3話:幼女に慰められる騎士
私は今 なに何故ちゃん だ。
メイビスやソマリから気になる事を聞いて知識を貰っているのだ。
取り敢えず今の状況を説明してもらった。
私が王国に狙われている事や、ここまで戦っていた事、そして魔法を発動させたら大樹が稔り、地面に長くて深い谷底が出来ていた事、ソマリの連れが谷底に落ちた事、学生が倒れたままな事、そして父母が亡くなった事。
この数日の出来事を簡単に話してくれた。物凄い事が起きていた…。
『ねぇメイビス、私アルカードさんの事なんて呼んでたの?』
メイビスが一瞬悲しい目をしていた。
《ラキュア、君はアルカードとティルミアをお父様とお母様と呼んでいたよ》
『お父様、お母様…』
《アルカードはね、自分達の居場所さがしの為に元からあった爵位を捨てて自ら爵位を手にした貴族様なんだよ、彼の功績は並々ならぬ者さ。まぁ彼の混じる血と彼の伯叔父のお陰もあるよね》
「そうにゃアルにゃんはレオーネ族も助けてくれた凄い御方なんだにゃ!」
『凄い御方…』
《ラキュア、君は一応エルソード王国の貴族のお嬢さんだったって訳。アルカード亡き今、本来なら望めば伯爵を得られたかも知れん。でも君は混血であり、扱いは魔族だ。貴族に戻るのは出来ないだろうね…》
「話がズレてるにゃ!要するに貴族育ちだったにゃ!!」
《知っておくにはいいだろ!!》
「そそ、そうだけどラキュにゃんはまだ5歳だにゃ!!難しくて分からないにゃ!」
《そう、であったな…ラキュアの物分かりが良くてすっかり忘れていた…》
…分かるけど私まだ5歳やったかー!!道理で小さい訳だ!!
下手に色々に聞けなくない?わ、私天才児って事で通せるのかな!?不安になってきた…
「それにしても性格も随分違うにゃ、まるで別人みたいにゃ!!きっと今まで溜め込んでたんだにゃ」
《そんな訳無いだろ!なにを言ってるんだこの猫は、まったく…》
…何ですかその野生の嗅覚は…ラキュアちゃんごめんキャラ崩しちゃったかも!!
この人達なら今の私でも受け入れてくれるのかな…
『も、もし私が別人だったら…どうしますか?』
私は聞いてみたく成った。冗談半分ですませるつもりで。でも後悔した。
二人は私の瞳を覗き混むように見つめてきた。そして
「ラキュにゃんは何を言っているにゃ?」
《いや…ソマリ、君が言い出した事だろうに…》
「そうだったにゃ!!ん~でも特にどうもしないにゃ。此所に居るラキュにゃんは、アルカードとティルミアが必死に護ったラキュアだにゃ。例え人が変わってもアタシは無下には扱わないにゃ!!ラキュにゃんは二人の忘れ形見だからにゃ。」
メイビスがホー!とでも言いたそうに背を反らせていた。
《ソマリ、私は君を見直したよ。只のバカ猫かと思っていた私を許してくれ…悔しいが私も同じ気持ちだ》
メイビスは涙も出てない目下を擦る様に泣き真似をしていた。
「どういう事にゃー!!絶対バカにしてるにゃ!!本当に泣かせてやるにゃ~!!」
そういってソマリは手をグーにしてメイビスにポカポカしだした。
私は軽はずみに聞いた事を後悔した。覚悟が足りていなかった。
この人達は思ってた以上にラキュアを大切にしている。
私はそれに応えれる様に生きなきゃいけないと自覚した。
『ソマリ、メイビス、ありがとう。私頑張って生きる』
二人がじゃれ合いを止め振り返る
《子供が言う言葉じゃないぞ?どうせ生きるなら楽しく過ごせ!》
「ラキュにゃんも一緒にあ~そぶにゃ~!!!」
『ひぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!?やめてぇぇl!!!?』
精神年齢16歳の私は抱っこされ、振り回される
《恐がってるだろ!!辞めなさい!!》ゴツン
メイビスが杖でソマリの頭を叩く事で解放された。
私は森の茂みへとフラついるとソマリに頭を鷲掴みにされていた
『め、めが~あぁあぁぁ』
ピクピク
「まつにゃ」ガシッ
《おい!ソマリ、その持ち方は!!》
「誰かこっち来るにゃ、どうするにゃ」
…えぇ何々!!?…
《なんだと》
「メイにゃん、今戦えるかにゃ?」
《すまない無理だ…実はマナが無いんだ》
「にゃ!!?メイビス様であろう方がにゃ!?」
《それは後で好きなだけ聞かせてやる。どうするか…だが、取り敢えず私とラキュアは隠れるぞ》
「にゃにー!アタシも隠れるにゃ!!」
ガサガサ
三人は茂みに隠れた
《少し長居し過ぎたか…》
「メイにゃん見たいに誰か来ても可笑しくないにゃ」
ガサガサ
《くる、静かに》
…
「木を辿ってみればこんな所に割れ目!!?」
見た目ボロボロな怪我をした青年が現れた
ガサ
《カインではないか!!》
「カイン?だれにゃ?」
『お話の護衛の?』
「め、メイビス様!!ご無事で何よりです!!」
「あぁお前もな…良くその傷で来れたな…戻らなかったのか」
「フォレンの町に身を潜めて薬探していたら此方から凄い光と大樹を確認したもので…
それよりその子…アルカードさんの!!…と言うことはアルカードさんと奥さんは!!」
カインはラキュアを見ながら希望を見つけたかの様な顔した。
しかし打ち砕かれる。
《カイン…彼等はもう逝った。今は其処で眠っている…》
メイビスは墓標に視線を向けた。
「そ、そんな…それじゃ僕は…」
《カイン…その子が見えないのか、私も見た訳ではない。だがカインがアルカードを導いたからラキュアが居るのかも知れない。自分を責めるな》
それでもカインは歯を噛み締めて涙を流した。
…こんなの見てられないよ…
『か、カインさん、その、ありがとうございます。私とお母様を守ってくれて…護衛してくれて。お父様も呼びに行ってくれて…私の為に傷を負ってくれて…貴方が泣いていると私まで泣きたくなるわ』
「そこのカイン?って人、女の子にこんな事いわれてまだ泣くのかにゃ?情けないにゃ~」
《カイン、泣く暇があったらアルカードに挨拶でもしてこい》
『そうですね…僕はバカでした。彼女が泣かないのに僕だけ泣くなんて…』
カインは涙を切りラキュアの手を両手で握った後、墓標へ向かった。
《彼が一番辛い立場なのかもな、暫く一人にしてやろう》
私達はカインをそっと見守った。
「うぅ…」
「見ていて情けないにゃ…」
《ほーら可愛いラキュアちゃんが慰めてくれてましゅよ~?》
『べろべろばー!!』
「………」真顔
《泣き止んだな》
「カイン…元気だすのにゃ…」
ポンコツ弟子の二つ名は伊達じゃない!?




