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花火が終わった。
火の始末を確かめ、ゴミをまとめてバケツに入れ、校庭を横切り車へ向かって歩く。
美沙が言った。
「夜の学校って、来たの初めて。どきどきするね、昼間とまるで違うから」
「そうだな。すっかり真っ暗だもんな」
「この世界でも、学校の怪談ってあるかな? 誰もいない音楽室でピアノが鳴ったり」
「それなら夜じゃなくて昼間でも鳴ってそうだな」
二人で、くすくす笑い合った。
「……お兄ちゃんは、前にも夜の学校、来たことある?」
「え……?」
陽祐は、思わず美沙の顔を見た。
微笑んでいるのを見ると、深い意味はないのだろう。
「……俺は、合宿で泊まり込んだりしてたから」
「そっか。みんなで肝試しやったら、楽しそうだね」
「俺たち二人きりでやるのは、やめような」
「そうだね。むなしくなりそう」
「一番怖いのは、脅かしてもらえないまま、相手がずっと隠れてることだと思うぞ」
「それ、絶対やだ。お兄ちゃん、やらないでよ」
「やらねーよ。隠れてるほうだって怖いだろ」
車に乗り込んだ。




