第22話:鳴り響くペン音、驚愕の試験官(中間テスト本番)
キーンコーンカーンコーン。
ついに運命の中間テスト本番のチャイムが鳴り響いた。
教室に試験問題が配られる中、試験監督の先生は、いつもとは明らかに違う異様な空気を感じて身震いしていた。
(な、なんだこの空気は……。いつもならテスト前はどんよりとした絶望感が漂っているはずなのに、今日のD組はまるで……これから戦場に赴く戦士のような目をしている……!)
特に男子生徒たちの目が据わっていた。彼らの脳裏にあるのはただ一つ。テストで高得点を取り、如月都姫の特製手料理を胃袋に収めること。それだけだった。
「――始め」
先生の合図と同時に、教室内で爆発的な音が鳴り響いた。
ガタタタタタッ! カツカツカツカツカツカツ!!!
それは、凄まじい速度でシャーペンを走らせる音だった。
都姫先生の特別授業によって、問題の解き方が完全に頭に染み付いている生徒たちは、迷うことなく凄まじい解答速度で鉛筆を転がしていく。問題用紙をめくる音すら、まるで銃撃戦のような鋭さだった。
「おい、そこ、筆圧が強すぎて机が揺れてるぞ……」
試験監督の先生が思わず注意しようとするが、生徒たちの鬼の形相と気迫に圧されて言葉を呑んだ。
その一方で、当の発端である都姫は、長身を少し丸めて、いつも通りのゆるふわな様子でサラサラと満点確実の解答を書き終えていた。ウルフカットの銀髪を揺らしながら、「みんな、すごく集中してるなぁ。美味しいお料理、いっぱい作ってあげなきゃ」と、早くもパーティーの献立をのんびり考えていた。
試験終了のチャイムが鳴った瞬間、クラスメイトたちは魂を燃やし尽くしたかのように机に突っ伏したが、その表情には確かな手応えと、勝利を確信する不敵な笑みが浮かんでいたのだった。




