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世界の黄昏に愛する人と  作者: 白紙撤回
第七章  夏花(真)
49/90

7 - 4

 

 

 

     *     *     *

 

 

 

 お参りを済ませてから、盆踊りの会場である公民館へ向かう。

 その道すがらにも屋台が出ている。

 地元の商店も営業時間を延長して、店先に椅子とテーブルを並べ、食べ物や飲み物を売っている。

 

「和菓子屋のカキ氷はわかるけど、八百屋の焼きそばとか、パン屋の串カツとか、何でもアリだな」

 

 商魂逞しさに苦笑いする陽祐に、夏花は小首をかしげて、

 

「でも、焼きそばはキャベツ使いますし、パン屋さんも普段からカツサンド作ってますしぃ……」

「無関係ってわけでもないのか。麻生おまえ、頭いいんだな」

「頭いいんだなぁって、意外そうに言わないで下さいよぉ」

 

 くすくす笑う夏花に、陽祐も笑って、

 

「そんなつもりで言ったんじゃねーけど、悪かった。お詫びに何か、ごちそうするから」

「そうですねぇ、お詫びのつもりでしたら、あとでちょっと寄り道につき合ってほしいです」

「寄り道?」

「あとのお楽しみでぇす♪」

 

 夏花は悪戯っぽく笑ってみせる。

 

 

 

     *     *     *

 

 

 

 盆踊り会場は公民館の広場だった。

 陽祐は夏花に、たずねてみた。

 

「……踊るか?」

「うーん……盆踊りは、踊るより眺める派ですねぇ」

「まあ、そうだよな」

 

 陽祐は苦笑いする。

 踊っているのは年輩の人たちと、小さな子供が中心だ。十代の少年少女には敷居が高い。

 広場の隅に出ていた自治会の模擬店で、たこ焼きを買って、ふたりで分けた。

 屋台で買うよりも安かったけど、

 

「……ちょっと生焼けというか、粉っぽくねーか?」

「でも、タコは先に火を通してあるみたいでしたから、大丈夫ですよぉ……きっと」

 

 広場の外の屋台も見て回り、カキ氷を買って食べた。

 陽祐はブルーハワイ、夏花はパイナップルだった。

 そして、一通りやることが終わってしまった。

 まだ七時を少し回ったところだ。

 しばらく前に日は沈んだけど、空は青みを残している。

 夜は、まだこれからだ。

 やっぱり踊りに参加するべきだったろうか……と、陽祐が考えていると、夏花が言った。

 

「センパイ、学校に行ってみませんかぁ?」

「学校……中学か? 夜なんて校門が閉まってんだろ?」

「開いてますよぉ、あしたまで吹奏楽部が合宿ですからぁ」

「スイ部に知り合い、いんの?」

「同じクラスに何人か。でも吹奏楽部の子に会いたいわけじゃなくてぇ……寄り道ですよぉ、寄り道ぃ♪」

 

 夏花は、にっこりと笑う。


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