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世界の黄昏に愛する人と  作者: 白紙撤回
第四章  美沙(三)
24/90

4 - 5

 

 

 

     *     *     *

 

 

 

 サンドイッチを食べ終えた二人は車に戻り、そのまま駅前のスーパーへ向かった。

 ゲートバーの下りた駐車場の外に車を停めて、歩いて敷地内に入って通用口を探す。

 だが、店の裏手で見つけたそこは、しっかり鍵がかけられていた。

 美沙が、がっかりしたように、

 

「……ダメみたい。お野菜は違うところで手に入れるしかないね」

「あきらめきれるか。バーベキューがかかってるんだ」

 

 陽祐は、にやりと笑ってみせ、

 

「美沙、これから俺がやることに眼をつむれ」

「え……?」

 

 きょとんとして美沙は兄の顔を見つめる。

 美沙には離れた場所で待っているように命じて、陽祐は車に戻った。

 いったん車を前進させて切り返し、駐車場の入口に車の尻を向ける。

 そしてギアを『R』に入れ、アクセルを踏み込んだ。

 

「──お兄ちゃんっ!?」

 

 美沙が叫んだのは無視。

 車はゲートバーをへし折り、駐車場内に入った。

 そこでいったんスピードを落として、店の建物の入口の前までバックで進む。

 唖然とした様子で見ている美沙に、にやりと笑いかける。

 陽祐はアクセルを踏み込み、入口のガラス戸にバックのまま車を突入させた。

 派手な音がしてガラスが砕け、けたたましく非常ベルが鳴りだした。

 だが、これで人が通れるようになった。

 車を入口の外に出してエンジンを切り、トランクを開けておく。

 この場所なら店から持ち出した荷物を積み込むのにも楽だ。

 

「……お兄ちゃん、いくら二人きりの世界だからって……」

 

 あきれきったように言う美沙に、陽祐は悪びれずに笑ってみせた。

「やべーやべー、アクセルとブレーキ間違えた。でも無免許運転だし、仕方ねーよな?」


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