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働かざる者食うべからずな11話

 この魔校サスティラは全寮制の学校である。魔国に3つある学園都市の1つサスティラに位置し、そこそこ裕福な魔族の子弟が通う学校である。


 まあ、別に通わなければいきていけないか、というとそうでもないので、嗜み程度ではある。しかし、そこで作られる人脈は当然存在するし、魔国の要職にはOBOGばかりなので、偉くなろうとしたら必須でもある。


 さらに今年、引退後ほとんどの職を辞してきた前魔王リャララ=リャラの学園長就任により、その様相は一層強くなった。


 実際は遅くにできた愛娘を溺愛する父親なだけであったが。


 基本、生徒は10歳から17歳の間のうち、5年間をここで過ごす。入学資格は10才から12才、卒業は15才から17才となるのが一般的だ。ただ、遅くに入学する者がいないわけではない。25歳であっても魔族の中ではひよっこの内、成長点はもちろん鈍くなるが、メリットとデメリットを並べれば、圧倒的にメリットがデカい。


 学園内は規律と秩序が重んじられると同時に、その重んじられる規律の源泉は、強さによる尊崇である。わかりやすく言えば、力が強い者が偉く、そいつが作ったルールに従う、というものだ。もちろん、学年間の上下関係も存在はするが、力の方が優先されがちだ。


 教員集団は前魔王が学園長になることがおかしくない程度にエリート集団である。400年以上生きる魔族にとって引退後の余暇に丁度良いとも言える。


 また、長い期間を生きる魔族にとって、子や孫やひ孫や玄孫やその子子孫孫まで強くする教育施設はとても大切で重要だ。まあ、玄孫の孫が100歳で、自分の子が12歳と言ったプララのような例も見受けられるところはご愛敬。


 しかし魔族なので、強くならなければならないのならば、そのための犠牲はやむを得ないと考える節がある。行軍訓練などでは、「ごくたまに重傷者や死人が出ることがある。それ故に強き心者が育つ」との言葉通り、死者がでても然程問題にならない。


 その考えが問題視されるような風潮もない。


 長尺の寿命を持つということは、長尺の伝統に縛られることでもあり、前世では「老害」といった表現をされたが、この魔族の世は老害どころではないレベルで変化を嫌う。つまり、変わらないのが、魔国の特徴でもある。これを問題視したら、100歳の若手から400歳のお歴々まで、大量の方々に「伝統を軽視だ」とお叱りを受ける。


「魔国ってすげえな」


 俺はプララに魔国についてのレクチャーを再度受けながら、圧倒される思いでその話を聞いていた。


 魔国サスティラ市の宿の一階にあるカフェで、俺たちはお茶を飲んでいる。師匠はエルフ領から魔国の方にはよっぽどのことがない限り来ない。


 つまり、俺たちは入学試験から入寮までの数日を、サスティラでゆっくりとデートしたり、イチャイチャしたり、遊んだり、羽を伸ばしたりしている。


「ですから、私への禁忌の鬼子扱いは、至極妥当であると考えます」

「伝統になく、伝統そのものの前魔王と、伝説と等しい師匠との子だからか――」

「ええ、その通りです。まさに禁忌です」


 プララは暗い顔で、溜息を吐く。


 俺は隣の椅子に座る彼女の肩を抱いて、引き寄せる。


「大丈夫。俺がいるし、俺が精いっぱい目立つことで、プララへの視線を減らして見せるさ」

「ありがとう、ライト」


 恋人の不安をわずかでも減らすのは男の仕事だ。


 とはいえ、男子寮と女子寮は当然別で、社会も違う。人間社会では男子は縦社会、女子は横社会と言われる。魔族社会にも人間社会ほどではないけれど、そういう流れはある。


「俺のいない女子寮の方は心配ではあるな――大丈夫か?」

「うーん、どうなるかわかりませんが、まあ、上手に立ち振る舞ってみます。まあ、これでもエルフ社会の荒波をかわしてきましたから」


 エルフ社会は逆に横社会である。力が正義、ではなく、論理と倫理と人間関係が主軸にある。しかしエルフと魔族は反目しあっているわけではない。それは、両者があまり変化を歓迎しない社会であることが似ているからだ。他国に興味がなくほぼ鎖国状態の魔国と、唯一秘匿されてはいるが交易関係を築いているのがエルフ自治領であることからもそれがわかる。


 そう考えれば、まあ、プララの心配は少ないか。


「ライト、寮に入る準備はできました?」

「もちろん――というか、してくれたでしょ?ありがとう」

「どういたしまして――」


 言って笑う。


 楽しい。なんていうか、こんなに楽しいことってある?やるべきことは終えて、煩い師匠がいない。お金もそこそこ――じゃない、十分ある。だって富豪の息子ですよ? かなりの仕送りが届くわけだ。たまんないっすよ。


 さらに年を重ねるごとに可愛さを増す恋人と、若者の街でカフェしたり、遊んだり、最高や。


 もちろん、まだ手を出していない。キス止まりだ。俺がまだ10歳だからな。


「あと、入寮まで5日くらいあるんだけど、この後、どうする?なにしたい?」

「そうですね――あの、せっかくなので、この町の冒険者系ギルドに登録しませんか?」

「なにそれ! 面白そう」

「軽い討伐とかやってみたら面白いかもしれませんよ?」


 ほう、と思う。俺は富豪の息子でプララは王族なので、あまり経験したことがないが、『自分で金を稼ぐ』という手段を覚えておいて損はない。


「いいな、やろう!自分で稼いだ金で生きるというのは大切なことだしな」

「じゃあ、この後、ギルドに行きましょうか」

「おう、そうだな」


 俺たちは二人で笑いあうと、くいっと紅茶を飲みほした。






「あああん? 人族のガキが登録? なめとるのか?」


 なんとなく場違いな感のある建物に入り、俺たちは受付にいた牛魔族に声を掛けたら、そう言ってすごい顔で睨まれた。


「ああん、そっちはエルフのガキか。ん?人族とエルフのガキ? ――お前、禁忌の鬼子か!」


 牛魔族は大きな声を上げた。あまりに大きな声だったので、ギルド内のなかなかワイルドな顔をしたヤカラ達が、こちらにぎょっとした顔で振り向いた。


「ああいや、すまない。じゃあ、そっちの赤い髪の人族はライト=サリスか!! 入学試験を全く危なげなく勝ちまくり、全勝で飾った人族の英雄の!!」


 実は入学試験は学園都市サスティラの住民たちの楽しみとなっている。その上、無料で観戦ができるとあって、多くの観戦客が見に来ていたらしい。


「いや、そうですけど、そこまでのもんじゃないですよ」


「あほう! 謙遜するなよ! 人族には分からないかもしれんが、魔国では強いものはただそれだけ尊崇の対象だ。さらに、お前のシャララに対する高潔な姿が多くの者の心を打った。強くて礼儀正しく恋人思い――俺はライト=サリスのことを素晴らしいと思っている。」


「ありがとうございます」


「おーい!みんな、人族の英雄ライト=サリスがギルドに入るってよ」


 大きな声で牛魔族は周りのギルド員に声をかける。周りからザワザワという騒めきの後に拍手が鳴り響いた。


 俺はペコリと頭を下げる。


「よし、これでお前とプララ嬢に変なちょっかいかける奴はいないと思うぜ。悪い奴らじゃないが、悪さをする事もあるからな。俺の名前は牛魔のワギュウだ。ここの受付をしているが、俺も元は冒険者だ」


「なるほど、お気遣いありがとうございます」


「いいってことよ。依頼はその掲示板にかかっているものをもってきてくれ、お前たちのランクはD。最低ランクはEだが、強さは分かっている。俺の権限でDにしておくから、DEランクから依頼をもってこればいい。何か質問は?」


「報告はどうしたらいいのです?」


 プララが聞いた。


「肉の採取とか野草採取は持ってきてくれ。それ以外の討伐は、指定部位を切り取ってもってきてくれればいい。また、これは知識が必要になるが、指定部位以外でも金になるものがある。それはこちらで買い取りをする」


 おお、それは俺の得意分野だ。


「わかりました。今、オススメありますか? Dランクで命の危険が少ないものがいいです。腕試しがしたいので」


「うん、そうだな――お前のレベルなら、おそらく大丈夫だ。実入りは少ないが、やってみるか? 灰ゴブリン討伐」


 灰ゴブリン――評価。ゴブリンの亜種。知能は極端に低く、魔獣と変わらない。その代わり力が強く、Eランク冒険者では命の危険がある。4-5匹の群れで行動する。


「いいね――受けますよ」


「おお、やるか。指定部位は右耳、4匹以上。サスティラの北に広がる森に棲んでいる。遭遇はさほど難しくない。これはギルド依頼だから、一匹当たり銅貨4枚。支払限度額は20枚だ」


 先程のカフェの代金が二人で銅貨1枚だったから、一匹当たりちょっと豪華な夕食代ってところか。


「聞きたいのだが、得物はなんだ? 試験じゃ無手だったみたいだが」


「ああ、俺はこれ。刀という武器で、銘は『モノホシ』といいます」


 俺は左腰の刀を叩いて見せる。さすがに『物干し竿』を名乗れるほど、腕は戻ってきていない。


「私はもともと魔法使いなので、魔具が基本です。指に着けています」


 プララが左右の手に付けられた指輪や腕輪を見せる。


「二人とも得物は変わってるが、自分になじんでいるのが一番だからな。命に関わることだ」


和牛はそう言った後、少し声のトーンを落とし、「――あと、これは先輩からの忠告だと思ってくれ。逃げることは恥ではない。状況判断と自分の強さを理解できないことが――つまり、それをもって弱者とするわけだが――恥なのだ」と言った。


要は心配してくれているのだ。


「分かりました。ありがとうございます。肝に銘じます」

「おう、頑張ってこい。楽しみだ」



<><><><><><><>



 軽防具を二人とも装備して、森の中を歩く。サスティラ森林は凶悪な魔物は出ないが、そこそこ危険な場所であり、駆け出しの冒険者や魔校の生徒の腕試しの場となっている。


 ゆっくりと林道に沿って歩く。刀の鞘に左手を添えておくことを忘れない。


毎晩、寝る前に抜刀訓練を繰り返しているので、もともと相性の良かった刀は完全に体になじんでいる。ここら辺の修練は怠らないようにしている。やればやった分だけ体になじみ、気持ちがいい。


「たとえばですね。ライトは評価でこの森自体を評価できるのですか?」

「お、やったことない。できる。考えたことなかったけれど」


 評価:サスティラ森林――30㎢、未踏洞窟多数、年間死者数平均350人程度。ゴブリン系オーク系の魔物多数。縦貫街道はあるが危険度は高い。


「まあ、そこそこ広いけれど、ありがちな森林としかわからん。サーチ機能的には若干弱いんだよな。もう少し成長したらうまくいくかもしれないんだけれど」

「灰ゴブリンの位置なんかは分からない感じですか」

「単体ものを評価するのは難しいんだよな」


 なんていうのかな、スキル自体にプログラミング的な要素もあって、例えば「感情に対しての理由を評価する」という視点を持つと、それを評価できるようになったので、そういう視点をもつことが機能の拡張かもしれない。これは成長とは全く違うものかもしれず、自分のスキルのことをよくわかっていないのも確かだ。


「まて――」


 俺は考えている途中で、無理やり思考を止めて、プララも静止する。


「わかります――」

「いる。120m先に灰ゴブリンと、人。ただし人は事切れている」


 気配に対する評価は可能。


「下がって。俺が前衛で、プララは後衛。いいね――」

「はい――」


 俺たちは気配を抑えて近づく。


「――いた」


 俺は静かに近づく。10m先の木の下では隊商の護衛と思しき若者が事切れていた。そこそこいい身なりをしている。彼の周りには商品である麦の袋がほおりだされている。彼を殿というか囮にして隊商は逃げ切ったのだろう。


5頭の灰ゴブリンは若者であった肉にかぶり付いている。牙と爪が長い。なるほど。獣魔性が高いと評価されていたが、これか。


「プララ――ライトニングアローで麻痺を!」

 

 俺が言うや否や、十数本のライトニングアローが俺たちの眼前に出現する。その禍々しさに灰ゴブリンがこちらに気づく。


「アロー!!」


 プララの発声と同時に飛んでいき着弾――俺は歩法により、瞬時に近づき死に体の5匹の首を3太刀で切り落とす。


「はい、終了」

「やりましたね!」

「ああ、問題なかったな。というか、プララのライトニングアローで終わってただろ」

「それを言うなら、ライトのあのスピードの歩法と斬撃に反応できたと思えません」


 俺は血振りをして納刀。ほとんど血糊など付けていないが、まあ習慣のようなものだ。懐からナイフを取り出して灰ゴブリンの指定部位、右耳を落としていく。


「これ、あんまりおもしろくはないな――耳削ぎって、なんかこうね、あまりいい気持ではないんだな。」

「あー、わかります。ついでに人型の魔獣ってどうも心に暗い気持ちがかかりますよね」

「うん」


 俺はそうは言いながら、さくっさくっと右耳を切り取っていく。


 ――ん?


 と俺は目線でプララに合図を送る。プララも理解しているとばかりに頷き返す。


 人の気配だ。隊商ではない。森林で気配も抑えていない。むしろ騒ぎつつこちらに向かう声――評価:11-13歳の男女7人。戦士系4人に魔導士系3人。


「魔学の生徒だな、たぶん」

「わかりました」


 俺たちは素早く後始末をすると、立ち上がった。


「あっれー?」


 7人組が姿を現して、先頭の戦士系の男が声を上げた。


――なんだろう、嫌な予感がする。下品な声だ。


「先客がいるぞー?あれー?そこに転がってるのは灰ゴブリンの首じゃん!」

「あのちっちゃい子たちが刈ったのー?ラッキー!」


 魔導士らしき女と剣士らしき男が嬉しそうな声を上げる。


 俺はぺこりと頭を下げた。


「先輩でしょうか。自分、新年度から魔学に入学するものです。こっちも同じです」


 名前は言わない。これはどうやらきな臭い。その旨を目でプララと共有する。


「へー、後輩なんだ!」

「はい、先輩ですか?」

「うん、魔学の二回生だぜ。いやあ、よかった、よかった」


 よかった、とするところの意味を悟り、俺は力を抜いたふりをして臨戦態勢を維持する。と、同時にプララに準備をさせる。


「先輩方も灰ゴブリン討伐を?」

「ああ、そういうわけなんだ――」

「なにがそういうわけなんです」


 最初に声をかけた戦士の男がニヤニヤしてこちらに右手を出す。


「耳出せよ」

「なぜ?我々がとったものを、差し出すいわれはありませんが」


 俺は冷静に返す。その態度が気に入らなかったのか男がいきなり大声を上げた。


「うるせえ! お前後輩だろうが! さっさと耳を出せや! この森林の中でそこの死体と一緒になりたいんか!! 」

「おう、出せ出せ!俺たち、耳をだしゃぁ手荒な真似はせんぞ」

「早く出しちゃいなよー。そっちの彼女にまでことが及んじゃうよ?」

「だしたらいいんだな、そこのバッツって戦士、バーサーカーって評判なんだな。殺されちゃうんだな。小さいのに、死んじゃうんだな!!!!」


 野盗モドキの二回生は、そう口々に言ってゲヘゲヘと笑いあう。


 ――いや、小さいってたぶんプララは同い年か年上だろ……


「なるほど。先輩たちは野盗まがいのことをしている、と」

「んだと? このガキが――」


 俺は、いきり立つ野盗まがいたちに向かって耳を差し出した。


「おほー、なんだかんだいって聞き分けいいじゃねえか」

「ああ、いや、違うんですよ。魔学のシステムは強き者に従う――でしょ?」

「そそ、聞き分けいい子は好きよー」


 俺は勘違いしている野盗まがい先輩たちに大きな声で怒鳴った。評価を乗せて。


「おい、俺が取ったものを欲しいというなら、今すぐ抜刀しろ。俺に勝てたらこの耳をそっくりやろう!」


 言葉には威圧を乗せている。


「なんだと!ぶっ殺す!」


 野盗まがい先輩は全員武器を構えた。臨戦態勢だ。俺の評価:威圧に反応して、反発したのだ。分かりやすくてよろしい。


 だが、戦いとは相手と自分の技量を見極めることだからな、と先程のワギュウの言葉を思い出しながら、俺は腰を落とした。


 それが戦い開始の合図となった。


 ――俺がバッツという戦士に一気に近づき、相手の右手を切り飛ばし、そのまま胴を薙ぐ。そのまま飛び上がり二人の首を落とし、正面から一人を脳天唐竹割。離れた位置にいた残りの魔導士3人が呪文を唱え始めたの見た俺は、懐から投げナイフを取り出し3本飛ばす。それは吸い込まれるように見事全部腹に突き刺さる。その間に一気に近づき、秘匿剣『犬の顎』で三人の足を切り飛ばす――


「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!! 」


 と、野党まがい先輩たち全員は声を上げる。


「やりすぎじゃね?」


 と俺はプララの方を向いた。


「やり過ぎじゃありません! このクズたちはあろうことか、私たちの得物を横取りしようとしたんですよ? 現実にしてもいいくらいです」


 プララさんはすげえ怒っている。


「で、プララさん、今回のホウオウゲンマケンは何分の一ですか?」

「1/75です! かなりきついと思いますよ!死のイメージがダイレクトに伝わり続けていますからね。ライトも内容見たでしょう?」

「あんな動きしたいねえ。って、秘匿剣の所在って俺教えたっけ」


 教えるわけがない。


「ん?秘匿剣って最後のやつですか?ライトの型から作ったイメージを借りただけですよ。えげつない技ですね」

「ああ、そうか。まあいいや。プララなら」


 俺はまだ苦しんでのたうち回っている野盗まがい先輩たちを見つめながら言った。


 秘匿剣『犬の顎』は外道技と言われる。習得が容易で、簡単に使え、殺傷能力が高く、それ故に秘匿される。教えられるのは流派継承者だけという、ほぼ一子相伝に近い技だ。人には見せられない技だ。


「よし、起こそう」

「はい」


 プララがパンッと手を叩く。一瞬で術が解ける。


「やあ、先輩、おはよう」

「ひ」

「しゃべったら殺す。目をそらしても殺す。敵対したらもちろん殺す。頷いても殺す。首を振っても殺す。理解したか。」


 先輩一同は動かない。


「よろしい。強さの格の違いは理解したか。理解したなら目をつぶれ。」


 全員が目をつぶった。


「そのまま開くな。これから俺はお前たちに要求をする。違えたら殺す。遂行が遅れても殺す。怠けたら殺す。何度でも、何回でも。それが可能なのは理解したな」


 俺は淡々と続けた。


「俺の名前は1年代表、ライト=サリス。こっちはプララ=セロー」


 顔がこわばる先輩たち。


「いいか。今日俺たちに会ったこと、起こったことを誰かにしゃべったら殺す。俺たちに臣従すること。良ければ一つ返事をしろ。」

「「「はい!!!」」」

「目を開けてよし。そのまま、そこに座ってろ。1時間だ」


 それだけ言って俺はプララの手を取って、サスティラの町に戻っていく。


「ライト、恐ろしいですねー」

「恐ろしいのはプララの魔法ですよー。まあでも、なあ!」


 俺たちは顔を見合わせて

「「すっごく面白かった!」」

 と笑った。

 


お読みいただきありがとうございました。とてもありがたく思ってます。

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