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ノワール・ガールズ・パニック  作者: 一二三四ョウオウ


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12/14

前川は暴れる、されどこれが正常(らしい)

 瀬戸達がアリスデルと戦う数日前。


 ???「懐かしく、もないか」


その頃、ある会社にて。あるサラリーマンが大手ビルの前に来ていた。手には大きなカバンを持っており、何の躊躇もなく中へ入って行った。自動扉が開き、中では沢山の人が歩いたり、座ったりしている中、男はある男性に話しかけた。


サラリーマン「ん?君、どうしたんだ?」


???「社長はどこだ?」


サラリーマン「社長?社長室にいるんじゃないか?」


???「そうか、ありがとう」


すると男は手を伸ばした。すると、サラリーマンの首に赤い光が出始め、首輪が出て来てしまった。


サラリーマン「な、何だこれは!?」


サラリーマンの男は必死に外そうとするも、なかなか外れなかった。すると男は去り際に


「あんたに恨みはないが、今日から俺の奴隷な」


と言った。その場面を見ていた人達は悲鳴をあげ、急に騒めき始めた。男は更にここにいる全員の首に同じ首輪をつけた。その首輪を取ろうとみんなパニックになり、受付嬢が電話で警察を呼ぼうとした時、


「警察に電話するな」


と男が言った所、首輪の宝石が赤く光り、受話器を置き始めた。それから「携帯を出せ」と言う指示をするとみんなスマホを取り出して、男の前に置き始めた。男はそのままスマホをカバンに詰め、サラリーマンの社員証をひったくり、そのまま中へ入り、各階の社員の首に首輪をつけた。そして、社長室の方まで行き、ノックもせずに部屋に入った。中には社長や部長、役員達が会議をしていた。


部長「お前はっ!?何故ここへ来たっ!?」


???「父さん、今日からここは俺の会社になったんだぜ。悪いが父さんは正社員、いや清掃員に降格だ」


部長「貴様ーっ!!!!!」


男は何の躊躇いもなく、この場にいた全員に首輪をつけた。男の名は工藤進平(くどうしんぺい)。この会社、前川コーポレーションで働いていた"元"社員であった。実は部長の息子であり、コネ入社で入ったようだ。しかし、部長の子息という立場を鼻にかけているのか、会社の中でもやりたい放題だった。更には会社の金を横領し、新入社員であるにも関わらず、自分の業務を他の社員にさせていた。これを見かねた社長と部長は進平を懲戒免職、更には横領したお金の損害賠償請求まで行なったようだ。そんな彼がどうしてここにいるのか、それは自身が能力者になったからである。もちろん黒幕はプレシャスファミリア。リストラされて自暴自棄になっていた所、SNSでプレシャスファミリアからの求人を見て、すぐさま応募したようだ。そのおかげで能力者として目覚めたようだ。ちなみに彼の能力は"赤粘土(レッドクライ)"と呼ばれる能力で相手に首輪をつけさせて、つけた相手を従わせる事が出来る能力である。


工藤「これでこの会社は俺のもんだっ!!!うひゃひゃひゃひゃひゎひゃひゃっ!!!!!!!」


工藤は高笑いをした後、社長椅子に座り込んだ。


§


数日後。


前川「うーん、最近パパと連絡がつかない」


瀬戸「どうしたのですか?」


前川「今日はパパが迎えに来てくれる予定なのに、全然来てくれない。そういえば、最近家に帰って来てないわね」


村上「今時パパっ子かよ」


前川「羨ましい?」


村上「全然」


放課後にて、今日の活動はアカゴンとプチモンから異世界についての話を聞こうとしたが、アカゴンはペンダントを渡さない限りは話さないと言い、プチモンもプチプチしか喋らない。いきなり聞くのも可哀想なので時間をかけても少しずつ信頼関係を深めればいいと考えている。


アカゴン「プチモン、行くぞ」


プチモン「プチプチーッ!!!」


アカゴン「何っ!?あの女ともっと一緒にいたいだって!?」


瀬戸「私、瀬戸黒葉ですっ!!!」


アカゴン「ならセトクロッ!!!俺のプチモンをたぶらかしてんじゃねぇよ!!!」


瀬戸「たぶらかしてませんーっ!!!」


前川「じゃあ、アカゴちゃん♪♪私と暮らしませんか?」


アカゴン「誰がアカゴじゃーっ!!!俺はアカゴンだっ!!!」


前川「まさにクレイジーッ!!!貴方のような超珍しい生き物を見るのは初めてよーっ!!!超ハイテンションになった!!!」


アカゴン「お前なっ・・・て、お前は何でそんなテンションなんだ?普通だったら絶叫するんじゃねーの?」


前川「私、UFOや宇宙人、未確認生物は結構信じる派よ。この世界にはまだ見つかっていない生き物が8〜9割よ。たった1、2割しか知らない生き物でしか知らない私達に未知なる生物はまさにクレイジーと呼ぶに相応しい、大発見と言うべきよーっ!!!!!」


アカゴン「は、はぁ・・・」


プチモン「プチ?」


松木「す、すごい熱弁」


村上「なんか関わりたくなくなってきた」


前川「私、実はあのネッシーと遭遇しちゃったのよ〜♪♪♪」


瀬戸「え・・・えぇっ!?」


村上「嘘やろっ!?あれは偽もん説が浮上しておるぞ!!!」


前川「いいえ、あれは確かにネッシーだったわ。あの写真は確かに偽物だけど、実際に会ったのは私が小学生の頃ね。私は旅行でイギリスのネス湖へ行ったのよ」


瀬戸「あのー、ご両親も信じる派ですか?」


前川「そうよ♪♪だから、実際にテントを建てて、カメラを各場所へセッチし、ネッシーが現れるのをずっと見ていたわ」


ベル「そんなに珍しい生き物なのか?地球には色んな生物がいるのだな」


村上「いないわ。しかし勿体ねぇな。観光地沢山あるやろ。それをわざわざネス湖にって」


前川「私が会ったのはその日の深夜。急にお手洗いに行きたくなってね。近くのお手洗い場まで歩いたのよ。そしたら、水面に謎の影が現れたのよ」


松木「それがネッシーだったの?」


前川「いいえ、ただ魚が跳ねてただけだった」


村上「なんやそれっ!?」


前川「それからよ。急に魚達が一斉にグレゴリーに飛び始めてね、私は急いでキャンプに戻って一眼レフを手にした訳よ!!」


村上「子供のやる事か、それ?」


前川「シャッターチャンスを逃さまいと私は双眼鏡を片手に辺りを見渡したわ」


瀬戸「もはや動物カメラマン」


前川「そして、岩陰に隠れながら奴が出るのを見張ったわ。もちろん証拠に魚が飛び跳ねる写真も何枚か撮ったわ。あの臨場感はまるで戦場にいた時みたいだったわ」


松木「戦場カメラマンでもあるね」


前川「そして、遂に浮上したのよ、奴が」


瀬戸「え、遂に現れたの!?」


プチモン「プチプチプチプチッ!?」


アカゴン「ゴクリ・・・それで?」


前川「私はそれをカメラに撮ったわ。そして、確認した。正真正銘、ネッシーだったわ。まさにクレイジーッ!!!」


ベル「何だって!?それは本物だったのか!?」


前川「鳴き声もあったし、息もあがっていたし、何より魚を食べる咀嚼音も聞こえたわ。こっそり私も見たけど、確かに生き物だったわ!!」


アカゴン「す、すげー・・・それで?」


前川「それからは再び沈んでしまったわ。幸いな事にこっちに気づいていなかったから、クレイジーな写真を沢山撮ったわ」


瀬戸「その事はご両親には?」


前川「話したわ。でも、セッチしたカメラには魚が飛び跳ねる写真しか写ってなかったわ。そういえば、パパとママは鳴き声を聞いてないって言ってたわね」


村上「あんなに大きな生物の鳴き声をか?」


前川「あの日の夜は魚が飛び跳ねる音以外何も聞いてないって言ってたわ」


瀬戸「写真は見せたのですか!?」


前川「写真は見せたわよ。でも、何も写っていないって口を揃えて言ってたわね。私には見えたけど」


松木「えぇ!?カメラが壊れたとか!?あ、そうだったら前川先輩も見れないか」


前川「でも私はこの目で見たわ。それ以来、このカメラをずっと持っているのよ。何か現れても写真が撮れるようにね」


前川にそんな過去があるとは思わなかった。不思議研究会を設立したのもそんな経験があったから設立したのか。ふとそんな事を考えた。不思議な事もあるものだな。一方で前川コーポレーションでは、社員全員工藤の奴隷となっており朝から晩まで働かされていた。社長や部長も平社員に降格されて、働き蟻みたいな生活を送っていた。昼休憩は15分だけという鬼畜以上のルールもあり、法に反するような事も多々やらされていた。そんな工藤だが、良心が痛まなかった。毎日社長椅子に座り、仕事するかと思いきや全て部下に押し付け、営業と称してパチンコや競馬などに行き、夜になれば高級居酒屋で接待やキャバクラに入り浸っていた。もちろん経費で落としている。そんなやりたい放題の工藤はある日、ある事を考えついた。


工藤(そう言えば、あの社長に娘がいたな。写真で見たけど女子高生か。大人しそうだし、結構顔が好みだな。この今の俺様ならほっとく訳ないか)


工藤は元社長である前川父の娘、前川陽子を狙っていた。成金になった自分を見て、あらゆる女性が近寄って来たが、正直上辺だけの女性ばかりで飽きたようだ。世間知らずで純粋かつ無垢な子供なら自分についていく、そう思いついたのである。しかし、急に付き合う事が出来ないのは百も承知。それも自身の能力があればどんな女も奴隷になる。そんな事を考えていたのであった。まさに下衆である。


工藤「ま、まずは奴隷にして、めちゃくちゃにしてあげよっと。そこから俺様無しでは生きられないようにすれば・・・ひゃひゃひゃひゃ、笑いが止まらねぇ!!!」


工藤は高笑いしながら、ワインを飲み始めたのであった。


§


その頃、前川はというと。


前川「・・・あれ?これって、アレだよね?」


前川が帰宅し、鞄から教科書や弁当箱を取り出していると中にある物が入っていた。それはあの日、ベルが無くしたと言っていた、あの青いペンダントであった。どうして自分が持っていたのか、自分で入れた記憶はない。誰かが入れたとも考えにくい。前川はペンダントが見つかった事をみんなに知らせようとした時だった。急にパパから連絡が入り、"今夜、会社の社長室に来て欲しい"という内容が書いてあった。パパがそんな連絡を送るのは不思議だった。いつもなら


"今日は早く帰れる、プラレール( ^ω^ )。今日の晩御飯は何かな、カタカナかな?今日の晩御飯、何が飛び出すか、飛び出さないか、飛び出すのは兎かバッタか、それとも湯気だけかな〜?その湯気が筋斗雲になったりなんかして〜☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆"


と、こんな風に送られてくる筈なのに。これは誰かがパパになりすまして、私にメールを送っているに違いない。それと同時に父が今、危ない状況にいると言う可能性も浮上してきた。家から会社まで行けれる距離だし、まだ電車も動いているからすぐさま会社に向かう事にした。その後、会社に着いた前川は会社の秘密の抜け道を使い、中に入った。外から見ても分かるが電気は全フロアついており、社員達も複数残っていた。ただ、働き詰めで顔がやつれている社員が多く見られた。そんなに忙しいのか?いや、パパは全社員に対して優しく接する筈だ。なのに何故か、みんな死んだような顔をしている。パパの身に何かあったのかもしれない、そう思った前川は急いで社長室へと向かった。社長室は最上階なのでエレベーターを使った。やがて最上階へ着くと、そこで見たのは壁や床にへばりつくように倒れている社員の姿だった。みんな手が動かせない程、精神的に参っているようだ。そんな状況の中、前川は急いで奥の社長室まで向かった。すると社長室からものすごい怒鳴り声が聞こえた。パパの声ではない、別の誰かであった。前川はこっそり中を覗いた。


前川父「申し訳ございませんっ!!!次の契約では必ず〜!!!」


工藤「け、単価を上げりゃ良かったのによ〜、何が信頼だ。必要なのは数字だ。常に上位でなきゃ、いけねぇんだよ」


前川父「ひぃーっ!!!すみませんすみませんっ!!!」


工藤「まあ、俺だって部下を叱るのは辛い。俺様の機嫌を直す方法ならある。あんたの娘を紹介させろ」


前川父「む、娘をですか!?」


工藤「あんたのスマホで見たんだよ。タイプなんだよ。相手をしてくれたら、今回の事を水に流してやろう。あ、もう連絡したんだっけ?」


前川父「そ、そんな〜」


工藤「いいか、今この会社のトップはこの俺だ。だいたい前からあんたが気に食わなかったんだよ!!何が誠実だ!!何が信頼だ!!世の中は俺様中心に回ればいいんだよ!!俺様に逆らう奴はクビにしてやるっ!!!」


前川父「ひぃぃっ!!!御慈悲を御慈悲をーっ!!!」


前川は今の状況を録画していた。まさか、自分の父が見ず知らずの男に頭を下げているとは思わなかった。そんな男がまさか自分を狙っていたなんて。これは警察に知らせた方がいいと思い、急いで社長室から離れた。幸いエレベーターは最上階に止まったままだったので1階のロビーまで降りる事が出来た。そのまま入り口まで走ろうとした時だった。沢山の社員がこっちを見ていた。何か喋るのではなく、前川本人をジッと見ていた。一瞬鳥肌が立った前川だが、今は逃げた方がいいと思い、急いで走った。ところが、走る前川を通せんぼするように社員達が壁を作り、前と後ろ、左右に囲み始めた。逃げ場をなくしたのだ。あの男の命令か、そう頭によぎった。社員達はただ何も喋る事なく、一斉に襲い掛かり前川を捕まえようとしていた。


前川「まさにクレイジーなピンチ・・・だが、私にとってピンチはチャンスッ!!!」


前川は社員の腕を掴み、そのまま豪快に回した。すると社員達は弾け飛ぶように吹き飛ばされて、床や壁にぶつかってしまった。その後も前川は襲いかかって来る社員を薙ぎ払い、何とか入り口まで辿り着いた。しかし、電源が切られているのか自動扉は開かなかった。その隙に社員達が襲いかかってくる、そんな時だった。前川は突如ジャンプをし始めた。そして、それに続くかのように今度は何かが走ってきて、自動扉をぶち壊した。やって来たのはワルドリアンで中に入っていたのはベルと瀬戸、クロノス、村上に松木、そしてアカゴンとプチモンまでが乗っていた。


前川「あら?皆さんお揃いですか?」


ベル「クロノスからペンダントの場所が分かったと情報をもらって、君の家に行ったが不在だったらしくてな。再び探すとこの会社にある事が判明した」


クロノス「君がペンダントを持っていたのか?」


前川「いや、それが私もいつの間にか持ってたって感じ」


アカゴン「ペンダントが持ち主を選ぶ?聞いた事がないぞ」


松木「と、とにかく、今はどうしてこんな状況か教えてくれない?!」


前川「パパになりすました男から連絡が来たら、社員全員に襲われて、今に至る」


村上「簡素すぎひんか?あと、色々突っ込みたくもなった」


ベル「とにかく、どうすればいい!?」


前川「よし!!最上階に再びレッツラゴーッ!!!」


前川もワルドリアンに乗り、外へ出た。一応、空も飛べる車なのでタイヤを横に変えて、ホバー・コンバージョン装置を使って浮かせたようだ。ベルは前川の指示通り、車を高く縦に進ませ、屋上を過ぎたところで迂回、そしてそのままフルスピードで最上階の社長室まで突撃した。


前川「いけーっ!!!」


一方で窓に何か映っているのを確認しに、工藤が近づいた。すると、その影はどんどん近づき、工藤は慌ててその場から逃げた。そして・・・



ドガシャーンッッッッッッ!!!!!!!!!


ワルドリアンは社長室の窓をぶち破って、中に侵入させ、そのまま走らせた。工藤は何が起こったのか分からず、ただ広い場所へと逃げた。やがて会議室へ逃げ込んだ工藤。ここなら大丈夫、そう思っていたその時だった。工藤の後ろからワルドリアンが現れて、工藤の背中に体当たりした。工藤は逃げる間もなく吹き飛ばされてしまった。


工藤「だ、誰だっ!?」


前川「なら、耳の穴をよーく開けて聞きなさい。私の名前は前川陽子っ!!日常を非日常に変えるクレイジーガールよっ!!!」





赤粘土(レッドクレイ) 土属性

攻撃力-E

魔力-E

スピード-E

活用性-B

精密度-D

成長性-E

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