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世界の黄昏に愛する人と  作者: 白紙撤回
第七章  夏花(真)
47/90

7 - 2

 

 

 

     *     *     *

 

 

 

 最初のデートも日曜日。

 出かけた先は、市民公園の屋外プールだった。

 週末は家族連れや子供同士のグループで混み合うけど、二百円ちょっとで一日中、遊べるのが魅力だ。

 部活で忙しい陽祐はアルバイトをしておらず、小遣いには限りがある。

 それに、サボり魔の夏花も遊びで泳ぐのは嫌いではなかろうと、陽祐から誘ってみたのである。

 前日の土曜日に電話をかけてみると、夏花も大いに乗り気だった。

 

『あたし、市民公園のプール初めてなんですよぉ』

「そうなの?」

『だって夏しか営業してないけど、あたし夏場は毎日、クラブで練習でしたもん』

「中学に入ってからは、いくらでもヒマがあっただろ?」

 

 どうせサボり魔なのだから、という含みを込めて、陽祐が笑って言うと、

 

『うーん……最近よく遊んでる子たちとは、プールに行こうって話は、まだ出てないですねぇ』

 

 電話の向こうの夏花は、くすくす笑って、

 

『だからプライベートの水着を見せるの、センパイが初めてですよぉ?』

「そっか」

 

 陽祐は苦笑いする。

 水着なら部活で見慣れてるけど──とは、言わないでおく。

 それで正解だった。

 当日の夏花の水着は、紺色で競泳用に近いデザインのワンピースタイプだった。

 目新しいものではないはずなのに、ゴボウ体型を卒業した夏花の水着姿は新鮮だった。

 合宿で会ったときはジャージ姿しか見ていなかったのだ。

 ポニーテールにした髪も、よく似合っていた。

 

「ホントはビキニとか着てみたかったけど、おなかだけ日に焼けてないのカッコ悪いから、やめましたぁ」

 

 悪戯っぽく笑う夏花が、可愛らしい。

 陽祐は照れ隠しに、にやりと意地悪く笑ってみせ、

 

「言うほど焼けてもないだろ、サボり魔のくせに。一年の頃は、まだ真っ黒だったけどさ」

「真っ黒ってぇ、言い方がヒドいですよぉ、センパァイ」

 

 夏花は、くすくす笑う。

 

「前ほどじゃないですけど、いまも結構、焼けてるんですよぉ? 見せましょうかぁ、おなか真っ白なの?」

 

 そう言って、水着の襟元を引っぱってみせようとする夏花に、陽祐は苦笑いで両手を上げた。

 相手が一枚、上手だった。

 

「わかったわかった、まあ、泳ごうぜ」

「最初はウォータースライダーから行きましょうよ、いっぺん滑ってみたかったんですよぉ」

 

 笑う夏花は、本当に楽しそうだった。


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