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最初のデートも日曜日。
出かけた先は、市民公園の屋外プールだった。
週末は家族連れや子供同士のグループで混み合うけど、二百円ちょっとで一日中、遊べるのが魅力だ。
部活で忙しい陽祐はアルバイトをしておらず、小遣いには限りがある。
それに、サボり魔の夏花も遊びで泳ぐのは嫌いではなかろうと、陽祐から誘ってみたのである。
前日の土曜日に電話をかけてみると、夏花も大いに乗り気だった。
『あたし、市民公園のプール初めてなんですよぉ』
「そうなの?」
『だって夏しか営業してないけど、あたし夏場は毎日、クラブで練習でしたもん』
「中学に入ってからは、いくらでもヒマがあっただろ?」
どうせサボり魔なのだから、という含みを込めて、陽祐が笑って言うと、
『うーん……最近よく遊んでる子たちとは、プールに行こうって話は、まだ出てないですねぇ』
電話の向こうの夏花は、くすくす笑って、
『だからプライベートの水着を見せるの、センパイが初めてですよぉ?』
「そっか」
陽祐は苦笑いする。
水着なら部活で見慣れてるけど──とは、言わないでおく。
それで正解だった。
当日の夏花の水着は、紺色で競泳用に近いデザインのワンピースタイプだった。
目新しいものではないはずなのに、ゴボウ体型を卒業した夏花の水着姿は新鮮だった。
合宿で会ったときはジャージ姿しか見ていなかったのだ。
ポニーテールにした髪も、よく似合っていた。
「ホントはビキニとか着てみたかったけど、おなかだけ日に焼けてないのカッコ悪いから、やめましたぁ」
悪戯っぽく笑う夏花が、可愛らしい。
陽祐は照れ隠しに、にやりと意地悪く笑ってみせ、
「言うほど焼けてもないだろ、サボり魔のくせに。一年の頃は、まだ真っ黒だったけどさ」
「真っ黒ってぇ、言い方がヒドいですよぉ、センパァイ」
夏花は、くすくす笑う。
「前ほどじゃないですけど、いまも結構、焼けてるんですよぉ? 見せましょうかぁ、おなか真っ白なの?」
そう言って、水着の襟元を引っぱってみせようとする夏花に、陽祐は苦笑いで両手を上げた。
相手が一枚、上手だった。
「わかったわかった、まあ、泳ごうぜ」
「最初はウォータースライダーから行きましょうよ、いっぺん滑ってみたかったんですよぉ」
笑う夏花は、本当に楽しそうだった。




