4話:精霊に付けられて
私達三人はカインを遠くから見ていた。
お墓に向かって話し込んでいる様で悲しい表情から優しい表情に変化させ、
笑いながらも涙を堪えてる様にも見えた。
メイビスが言ってた。彼が一番辛い立場なのかも と。
きっと今頃、吹っ切る為に想い出と戦っているんだよね。
大切に想って居てくれてありがとうカイン。二人もきっと喜んでる。
そんな事思っていたらカインが立ち上がった。
《もういいのか》
「はい、メイビス様。御心配御掛けしまして…」
《謝る位なら、これからも胸を張れよな》
そう言うとメイビスが軽くカインの胸板をどついた。
カインの顔は少しばかり爽やかになっていた。
「さてどうするにゃ?流石にもう立ち去らないと騎士団が来ちゃうにゃ」
『それって私を追ってくるのね?』
《そうだな、出来ればこのまま見付からず死んだ事になれば良いのだが…証拠を残せないのがな》
「アタシも谷底に落ちて死んだ事ににゃれば動きやすそうだにゃ」
《ふむ、成る程。やるだけやるか》
『えぇ!?』
《お前達の衣服のすそでも崖際に引っ掻けて置くか、
目撃情報さへ無ければ勘違いしてくれるかもしれん》
『私いいのあります、はい!』
私はノースリーブと化した赤ドレスの腕の切れ端を渡した
「しょ、正直すまんかったにゃ!」
《あぁ、反省している…》
『何で謝るの!?使い道が出来たし丁度いいよね』
私は口一杯に深く笑みをした。化け物の笑みである。
《所でカインはどうする、国に戻れば何されるか分からんぞ》
「そうですね、このまま皆さんと逃げるのも悪くないかなとは思ってるのですが…」
『ですが?』
「にゃぁ?」
「僕、人族ですし…その皆さんの迷惑に…」
《ふむ…なるほどな、角でもぶっさすか?カインよ》
「にゃぁ、メイにゃん流石にそれは…」
メイビスの無茶ぶりにカインの顔が引き吊っていた
『カインは家族とか居ないの?』
私がそう言うとメイビスが答えた
《カインは私が引き取ったのだよ、アッシュと一緒にな》
「アッシュ…」ボソッ
「僕ならそう言う訳なので騎士団には迷惑掛かるかも知れないけど、大丈夫です…皆さんがよければですが」
そう言って何故か皆わたしに振り向いた。
こ、これは私が決めろって言うアレですかね…
この世界の事よく知らない5歳の幼女に選択を迫るとか可笑しいですね!?
『わ、私が決めちゃって良いの?』
《連れていくか決めるのはラキュアだろうな。ほれほれカイン、今のうちに尻尾でも振っとけよ》
「メイビス様!!!そんな酷いですよ!!!」
メイビスがカインの尻叩き出した…
《意義を申し立てる相手が違うぞ~?ほれワンワン》
まるで下僕だ…でも置いていく理由も無いんだよね
『ならカインも行こ?』
「はい!!」
「ラキュにゃんはやっぱり天使だにゃ…」
《良かったなラキュア。下僕が出来たぞ》
…やっぱり下僕だったのかぁ~!!…
『私、最後に挨拶してきます』
《そうだな、行くぞソマリもだ》
「もちろんにゃ!!」
私は最後に眠る土の上に両手をを広げ二人に告げた
『お父様、お母様、行ってきます』
……ポワン……
お墓と大樹から光が漂って来た。
…何怖ぁ…このシチュエーションで蛍?幽霊だったらどうしよう…
《ラキュにゃんそろそろ行くにゃーん》
『ぁ、はーい!!…』
私は駆け足で戻り、此れからどうするのかを訪ねることにした
『ねぇメイビス、これからどこ行くの?』
「アタシも気になってたにゃぁ」
《そうだね、特に決めていないんだ》
『えぇぇぇぇぇ!?』「にゃぁぁぁぁ!?」
「ハハ…メイビス様は放浪の旅に良く出ますが、余り行先は決めないのですよ…」
《カイン、なんだその苦笑いは。取り敢えず一番近いハーバル領へ向かい国を出る準備をしようか》
「ここからじゃ分からないにゃ…」
「でしたらフォレンの町へ行き街道へ向かいましょうか」
《では戻るか…》
私達はフォレンの町へとまず向かった。
人が誰も居ない廃墟だった。どうやら此所で私は暮らしていたらしい。
色んな村が合体したような…各々が暮らしやすい家なんだと思う。
大きいドアのある家だったり、逆に小さかったり、閉鎖的で窓がなかったり。
混血が集まる呪われた町と言われてる、ってメイビスが言ってた。
何故だか腹が立ってきた…。
私はお父様が作った町を後に街道に繋がる道路を歩く。
《所でラキュア…その精霊どうした》
『ふぇ!?』
「本当ですね、凄く珍しいですよ…それに頭にも何か着いていますね」
私は周囲を見渡すとさっき見た漂う光を視認した。頭までは見えなかった。
『えぇ、付いてきちゃったの?』
《ん、ラキュアこの精霊どこで見たんだい》
『この精霊か分からないですけど、お母様のお墓から出てきました…』
「らら、ラキュにゃん不気味な事言わないで欲しいにゃ…」ぶるぶる
《どういう事だ?》
『そのままです…』
変な目で見られる私。本当の事を言っただけなのに!!
すると目に見える光がメイビスの周囲を回りだし懐の首飾りが羽織るローブの外から光だ。
「メイビス様…まさかと思いますが…」
《あぁ多分そうだな…随分小さく成ったな…【土の大精霊】よ。』
『そうか、依り代を無くしたのか…》
《すまん代わりのモノが無いのだ》
《君が良いならそうしよう》
《カイン、君の剣に暫く宿してもらうよ》
「い、いいんですか!?」
《馴染めばだがな…一応アッシュと同じ【精霊憑依】用の魔法剣だからね。》
「ですがもし僕のにでもなったら…」
《その時はその時だよ、ノームが決める事だ。それにその剣以外無いぞ?》
「わかり、ました…っよろしくね」
…なんかこの二人何かと会話しててヤバいんですが…
『ねぇソマリ…あの二人…』
「精霊使いは自分を認めた精霊と話せるらしいにゃ。初めてじゃっその反応も無理ないにゃ…」
「メイビス様…お、終わりました」
ガシャ
《さて行こうか!!》
何故だか嬉しそう…
四人はハーバル辺境伯領へ向かった。
《んふ~ノームぅおかえり~♪心配したんだぞぉ~♪》スリスリ
「め、メイビス様…僕の剣そろそろ返してください…」
『そう言うことか!!』
「そう言う事にゃ!!」




