表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の黄昏に愛する人と  作者: 白紙撤回
第三章  美沙(二)
13/90

3 - 5

 

 陽祐は原因の二番目として『コピーワールド』と書いた。

 

「コピーってのは、元の世界から人間だけ取り除いて、そっくり同じものを作ったってことだ。つまり……」

 

 下に線を引っぱって、書き添える──『ニセモノの世界』

 美沙がその文字を見つめながら、

 

「……世界をコピーするなんて、仮にそんなことができたとしても、誰が何のためにやるの?」

「わからんけど、宇宙人か、どこかの秘密機関が、追い込まれた人間の心理を観察するためとか」

「よくそんなこと思いつくね、お兄ちゃん……」

 

 あきれているのか感心したのか、美沙は、まじまじと陽祐の顔を見た。

 陽祐は苦笑いして、

 

「俺だって漫画くらい読むからな。予備校に通い始めてから、ほとんど買ってないけど」

 

 三番目には『夢またはバーチャル』と書いた。

 美沙が小首をかしげ、

 

「夢……?」

「世界を丸ごとコピーするより早いだろ。本当は俺たち、頭に電極つけられて怪しい夢を見せられてるとか」

「夢だとしたら、ここまでリアルな夢はないと思うよ」

「そこが宇宙人の超科学だよ。さっき頬をつねったら痛かったし」

 

 陽祐は言って、にやりとした。

 

「おまえは試した?」

「えっ?」

「つねってやろうか、頬?」

「やめてよ」

 

 ふくれ面をする美沙の頬に、陽祐は手を伸ばす真似をして、

 

「そのふくれた頬、つねり甲斐ありそーだ」

「…………」

 

 美沙は、じっと陽祐を睨んだ。

 

「……あー、すまん」

 

 陽祐は手を引っ込めて、自分の頬を掻く。

 

「真面目にやろうな」

「そうだよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ