリンチョ…パリパリの皮を想像しただけでヨダレが…

「いやあすまないね!!良かったらこれを使ってくれ」

「塩ですよこれ!!?良いのですか?」

臓物をとり、焼く準備に入るカイン塩が手渡された。

「ワシ等も食べさせてもらうのじゃ、味が付いていた方が良かろう」

《では遠慮なく…ラキュアも手伝え》

『人使い荒いですよ~』

「ラキュにゃんは和むにゃ」


それからは枝で刺した魚を焼いて行き、焼け魚を配り口一杯に方張る一向達。


『おっぉおっぉ!!!美味しい!!』

…これだよこれ!!何処の世界でも魚と塩は美味しい物なんだね!!…

「やはり新鮮は良いですね…」

「そうですな。ワシら商人は狩りは不得意だからの」

「魚もそうだが、旅路じゃ気前の良い護衛でも無い限り新鮮な肉も滅多に食えんものだ」

…途中で狩りして肉を提供してくれるかって事だよね…まぁその人次第の考えだしケチ付けれない…

あ、そう言えば… 


『そう言えば護衛はどうしたんですか』

「あぁ、護衛か…逃げたに決まってる」

「逃げたってそれ…」

《粗方想像は付く。良い護衛を雇えなかったのだろうな。【叡知の義】等で兵が出せなかったのだろう》


他領から沢山集まる行事に商人は商売の期として売り来る。

優秀な兵もその分減り、残る護衛は余り物である。そして王都からの護衛は絶望的だろう。今頃魔王の編成に割いた人員を護衛や雇い兵で補っている所だ。まともな護衛が商人に付くはずも無い。三人はそれを理解してラキュアを見ていた。


『ぇ…何!?』

「あの数の盗賊にゃ…普通の護衛人じゃ逃げても仕方ないにゃ」

「それにエルソード王国は冒険者ギルドを儲けて無いですからね…」

「勇者も多く、聖騎士も魔術院もあるからにゃ冒険者を余り必要としてないにゃ」

『難しいです…』

《君は国の状況を知らないから無理もない。貴族でもない限り考える歳でもないさ》


…えぇそれって貴族だと小さい頃から政治叩き込まれるって事だよね…嫌だなー…


「さてさて、ゆっくりし過ぎたかな。そろそろ出発としましょうか」

「馬と積み荷を入れる作業があるので我等は先に行っております」


《出発の準備だ。カインは川を元に戻しとけよ》

「アタシは…もうちょっと…お魚シャブるにゃ…」

「ソマリさん意地汚いですよー!!」

《ラキュア、そろそろ服を着ろよ》


…んは!!私、真っ裸の野生児そのままで御魚食ってたのか!!…


こうして一同の満喫した休息は終わり、四人は幌馬車に乗り込んだ。


『…クネクネクネクネ…』

「お尻丸見えにゃ」

『…!!?…クネクネクネクネ…』

「あぁ…今度は前が…」

『…!!!?…スタスタスタスタ…』

《諦めたか…淑女はドコ行った…》

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