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お参りを済ませてから、盆踊りの会場である公民館へ向かう。
その道すがらにも屋台が出ている。
地元の商店も営業時間を延長して、店先に椅子とテーブルを並べ、食べ物や飲み物を売っている。
「和菓子屋のカキ氷はわかるけど、八百屋の焼きそばとか、パン屋の串カツとか、何でもアリだな」
商魂逞しさに苦笑いする陽祐に、夏花は小首をかしげて、
「でも、焼きそばはキャベツ使いますし、パン屋さんも普段からカツサンド作ってますしぃ……」
「無関係ってわけでもないのか。麻生おまえ、頭いいんだな」
「頭いいんだなぁって、意外そうに言わないで下さいよぉ」
くすくす笑う夏花に、陽祐も笑って、
「そんなつもりで言ったんじゃねーけど、悪かった。お詫びに何か、ごちそうするから」
「そうですねぇ、お詫びのつもりでしたら、あとでちょっと寄り道につき合ってほしいです」
「寄り道?」
「あとのお楽しみでぇす♪」
夏花は悪戯っぽく笑ってみせる。
* * *
盆踊り会場は公民館の広場だった。
陽祐は夏花に、たずねてみた。
「……踊るか?」
「うーん……盆踊りは、踊るより眺める派ですねぇ」
「まあ、そうだよな」
陽祐は苦笑いする。
踊っているのは年輩の人たちと、小さな子供が中心だ。十代の少年少女には敷居が高い。
広場の隅に出ていた自治会の模擬店で、たこ焼きを買って、ふたりで分けた。
屋台で買うよりも安かったけど、
「……ちょっと生焼けというか、粉っぽくねーか?」
「でも、タコは先に火を通してあるみたいでしたから、大丈夫ですよぉ……きっと」
広場の外の屋台も見て回り、カキ氷を買って食べた。
陽祐はブルーハワイ、夏花はパイナップルだった。
そして、一通りやることが終わってしまった。
まだ七時を少し回ったところだ。
しばらく前に日は沈んだけど、空は青みを残している。
夜は、まだこれからだ。
やっぱり踊りに参加するべきだったろうか……と、陽祐が考えていると、夏花が言った。
「センパイ、学校に行ってみませんかぁ?」
「学校……中学か? 夜なんて校門が閉まってんだろ?」
「開いてますよぉ、あしたまで吹奏楽部が合宿ですからぁ」
「スイ部に知り合い、いんの?」
「同じクラスに何人か。でも吹奏楽部の子に会いたいわけじゃなくてぇ……寄り道ですよぉ、寄り道ぃ♪」
夏花は、にっこりと笑う。




