第5話:放課後スイーツパラダイス(初めての女子会)
挿絵を追加しました。
「ねえねえ、都姫ちゃん! この後、駅前に新しくできたクレープ屋さん行かない?」
「そのあとカラオケも行こうよ!」
放課後、机を片付けている都姫の元に、クラスの女子グループがやってきた。
修の時なら「あ、ごめん、今日バイトだから」と適当にいなしていたところだが、気分屋でゆるふわな今の都姫は、一瞬だけ考えて微笑んだ。
「うん、行く。ちょうど甘いもの食べたかったんだ」
「やったー!」
女子高生の中に交じる、長身ウルフカットの超絶美女。歩いているだけで、すれ違う他校の生徒やサラリーマンが二度見、三度見していく。
駅前のクレープ屋に到着し、都姫は「生クリームチョコバナナ・いちご乗せ」という、カロリーの塊のようなクレープを注文した。
「都姫ちゃん、そんなに食べて太らないの? そのウエストなのに!」
「うーん、なんかどれだけ食べても太らないみたい。燃費がいいのかな?」
あぐあぐと幸せそうにクレープを頬張る都姫。その無防備で可愛い姿に、周りの女子たちは「小動物みたいで尊い……」とスマホのシャッターを切りまくる。
その後、一行はカラオケボックスへ。
女子たちが今流行りのポップスを歌って盛り上がる中、ついに都姫にマイクが回ってきた。
「じゃあ、これ歌うね」
都姫が選んだのは、しっとりとした女性ボーカルのバラード曲。
イントロが終わり、都姫がマイクを両手で握って歌い出す。
――その瞬間、カラオケルームの空気が完全に支配された。
凛とした鈴を転がしたような美声が、部屋の安っぽいスピーカーを通してなお、鼓膜を心地よく震わせる。天才的な音感を持つ都姫の歌声は、プロの歌手顔負けの表現力と透明感を持っていた。
サビの高音パートが見事に響き渡り、曲が終わると、女子たちは感動のあまり涙ぐんでいた。
「な、何これ……CD音源? いや、それ以上……」
「都姫ちゃん、もう一回! もう一回歌って!!」
「次はデュエットしよ!」
すっかり女子たちのハートを完璧に掴み、深夜までアンコールが止まらない、大満足の初女子会となった。




