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世界の黄昏に愛する人と  作者: 白紙撤回
第七章  夏花(真)
57/90

7 - 12

 

 

 

     *     *     *

 

 

 

「…………、……なんか、わりーな……」

 

 陽祐は言葉が見つからず、ようやくそう言った。

 

「おまえの事情も知らないで、あれこれ言って……」

「よその人に話したこと、ないですからねぇ。事情も知らなくて、当然ですよぉ」

 

 夏花は、くすくす笑う。

 

「あたしは水泳、嫌いになりたくないです。だけど、水泳ばかりの中学生活も送りたくないんですよねぇ」

「だから、サボり魔になったのか……?」

「部活のみんなに迷惑かけてるつもりは、なかったんですけどねぇ。こんなに嫌われちゃってたとはなぁ」

 

 夏花は、また肩をすくめる芝居じみた仕草をしてみせ、

 

「練習サボるのなんて、あたし個人の問題じゃないですかぁ? タイムが落ちるのも自己責任ですしぃ」

「部活でやってる以上、そうはいかねーだろ。水泳は基本、個人競技だけど、部活動は団体行動だ」

 

 陽祐が渋い顔で言うと、夏花は、にっこりと笑って、たずねた。

 

「あたし、水泳部からハブられましたけどぉ。陽祐センパイは、まだ、あたしの先輩でいてくれますかぁ?」

「ただの先輩じゃねーよ。俺は、おまえの彼氏だろ」

 

 陽祐は答えて言った。

 

「おまえの事情もわかったんだ。俺は、おまえの味方だ。安心しろ」

「はいっ♪」

 

 夏花は笑顔で、うなずいた。

 

 

 

     *     *     *

 

 

 

 水泳部の中で、夏花の周りは敵だらけだ。

 だから、学校で陽祐との交際を言い広めているのは、陽祐だけは自分の味方だと誇示したかったのか。

 そう、思っておくことにした。


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