第4話:揺れる爆弾と無双の身体能力(ТS後の初めての体育)
挿絵を追加しました。
TS(性転換)から数日が経ち、学校生活にもすっかり馴染んだ都姫。そんな彼女に、女子として初めての試練が訪れる。
「……うーん、これはちょっと、キツいかも」
更衣室で女子用の体操着(Tシャツとハーフパンツ)に着替えた都姫は、鏡の前で眉をひそめていた。
元々、長身細マッチョだった修の時とは違い、今の身体は「B99のGカップ」。おまけにウエストが60と極端に細いため、布地が胸の膨らみに引っ張られて、尋常ではないレベルで強調されてしまっているのだ。
「如月さん、スタイル良すぎて眩しい……!」
「その胸、本物なんだよね……? ちょっと分けてほしい……」
周りの女子生徒たちが羨望の眼差しを向ける中、都姫は「歩くだけで重いんだよね」と、ゆるふわな笑みを浮かべる。
都姫は新しい体操着と運動しやすい道具を確かめ、軽く屈伸する。
体の感覚が以前と少し違うため、最初は動きを慎重にした。
そして始まった体育の授業。種目は「バスケットボール」だ。
都姫がコートに立った瞬間、隣のコートの男子たちの視線が文字通り釘付けになった。
ピピッー! とホイッルが鳴り、試合が始まる。
元々、修は目立たないように隠していたが、天才的な運動神経の持ち主だ。女子になってもそのキレは健在だった。
シュパッ! と相手のパスを鮮やかにインターセプトすると、そのまま高速ドリブルでゴールへ突進する。
「速い……っ!?」
ディフェンスの女子たちが呆気にとられる中、都姫は軽やかにステップを踏み、美しいフォームでレイアップシュートを決めた。
体育館に拍手が響いた。
「ナイスシュート、都姫ちゃん!」
「如月さん、そんなに上手だったの!?」
「すごすぎる……!」
大歓声が沸き起こるが、都姫本人はゴール下で胸を押さえて、小さく「くぅ……」と息を漏らしていた。
(……痛い。走るたびに、胸がものすごい勢いで上下左右に暴れる……!)
運動神経が抜群なせいで動きが鋭くなり、そのぶんGカップにかかる遠心力と重力も跳ね上がってしまうのだ。普通のスポーツブラではこの破壊力を抑えきれない。
結局、都姫はその後もトリプルチーム(3人マーク)を物ともせず3Pシュートを量産し、大無双して試合に勝利した。しかし、コートを去る彼女の足取りは、いつになくトボトボとしていた。
「明日、お姉ちゃんに相談して、もっとガチガチに固定できるスポーツブラ、買ってきてもらおう……」
天才ゆえの、そして超絶美女ゆえの、贅沢すぎる悩みを実感した初めての体育だった。




