第3話:放課後メイドインヘブン(無双のリアルメイド)
挿絵を追加しました。
無事に(?)初日の学校生活を終え、都姫がのんびり下校しようとすると、スマホが震えた。
大学生の姉からのメッセージだ。
『都姫、今日のバイト、シフト入ってるから遅れずに来なさいよ。……あんた、女装の手間が省けてよかったじゃない』
「あ、そういえば今日メイド喫茶の日だった」
元々、姉に流されるまま、時給の高さに釣られて女装メイドとして働いていた都姫。
「前はシリコンブラつけたり、体毛を気にしてストッキング重ね履きしたり、メイクも面倒だったけど……今の私なら、文字通り『そのままで完璧』じゃん。ラッキー」
ポジティブかつゆるふわな都姫は、鼻歌交じりでバイト先のメイド喫茶『ル・ロワイヤル』へと向かった。
更衣室で支給されているフリルたっぷりのメイド服に着替える。
以前は無理やり着ていた衣装が、今は豊満なバストと圧倒的な曲線美によって、恐ろしいほど完璧にフィットしていた。ウルフカットの銀髪とお姉さん系の顔立ちが、クラシカルなメイド服と奇跡的なアンサンブルを生み出している。
更衣室から出てきた都姫を見た姉とスタッフの友人たちは、絶句して床にへたり込んだ。
「本当に都姫ちゃんになったんだね!」
「その髪とクラシカルメイド服、すごく似合う!」
「ちょっと……何それ……。本物の、本物の超絶美少女メイドじゃない……。私、勝てる要素が1ミリもないんだけど……」
「お姉ちゃん、これチャック締めるの楽で最高だね」
そして、開店の時間。
都姫が「お帰りなさいませ、ご主人様」と笑顔で扉を開けた瞬間、店内の空気が凍りついた。
「な、なんだあの綺麗なメイドさんは……! 新人か!?」
「顔が小さすぎる、スタイルが異次元だろ……!」
いつもは「可愛い女装の修」を目当てに来ていた常連客たち(※修の正体は知らない)は、あまりの神々しさに卒倒しかけていた。
「本日のオススメのオムライスです。美味しくなるおまじない、かけますね。……萌え萌え、きゅん」
超絶美女の都姫がゆるふわな笑顔で放つ、渾身の「萌え萌えきゅん」。
その瞬間、店内の客が一斉に胸を押さえて「うっ……!」と悶絶した。威力が高すぎて、もはや殺傷能力すらあるレベルだ。
「如月さん! チェキの指名が100件入ってるわ! 対応お願い!」
「如月さん、こっちのテーブルも追加注文!」
女装の手間が省けたどころか、あまりの美貌に店は大繁盛、都姫の売上は過去最高を叩き出したのだった。
「ふぅ、今日も疲れた。でも時給高いし、可愛い服着られるし、楽しいからいっか」
最強のスペックを手に入れた都姫は、今日も気ままに、ゆるふわに、新しい日常を満喫していくのだった。




