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表と裏の入学式 その参

 突然だが自己紹介させてもらう。

 私の名前はポチ。上倉零次の中に眠っている複数ある人格のうちの一人だ。

 そして、私のような別人格が表に出るのには、二種類ほどの条件がある。

 まず条件その壱。上倉零次が気絶したり眠っている時、身体を乗っ取って表に出ることが出来る。

 ただし身体は共通なので、本来なら寝ている間などに無理して動かすと私も疲れる。最悪、不眠不休による過労で死なれても困るので、事実上寝ている間に出るのは不可能に近い。

 次に、条件その弐について語りたいところだが……その前に説明しておくことがある。

 それは『カミクズ』という存在についてだ。

 世には眼に見えないだけで、実に多くの怪奇に満ちている。その中でも一際異質なのがこの『カミクズ』という存在だ。

 奴らは突然として日常に現われ、浸食していく異形の化け物だ。その上、私達のような特殊な存在でなければ、視認することすら叶わない。つまり、一般人には見ることが出来ない怪物共と言ったところだ。

 そんな『カミクズ』と私達、上倉零次の別人格がどう関係しているかというと、答えは意外と単純。私達には『カミクズ』を狩るための能力チカラがあり、奴らの天敵ともいえる存在なのである。故に、『カミクズ』を察知する特殊能力も備わっているわけだ。

 そして、私の能力チカラが『カミクズ』を察知した時、上倉零次の人格は自動的に戦闘力の高い私に切り替わる、というシステムなのだ。

 簡単に言えば、異形の怪物に私が気付いた瞬間、上倉零次の人格が切り替わるというわけだ。

 例えば―――そう、今回のケースのように……

 さあ、開幕だ。

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