第15話:消える魔球と可憐なステップ(ドッジボール本番)
挿絵を追加しました。
「最終種目、女子ドッジボールを開始します!」
体育館にアナウンスが響き渡り、いよいよ如月都姫の出番がやってきた。
チア衣装から体操着に着替えた都姫がコートに入ると、ギャラリーの男子たちから地鳴りのような大歓声が沸き起こる。対戦相手の他クラスの女子たちは、都姫の長身ウルフカットの圧倒的な美貌と、体操着の上からでもハッキリと分かるGカップの凶悪なプロポーションに、戦う前から完全に気圧されていた。
ピピーッ! と試合開始のホイッルが鳴る。
相手チームの強肩女子が、開始早々、都姫を狙って鋭いボールを投げ込んできた。
「危ない、都姫ちゃん!」とクラスメイトが叫ぶ。
しかし、都姫は動じない。
天才的な運動神経を持つ彼女は、迫り来るボールの軌道を完全に見切っていた。一歩も動かずに、上半身をひらりと流れるように捻る。ボールは都姫の豊かな胸元のわずか数センチ横を、かすめるように通り抜けていった。
「嘘……っ!? 今の避けたの!?」
「身のこなしが綺麗すぎる……!」
華麗なステップで敵の猛攻をすべて紙一重で避けていく都姫。そのたびに長い睫毛を揺らし、左目のホクロを覗かせて涼しげに微笑む姿は、まるでコート上で踊る妖精のようだった。
「じゃあ、次はこっちからいくね」
都姫が床に転がったボールを細く白い手で拾い上げる。
すっと右腕を後ろに引き、綺麗なフォームでステップを踏み込んだ瞬間、彼女の全身から凄まじいオーラが放たれた。
ビュッ……!!
都姫の手から放たれたボールは、空気を切り裂くような風切り音を立て、文字通り「剛速球」となって相手コートへ突き刺さった。
ドゴォン! と体育館の壁にボールが激突する音が響く。相手の女子生徒は、避けるどころか反応すらできず、服の裾をかすめられて呆然と立ち尽くしていた。あまりの威力に、外野の男子たちからも「ひえっ……」と引きつった声が漏れる。
「あ、ごめんね。ちょっと力入っちゃった」
都姫がゆるふわに微笑みながら、今度は少し手加減して山なりの、しかし絶対に捕れない絶妙な変化球を投げ込んでいく。
その後も都姫のワンマンショーは止まらず、華麗に避けては確実に仕留めるパーフェクトなプレイを連発。他クラスの女子たちを次々と外野へ送り出し、圧倒的な実力差でドッジボール全勝を成し遂げたのだった。




