第11話:待ち受け画面のパンデミック(他クラスへの拡散)
挿絵を追加しました。
「ちょっと、それ見せて……! 嘘でしょ、これマジでD組の如月さん!?」
ある日の昼休み。他クラスの廊下で、そんな驚きの大声が上がった。
声の主たちが覗き込んでいたのは、都姫と同じクラスの女子のスマホ画面だ。そこに映っていたのは、クラシカルなメイド服を着て、圧倒的なGカップと異次元スタイルで、首をコテンと傾けてウインクする超絶美女――如月都姫とのツーショットチェキをスマホで撮影した画像だった。
「でしょ!? めちゃくちゃ可愛くて神々しいでしょ! 聖地に行けば会えるんだから!」
この「メイド都姫とのツーショット待ち受け」は、今や都姫のクラスの男女の間でステータスシンボルのようになっていた。男子も女子も、こぞってスマホのロック画面やホーム画面に設定しているのだ。
それが他クラスの生徒の目に触れたことで、噂は一気に加熱した。
「噂には聞いてたけど、あのウルフカットの銀髪とお姉さん系の顔立ち、メイド服との相性がヤバすぎる……!」
「左目のホクロがセクシーすぎて直視できないんだけど……!」
「っていうか、ツーショット撮れるの!? 俺もそのメイド喫茶行きたい!!」
都姫の規格外の美貌は、待ち受け画面という最強の媒体を通じて、隣のクラス、さらには学年全体へと瞬く間にパンデミックのように広がっていった。
当の都姫は、自分の席で「なんか最近、廊下から視線をいっぱい感じるなぁ。気のせいかな?」と、のんびりお茶を飲んでいる。
放課後、都姫が働くメイド喫茶には、噂を聞きつけた他クラスの男子や女子が、開店前から長蛇の列を作っていた。
店のドアを開けた都姫は、「わぁ、今日はお客さんがいっぱい。お姉ちゃん、今日も時給たくさんもらえるかな?」とゆるふわに微笑み、新たな迷える子羊たちをその圧倒的な「萌え萌えきゅん」で次々と撃沈していくのだった。




