6話:暗闇の眼覚め
街道で野宿をする事になった一向はラキュアを先に寝かせ三人で見張りを回して睡眠を摂っていた。
ラキュアが寝てから三回目の交番時間がたった頃異変が起きた。
「メイビス様、起きてください、様子がおかしいです。メイビス様~メイビス様~」
「むにゃぁどうしたにゃカイン…」
「おはようございますソマリさん…あの、馬車が走る音が…」
「…Zzz……!!?んにゃ!!本当だにゃ……真っ暗なのにどういう事にゃ…」
《くかぁ~Zzz》
「メイビス様~!!おきてください!!」
「カイン、ロープ解いて欲しいにゃ、アタシにまかせるにゃ」
「そ、そうですね、よくそれで寝れましたね…ハハ…」シャキン シュパ
「これで自由の身だにゃ!!仕返しだにゃ!!」
ソマリはメイビスの鼻に雑草の先を入れ擦り回していた。
「何やってんですかソマリさん!!もっと真ともな起こし方してくださいよ!!メイビス様~起きてください!!」
《…ぶわっくしょん!!!!…》
《…ん、な、何だ…》
「カイン汚いにゃ!!面白いにゃ!!」
「……ソマリさん酷いですよ…」
カインはメイビスにクシャミをぶち撒けられていた
《どうしたカイン何が有った。それになんか汚いぞ…どれだけ寝汗かいたんだよ…》
「もういいですよ…ソレよりまずいですよ、明らかに此方の焚き火に来てます」
《何がだ!!》
「馬車だにゃ!!荷車の音もするにゃ!!」
メイビスは指輪に魔力を込めていた。
《深夜2時…夜襲にでも遭ったか!?何故こんな時間に荷車を引いてまで…
ソマリ、ラキュアを起こして担いでおけ。カインは視界確保だ!!その辺の枝に火を着けておけ》
ソマリは寝たままのラキュアをおぶり、カインは点火して小さな草木を点火して回る。
すると馬の足音と荷馬車が回る音と叫ぶ声が聞こえてくる
『んn…なに…』
「にゃにゃ!!ラキュにゃんジットしとくにゃ、今は危ないにゃ!!」
「助けてくれー!!お願いだーーーー!!そこ冒険者達ーーーーーー!!助けてくれー!!」
暗闇のなか馬車が突っ込んでくる
「アタシ達冒険者じゃ無いにゃーーーー!!!」
《くっそ!!カイン!!火はもういい、構えろ!!何か擦り付けられるぞ!!》
「どどどうすればいいにゃぁ!!!!」
《ソマリはカインの後ろに居ろ。カイン!!馬車が見えたら左右に壁をだせ!!》
「メイビス様は!?」
《気にするな!二人を守れ!!》
声あげながら向かってくる馬車がカインが撒いた灯火から現れた。そしてその後ろには…
《カイン!!》
「土の大精霊!!片方頼んだよ!!」
「…大地の精霊達よ 我が盾と成れ!!…【土盾】!!」
馬車が焚き火を横切り、横から土壁が現れた。土壁から鈍い音と悲痛な声が聞こえ、馬車が通り過ぎた先からは馬に乗った盗賊が走り去り、メイビス達を囲む様に戻ってくる。
「あの糞商人が!!」
「なんだぁコイツ等は!待ち伏せか!?!聴いてねぇーぞ!!」
「落ち着け!」
「飛んだ邪魔が入ったなぁ、どうしてくれんだぁ!?」
逃げられた馬車に悪態を吐き、邪魔された報いか標的が此方へと変わる。
馬を助走させながら彼ら周囲を回りだす。
《やはり盗賊か…多い…これでは部が悪いぞ》
「メイビス様…」
…どう見てもピンチなんだけど!?…
盗賊は全部で9人、壁に衝突したのは此方から見えない。
「野郎1人と女二人とガキか…」ジュルリ
「男殺してさっさと遊ぼうぜ!?」ギヒヒ
「邪魔した付けは払ってもらわねーとなぁ!!?」
「メイにゃん…」
《っく、ゲスがっ!!》
「勇ましいな!!ぁー怖い怖いっ!!!」
《ソマリ!!逃げろ!!》
「この人数で逃げれると思うなよ?雌猫がぁ!!」
「こんな人が同じ人種だと思うとヘドが出ますね!!ノーム!!ロックブラスト!!」
「走れ 貫け 我が精霊は 石の槍成り!!【石槍】!!」
ノームの放つ岩の塊が横に並ぶ二匹の馬もろとも吹き飛ばし、魔法の石槍が1人の盗賊に突きささった。
「こ、コイツ精霊使いだと!!」
「お前ら!!馬から降りろ!!的にしかならん!!火を消して闇に紛れろ!!」
《カイン、ソマリ!背中を互いに守れ!!》
「あの女キレるな…奴からやるぞ、そこの二人を足止めしとけ」
火を消され視界が悪くなり、馬の足音も無く状況がどんどん悪くなる。
そしてメイビスに忍びよる盗賊にソマリが気付く。しかし
「メイにゃん!!近くに居るにゃ!!」
《なっ!!》ガコン
「メイビス様!!「おいおい、余所見してる余裕ないぞ!?」ザクッ
うあぁぁぁっぁっぁ!!
「にゃぁ!!?」
『ソマリ、落ち着いて…猫なんでしょ!その爪と脚で、助けてあげて!!』
「ラキュにゃん…でも…」
『このままじゃメイビス達が…助けに行ってあげて…』
「…」
「はやくいって!!』
「ごたごたうるせーぞ!!大人しくしないと刺し殺すぞ!!」
「ッチ、そのガキは捕まえとけよ!!」
カインはナイフが脇に突き刺さりメイビスは後ろから首を腕で絞められていた。
「なっ!!?」
「猫が消えたぞ!!」《ソ…マリ…なん…》「動くな、ヤっちまうだろうが」
シュ、シュタ、ズゴ!!
「うっ…」「!!?」「お前もだにゃー!!」ズゴ!!
ソマリは即座に闇に紛れメイビスを締め付ける男の脇腹に爪を突き刺し、気を取られていた男にも紛れ直して一撃を入れた。状況が一変して盗賊は最初の9人から4人に…しかし
「へへ、それ以上動くなよ」
『んん、んぐ…』
《ラキュア!!》「ラキュにゃん!?」「ぐぁ…うぐハっ!!」
ラキュアが捕まり、カインは肩傷が開き、刺さった傷は痛め付ける様に蹴りを入れられていた。
「大人しくしてろよ」シャ
刃をラキュアに突き立てる
「その男さっさと殺せ!精霊使いだぞ!!」
「ッチ分かったよ」カチャ
《カイン!!ンー!!ンー!!》口を塞がれる
「にゃぁ!!」
「やめとけ、ガキも死ぬぞ」腕を押さえられるソマリ
「グッゥ…ノーム…ロッ」ズサッ !!!!!!!!!!!!?
…何なのこの状況、なんで皆をこんな目に…
…意味がわからないよ…人族は救う立場じゃないの!?…
…こんな奴の為に戦ってるの?私はこんな奴等のために勇者したくない…
…こんな悪い奴、認めない…私の仲間、殺させない!!!!!!…
何かが変わった。その何か見えないものからの変化。それは威圧感。
赤いドレスの少女からでたそれは押さえていた男には近すぎて耐えられなかった。力が緩む。
シュタ…少女は地面に着地した。次に変わったのは手だ、無かったはずのモノがソコには有った。
長く、鋭く垂れた刃。メイビスは目が泳ぎ、ソマリは見覚えがあるソレに口を上げ、カインは地に伏せtたまま。
盗賊達は力を入れるが脚が動かなかった。何故ならそれは最後の変化、彼女の左目への恐怖であったから。
『許さない、許さない、許さない!!!皆を!!カインを苛めた奴なんか!!!』カシャッ
体に似合わないソレを後ろで引きずる様に構えた。
「おいおい…正気かよお嬢ちゃん…」口だけが動く
「やり過ぎた、すまん、…ほら」
「まだコイツも生きてるし、頼むよ…」
「ひぃぃ…バケ…モノ…」
《ラキュア!!》
『黙って…お願い…』
「にゃ…にゃぁ…」
動く、重さなど無い様に、思い通りにラキュアは断罪する。
痛みなど感じず彼らの腕が吹き飛んで行く。
無意識の恐怖が解除され体の防衛本能が疼き、痛みと同時に盗賊達は悲鳴を上げた。
((((「痛ぎゃっっぁぁぁぁぁああああ!!!!??」))))
『感謝してよね、カインの命に免じて腕だけにしてあげる』
彼女の目からドス黒い血が流れ出ていた。
ヒステリック幼女!?




