第34話:スイカと麦茶と、夏の終わりの約束(お祭りへのお誘い)
「ぷはーっ! 都姫ちゃんの家で食べるスイカ、美味すぎる!」
「生き返るわね……本当に助かったわ、都姫ちゃん」
リビングでみんながスイカを頬張り、冷たい麦茶で喉を潤している時だった。
女子グループのリーダー格の少女が、少しソワソワしながら都姫の隣に座った。
「ねえねえ、都姫ちゃん。実は今週末、地域の『地元の夏祭り(花火大会)』があるんだけど……。もしよかったら、今日集まったメンバーとか、クラスのみんなと一緒に浴衣着て行かない?」
「夏祭り?」
都姫はスイカをスプーンですくいながら、ウルフカットの銀髪を揺らして、少し目を輝かせた。
「お祭りかぁ。屋台の焼きそばとか、りんご飴とか、美味しそうだよね」
「うん! 屋台もいっぱい出るし、最後には大きな花火も上がるんだよ!」
女子生徒が力説すると、隣で麦茶を飲んでいた男子たちは
「えっ、都姫ちゃんがお祭りに!?」
「しかも浴衣姿……!?」
と、内心で大パニックを起こし始めていた。
「楽しそうだね。私、浴衣ってあんまり着たことないから、お姉ちゃんに着付けてもらって行こうかな。うん、みんなで行こ!」
都姫がコテンと首を傾げて快諾すると、リビングにいた男子たちは歓喜のガッツポーズ(ただし都姫にバレないように静かに)を見せた。
「宿題クリア」の先にご褒美として待っていた、女神との夏祭りデート。
最高の約束を交わした一行は、その後とてつもない集中力を発揮し、夕方にはすべての宿題を完全に終わらせるのだった。




