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「…………、……なんか、わりーな……」
陽祐は言葉が見つからず、ようやくそう言った。
「おまえの事情も知らないで、あれこれ言って……」
「よその人に話したこと、ないですからねぇ。事情も知らなくて、当然ですよぉ」
夏花は、くすくす笑う。
「あたしは水泳、嫌いになりたくないです。だけど、水泳ばかりの中学生活も送りたくないんですよねぇ」
「だから、サボり魔になったのか……?」
「部活のみんなに迷惑かけてるつもりは、なかったんですけどねぇ。こんなに嫌われちゃってたとはなぁ」
夏花は、また肩をすくめる芝居じみた仕草をしてみせ、
「練習サボるのなんて、あたし個人の問題じゃないですかぁ? タイムが落ちるのも自己責任ですしぃ」
「部活でやってる以上、そうはいかねーだろ。水泳は基本、個人競技だけど、部活動は団体行動だ」
陽祐が渋い顔で言うと、夏花は、にっこりと笑って、たずねた。
「あたし、水泳部からハブられましたけどぉ。陽祐センパイは、まだ、あたしの先輩でいてくれますかぁ?」
「ただの先輩じゃねーよ。俺は、おまえの彼氏だろ」
陽祐は答えて言った。
「おまえの事情もわかったんだ。俺は、おまえの味方だ。安心しろ」
「はいっ♪」
夏花は笑顔で、うなずいた。
* * *
水泳部の中で、夏花の周りは敵だらけだ。
だから、学校で陽祐との交際を言い広めているのは、陽祐だけは自分の味方だと誇示したかったのか。
そう、思っておくことにした。




