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ケーキ屋の営業時間は夜七時までだが、二十四日と二十五日は一時間延長して夜八時の閉店となる。
クリスマスイブは八時半に、陽祐は夏花と約束をした。
場所は、おなじみのカラオケ屋だ。
満室で入れない可能性も高いけど、待ち合わせ場所として、わかりやすい。
会える時間が遅いことはアルバイトの都合と説明した。
「クリスマスは時給が割増しになるし、冬休み、いろいろ遊びに行きたいだろ?」
陽祐が言うと、夏花も納得した。
バイトの内容は「クリスマス商戦の販促」とだけ言ったら、
「スーパーとかですか? 忙しそうですねぇ」
夏花は同情してくれたが、それ以上、詳しいことはきかれなかった。
陽祐も、着ぐるみ姿を笑い話にされたくないので、それで充分だった。
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二十四日は予約客へのケーキの引き渡しと、一般客への販売とで、大忙しだった。
といっても、実際に忙しいのはミニスカサンタの鮎川先輩たちである。
店の前の臨時カウンターに山積みされたケーキは一般客用。
予約客へは店内での引き渡しで、ミニスカサンタも二組に分かれて対応している。
雪だるまサンタの仕事は、きのうまでと、あまり変わらない。
『我が家でクリスマス まだ間に合います 美味しいケーキ販売中』
というプラカードを掲げながら、ときどき子供がちょっかいかけてくるのを、適当にあしらうだけだ。
「──すっげー、雪だるまがサンタの格好してるー」
「まじー、うけるー」
なんだかチャラい若者たちの声がした。
ちょっかいをかけてくるのは子供だけではなかった。調子に乗った若者も、ときどき絡んでくる。
こういう場合、いつもは鮎川先輩がガードに入ってくれるのだけど、きょうは店内組に回っている。
ほかの女子アルバイトたちも、客の対応で手いっぱいだ。
陽祐は仕方がなく、動きづらい着ぐるみ姿で、ちょこちょこと方向転換した。
着ぐるみは視界も悪く、背中は完全に無防備だ。
ちょっかいを出されるにしても、見える方向からであれば、なんとか対処できるだろう。
「おー、こっち向いたー」
「なんか可愛いー、一緒に写真撮りたーい」
チャラい若者は、高校生らしい男女が三人ずつだった。
いずれも私服姿だが、一人だけ、黒いハーフコートの下に制服らしいモスグリーンのブレザーを着ている。
どうやら県立西高の生徒らしい。
坊主頭で体格が良く、運動部員のようだが、細眉で耳にピアスをしているのは、いかにも西高だ。
水泳の大会で見かけても、西高生は独特のファッションで異彩を放っているのである。
私服の男二人は茶髪で、こちらも西高生とみてよさそうだ。
しかし、女たちのほうは黒髪で、少し幼い印象だった。
それもそのはずだった。
一人は、夏花だ。あとの二人は同級生か。




