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1話:大きな谷と木の下で

やっとこさ転生しました。前座、長かったですね。

シリアスから抜け出すので違和感あると思います。


「にゃにゃー!!にゃんだこれはー!!!!!!!!!」


人族寄りの獸人は

突然成長した大樹に驚き、

突然割れて出来た谷底に驚き、

仲間が谷底に落ちた事に驚き、

驚き過ぎて腰を抜かしていた。


「はぁはぁ…喉が痛いにぁ…何がどうにゃってるにゃ…」


ひゅぅーん!!

四つん這いで谷底を覗いている。


「こ、怖すぎるにゃ…これじゃ助からないにゃ…」チラ


彼女は谷底の出所に聳え立つ大樹をチラ見していた。


「さ、さっき誰かと戦って居たにゃ…見るのが怖いにゃ…フンフン!ちらっちらっ」

「誰か寝てたにゃ!?」


彼女は先程の戦闘を遠くから見て、恐怖を感じ取ったがチラ見する事で恐怖を軽減していた。理屈が解らない?それは彼女に聞いてくれ!

そしてその一瞬は何かを捉えていた。


「誰か居るかにゃ…」こそーり


大樹に開いた窪み中を顔だけ覗き込む。

するとソコには見覚えの有る女の子が居た。


「ラキュにゃん!?息が…有る!!?」

「どうするにゃ…この子は皆が倒す対象にゃ…でもアタシは…」


彼女は捜索の手伝いをしに来ただけで本気でこの子の父親と戦うつもりは無かったのだ。

そしてその娘もしかり。この子の父母はついさっき命を断った。

彼女は迷っていた。この子を助けるかどうかを。


「アルカードとティルミアの忘れ形見にゃ…でもアタシ…」ピクピク

「誰か来る!?」


彼女は反射的にラキュアを抱え大樹の周りの茂みへと身を潜めた。


《光を追ってみれば…どうなったらこんな大樹が一夜で育つんだ…それにこの谷底は…》


突如現れた者は辺りを見渡しながら倒れている学園の生徒と二人の夫婦を見つけ飛び出した。

《「アルカード!!!?おい!?アルカードー!!》


その言葉に返事を返す者はいなかった。


《アルカード…そうか…それにティルミアまで…》

《くそ…私がしっかりしてさえ居れば…敗北さえしなければ…》


その者は二人を想いアルカードの亡骸の胸ぐらで鳴き始めた。


「なんかアルカードの胸で泣いてるにゃ…いいやつにゃ!!」


純粋無垢、悪く言えば単純であった。



ガサガサ


《!!?》


ザササ!!


「にゃにゃー!!」

《なっ!!敵だと!!完全に油断していた!!》ジュルル


鼻水をすすり、急いで顔を袖で拭き杖を構える


「ま、待つにゃ!!お前良い奴だにゃ!?」

《…?》

(初対面でいきなり良い奴呼ばわり?)


杖を持つ者は困惑していた。其処は普通、悪い奴 なのであるからだ。

だがそこで目の前の獸人におぶられた子供を見つけてしまう。


《おい貴様…その子をどうするつもりだ…答え次第ではっ》

フードから見える物凄い目付きと威圧を浴びせる、が、しかし内心は

(私もう魔力ないのよ!!こんなハッタリ通じなかったら!)

「にゃ、にゃにゃ!!?アタシは…この子を持っていく者にゃ!!」


どうやらニュアンスを間違えたようだ


《何て事だ、まさか賊と出会すとは…》

「ち、違うにゃ!あ、えあ、んーこの子を助けに来たにゃ!!」


今度はチャント言えたようだ。


《助ける…だと?》

「そそそそうにゃ!この子は狙われてるにゃ!!だから助けるにゃ!アルカードの忘れ形見にゃ!!」


獸人娘は身振り手振り答えていた。その必死さが伝わったのだろう。


《貴様、アルカードと知り合いなのか!?》

「そうだにゃぁ!アルにゃんは恩人だにゃ」

《(見たところハーフだしな、奴ならあり得るか…)》

《そうか…なら1つお願いがある》

「きょ、脅迫かな!!?」

《私はお願いといったはずだが…彼等の埋葬

を手伝ってくれ…》


その言葉を聞いて獸人娘は涙が溢れてきた。


「やっぱり良い奴にゃ…ラキュにゃんちょっと待っててね」

《やはり知り合いなのだな…正直安心した…》


彼女達はそれが切っ掛けで打ち解けたようだった。

二人は大樹の側に墓標を立てて上げた。ラキュアを抱いて祈りを捧げていた。


《すまんな、アルカード。こんなお墓で、落ちついたら又来るよ…ティルミア…お前にそっくりだな、私が良い子に育ててやる。安心して眠ってくれ》


そう言って彼女はラキュアを抱き去ろうとした。がしかし


「ちょっと待つにゃー!!ラキュにゃんアタシが先に見つけたにゃん!!アタシ育てるにゃん!!」

《何バカな事言っている、アルカードと私達は古くからの友人だぞ、年長者として私が責任を取るのが道理と言うものさ》

「そ、そんなの関係ないにゃん!それにアタシよりチビッコなのに年長者とかバカはどっちにゃ!」


《うるさいだまれー》

「キシャー!!」

《ポコポコポコポコポコ》

「ニャニャニャニャニャ」


こうして謎のラキュア争奪戦が始まったのである。


《そう言えば自己紹介がまだだったな》

「そ、そうだったにゃ!!アタシはソマリにゃ、【ソマリ・マーロン・レオーネ】にゃ!!」

《なるほど、レオーネの一族だったのか…アルカードらしいな…

私はメイビス、【メイビス・ヘカト・ヴァーニル】だ》

「にゃにゃー!?メイビスってあの!?」

《どれか分からないがそのメイビスだろう…宜しくソマリ》

「それじゃラキュにゃんは【ラキュア・ヴラド・レオーネ・ルシフェイル】だにゃ!!」

《貴様という奴は!!そうやって》

「早い者勝ちだにゃー!!レオーネの掟にゃ!!」

《くんぬぉーポコポコポコポコポコ》

「うんにゃーニャニャニャニャニャ」



『ん、ん…ここは…』



そして少女は目を覚ました。



《ポコポコポコポコポコ~♪》

「メイにゃんだけ杖はズルいにゃああ!!」

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