17-新米冒険者としての初依頼
新米冒険者の活動開始
エリザヴェートの乱入により、ルフィスの正体がバレる危機はなんとか回避された。ギルド長室での尋問も、エリザヴェートの「皇帝の名において保障する」という言葉によってうやむやになり、ルフィスは無事に新米冒険者として認められることになった。
ギルド長室を出たルフィスは、ホッと胸を撫で下ろした。
「ふぅ…なんとか誤魔化せた…!これから新米冒険者として活動していくよ…!」
ルフィスは冒険者証を手に、目を輝かせて呟いた。だが、その背後でエリザヴェートがニヤリと笑いながら受付カウンターに向かう姿が見えた。
「ちょっと待ってて、ルフィス!私も登録しちゃうわ!」
「え…!?エリザヴェート様!?」
ルフィスが驚いて振り返ると、エリザヴェートはすでに受付嬢に話しかけていた。彼女は偽名として「エリザ」を名乗り、あっという間に冒険者登録を済ませてしまった。
「はい、エリザとして登録完了よ!よろしくね、ルフィス!」
エリザヴェート――いや、エリザは冒険者証を手に得意げに笑った。ルフィスは目を丸くして尋ねた。
「エリザヴェ…じゃなくて、エリザ!どうして冒険者に!?皇女なのに…!」
エリザはルフィスの肩をポンと叩き、明るく答えた。
「だって、前衛がいなきゃルフィスが困るでしょ?私は炎の魔法が得意だし、前衛として戦えるわ。パーティーを組めば、ルフィスの僧侶としての力と私の攻撃力がいい感じに噛み合うと思うの!」
ルフィスはエリザの勢いに圧倒されつつも、彼女の言葉に納得した。
「確かに…ボク、戦闘は苦手だから…エリザがいてくれると助かる…!」
こうして、ルフィスとエリザは正式にパーティーを組み、新米冒険者としての活動を始めることになった。
初の依頼:薬草採取
二人はさっそくギルドの依頼掲示板に向かい、駆け出し冒険者にぴったりの依頼を探した。掲示板には様々な依頼が貼られていたが、エリザが一枚の紙を指差した。
「ねえ、ルフィス!これなんてどう?『薬草採取』よ。帝国の城壁外にある森で薬草を取ってくる依頼。報酬は銅貨30枚だって。定番の依頼だし、私たちにちょうどいいんじゃない?」
ルフィスは頷き、笑顔を見せた。
「うん、いいね!ボク、薬草なら癒しの力で役に立てるかも…。受けてみよう!」
二人は受付嬢に依頼の受注を伝え、さっそく準備を始めることにした。薬草採取は簡単な依頼とはいえ、城壁外の森には魔物が潜んでいる可能性もある。しっかりと準備を整える必要があった。
聖女の癒しの力
路地裏に着くと、ルフィスは周囲に人気がいないことを確認した。人気のない静かな場所で、彼は持っていた薬草の種の袋を開け、種を手に取った。
「エリザ、見てて…。ボクの力、ちょっとだけ使うよ…。」
ルフィスは目を閉じ、かつて「大聖女の癒し」として使っていた力を呼び起こした。彼の手から淡い光が放たれ、薬草の種を包み込んだ。光は生命力を与える癒しの力であり、種に宿る生命の芽を一瞬で活性化させた。
すると、驚くべきことが起こった。種が光の中でみるみるうちに発芽し、茎が伸び、葉が広がり、あっという間に立派な薬草へと成長したのだ。ほんの数秒で、手のひらサイズの種が、青々とした薬草に変わった。しかも、その薬草は普通のものとは明らかに違っていた。葉は鮮やかな緑色で、まるで光を反射するように輝き、香りは濃厚で清々しい。
「ちょっとまって…すごい…!これ…品質がSSS級じゃない…!?」
鑑定のスキルを持つエリザがいうなら間違いないだろう。
ルフィスは目を輝かせ、成長した薬草を手に持つ。SSS級の品質は、市場でも滅多にお目にかかれない最高級のものだ。癒しの力が込められた薬草は、通常の薬草とは比べ物にならないほど効能が高く、傷や病気を瞬時に癒すことができるだろう。
「これなら…薬草採取がもっと楽になるし、報酬も増えるかも…!」
ルフィスは満足げに呟き、成長した薬草を袋にしまった。
「流石ルフィスね!!!それでこそ私のライバルよ!」
買った物資、無駄になっちゃった




