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世界の黄昏に愛する人と  作者: 白紙撤回
第四章  美沙(三)
30/90

4 - 11

 

 

 

     *     *     *

 

 

 

 花火が終わった。

 火の始末を確かめ、ゴミをまとめてバケツに入れ、校庭を横切り車へ向かって歩く。

 美沙が言った。

 

「夜の学校って、来たの初めて。どきどきするね、昼間とまるで違うから」

「そうだな。すっかり真っ暗だもんな」

「この世界でも、学校の怪談ってあるかな? 誰もいない音楽室でピアノが鳴ったり」

「それなら夜じゃなくて昼間でも鳴ってそうだな」

 

 二人で、くすくす笑い合った。

 

「……お兄ちゃんは、前にも夜の学校、来たことある?」

「え……?」

 

 陽祐は、思わず美沙の顔を見た。

 微笑んでいるのを見ると、深い意味はないのだろう。

 

「……俺は、合宿で泊まり込んだりしてたから」

「そっか。みんなで肝試しやったら、楽しそうだね」

「俺たち二人きりでやるのは、やめような」

「そうだね。むなしくなりそう」

「一番怖いのは、脅かしてもらえないまま、相手がずっと隠れてることだと思うぞ」

「それ、絶対やだ。お兄ちゃん、やらないでよ」

「やらねーよ。隠れてるほうだって怖いだろ」

 

 車に乗り込んだ。


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