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スケルトンの冒険者 異世界生活記 ~人化の術で冒険者やってます~  作者: 肉巻きおにぎり
3章 スケルトンの冒険者(Dランク)
53/60

51 Cランク昇格試験②

お待たせしました。

 時刻は昼過ぎ。

 現在地はライムダールを出て南西に進んだ草原地帯の一角。

 記憶が確かなら、もう少し東に進むと立川が住んでいる開拓村がある辺りだろうか。


 徒歩での移動ならば1日近くかかるこの距離だが、今回はギルドが竜車を用意してくれたので、かなり早くこの場所までやって来ることができた。


 竜車とは、馬車でいう車の部分を馬の代わりに2匹の魔物が引くことで移動するのだ。

 馬の代わりを務めるのが亜竜種の魔物で、地走竜というらしい。

 一言で言うと、二足歩行の小型の恐竜……とでも言えばいいのか。

 その地走竜が車輪の付いた籠をその自慢の脚力で引っ張り走るのだ。


 もちろん、これは誰もが気軽に使える物では無く、普段はギルドが緊急事態や、遠くの地方へ冒険者を援軍として派遣したりする時に使う物らしい。

 しかし、今回は急変更された試験内容を考え、俺達冒険者達を現地に送り届ける為に、ウォルターさんが特別に用意してくれたとの事らしい。

 ずらりと並んだ竜車と、それに繋がれた地走竜を見て、周りの人間誰もが驚きの表情だ。

 この竜車に乗って、俺達は魔の大樹海近くにギルドが仮設置している拠点に移動する事となっている。


 それから各パーティ毎に分かれ、自分達に用意された竜車に乗り込むと南にある魔の大樹海へと出発した。


 竜車の中は思ったよりも広く、左右にベンチのような上質な木材で作られた長椅子が用意されていたりする。それと壁に取っ手もついていたな。

 ただ、この竜車にサスペンションは付いてないようだ。

 そんな籠を馬以上の速度で走る地走竜が引くと。

 座ってると間違いなく尻が痛くなるだろうな……。


 そんな俺の内心を知らずに、シルビアが初めての竜車にやや興奮した様子で、座り心地を堪能していたりしたのは少し微笑ましかったが。

 そのまま俺も釣られて腰を下ろそうとしたのだが、アーティアに後で動き難くなるだろうから、大人しく取っ手に掴まって立っていた方が良いと助言を受けて、俺はその通りにした。




 竜車の乗り心地ははっきり言って、最悪の一言だった。

 ライムダールの街中ではそうでもなかったが、街を出てしばらくすると、あまり人の手がくわえられた道ではなかったためか、車輪が道端の石や枝なんかを踏んでは、それはもうガタガタとかなり揺れたのだ。

 最初は楽しそうにしていたシルビアもその度に小さく悲鳴を上げては、最終的にはぐったりしている……。


 そんな揺れに揺れた感じで約2時間位の移動が続き、俺達は魔の大樹海前まで到着。


 確かに早かったが、あの揺れを耐え忍んだ事を考えると、可能なら二度とこの竜車に乗りたいとは思わないな。


 籠の扉を開き、地面に足を下ろして一息。

 まだ地面が揺れているような感覚を味わう。

 最も俺はまだマシで、シルビアなんかは未だに気分が悪そうだ。

 しかも、グロッキー状態なのはシルビアだけではないようで……。

 周りを見回すと、来る途中の竜車の揺れにやられたのか、座り込んだり、俯いてたりと、ぐったりとした表情をする冒険者があふれている。


 皆既に死にかけの表情だが、これから魔物との戦闘を控えてるのに大丈夫なのかコレ……。


 ちなみにマシロは、揺れが激しくなった途端に飛行しはじめていて、難を逃れていたようだ。

 アーティアも俺と同様に取っ手に捕まりずっと立っていたから、ずっと座っていたシルビア程苦しそうではない。


「大人しく私も立ってればよかった……」

「大丈夫か?」

「大丈っ……あいたた……お尻痛い……」


 シルビアは、そう泣き言を言いつつも、なんとか自らの足で立ち上がってお尻をさすっている。。


「その、辛いだろうが……頑張れ。まだ始まってすらいないんだからな」

「ほらシルビア。しっかりなさい。置いてくわよ?」

「あっ、ちょ、待ってー!」


 森に比較的近い草原の一角に、ギルドの紋章が入った仮説テントのような物が見える。

 アレが今回の試験の為に、ギルドが用意した野営地かな。

 そのテントの中でも、一際大きな物の前に、ギルドの女性職員が立っており、何やらこちらに向かって叫んでいるようだ。


「はーい。到着した受験者の皆さんはこちらに集まってくださーい!」


 どうやら、あそこが目的地みたいだな。


「あのテントが目的地みたいね」

「じゃ、行くか」

「ちょ、だから、待ってってばー!」


 すたすたと目的地に向かって歩く俺とアーティアの後ろを、シルビアが涙目になりつつも必死に着いてくる姿がなかなか可愛かった。


 ◆


「はい。皆さん揃いましたね。では、これより本格的に昇格試験開始とします。各パーティはそれぞれ森の中で出来るだけ多く魔物の討伐をしてください。 ただし! あまり奥地まで行かないよう。 入り口に近い場所なら最高でもDランク。稀にCランクが居る位ですが、奥に行けばBランク以上の魔物との戦闘も考えられます。 はっきり言って今の貴方たちに勝ち目があるとは思えません。なので自分達の実力を過信しすぎないようにしてくださいね? それと、もし負傷されたりした場合等、このテントにいる職員が治療魔法により処置をさせていただきます。あ、料金はもちろん頂きますので。それとイエローポーションの販売もしてますから、治療魔法の代金が払えないような方はこちらの方をご利用ください」

「っておいっ! こんな場所に連れてこられた上に、金まで取るのかよっ!?」


 料金が発生する事を聞き、一人の冒険者が抗議の声を漏らした。


「はい。当然です。ギルドや冒険者は慈善事業じゃないんですよ?」


 しかし、説明をしているギルド職員の女性は表情すら変えずにぴしゃりと言いのけた。


「いいですか? 勘違いしないように今のうちに言っておきますが、冒険者は基本危険と隣り合わせの仕事です。それに、依頼の途中で物資が尽きた場合は、現地採取か、一度街に戻る事になるんですよ? しかし、その間も当然依頼の期日は待ってくれませんし、それをどう上手く遣り繰りするかが、プロの冒険者という物です。なので、むしろ今回のように街の外に、こうした補給が出来る拠点が用意されている事自体が恵まれているんです。我々ギルドとしても、今回の試験では最大限の援助をしている物だと理解してくださいね?」


 基本依頼さえ達成すれば、ある程度やり方も戦い方も自由な冒険者は楽な仕事なイメージがあるだろうが、そんなことは無い。

 むしろ、俺の様に色々と便利な道具を持ってない人からしたらそれこそ、いかに効率よく損害を減らして依頼を進められるかにかかっている。

 薬や装備をケチったらそれだけで死にかねないが、それに気を使い過ぎては儲からないので、別の仕事をやったほうが生活は楽だろう。



「それにギルドマスターから聞いてると思いますけど、今回は倒した魔物に対して報奨金が出ます。倒した魔物の証明部位を切り取って、各パーティに渡すこの袋に入れて持ち帰ってください。そして持ち帰った素材は、緑の天幕のテントで鑑定と記録を取った後に、相応しい金額が支払われることになってます。ああ、そうそう。この補給地点では他にもポーションの補充や、武器や防具の整備が出来る場所もあります。それと雨風を防げる寝床として仮設テントの一部を提供もしてます。日が沈んだ後の森は、夜行性の魔物が徘徊するのもあってかなり危険ですからね。死にたくなかったら夜には戻ってきた方が良いですよ? この仮設拠点の周りには、オルニア教会の魔物避けの聖水がまかれていますので、下級の魔物程度なら寄りつく事もありませんし比較的安全ですので。もちろん強制はしませんが。当然、この場所を利用するには、宿泊料金が発生しますけど。でも命には変えられませんよね? なので、遠慮せずにどんどん利用してくださいね? 最後に試験達成のノルマの発表ですが、明日のお昼までの間に、そのパーティがどんな魔物を狩れたかによって決まります。ランクが低い魔物は数で、高い魔物はそれだけで高評価となりますが、危険度は当然上がります。各自、己の力量に合わせた狩りを行ってください。無理をして命を落とした場合、当然ギルドは責任を取れませんのでその点も理解してくださいね? 昇格試験とは言ってもこれば遊びではなく、領主様から依頼された正式な魔物討伐の依頼なんですから。私からの説明は以上ですけど、他に何か質問がある人等はいますか?」

「はい。じゃあ、その、質問ですけど……仕留めた魔物の一部って言ってもどこを持って来れば……?」

「ん~。 そうですね。例えばゴブリンやオーク等ならばその耳を、キラープラント等の魔物は花弁を、スライム系ならその核を……とかですかね。とにかくその素材が何の魔物か分かる部分を持ってきていただければ、後は専門の職員が鑑定してしまいますので、大丈夫です。ただし、あまりにも損傷が激しい物は受け付けませんので注意してくださいね? 他にはありませんか?」


 再度確認をしていたギルド職員だが、冒険者からの質問が無いと分かると一つ頷いて、


「では、準備が出来た人から討伐部位採取用の袋を受け取って、森へ入ってください。無茶して死なないでくださいねー?」


 説明がひと段落した後は、準備を手早く整えた冒険者達が、職員から袋を受け取ると、我先にと森の中に入って行った。

 俺達もそれに続いてもいいのだが、あの森は大勢が固まって移動するには向かない。

 それに、俺には生命探知という魔物のおおよその場所を掴めるスキルがある。

 このアドバンテージを活かして、なるべく他の冒険者とかち合わないルートで進もうと考えている。

 それに、人が多い場所だと、シルビアが戦い辛いだろうしな。


「本当大丈夫? やっぱり早く行かないと獲物が減っちゃって拙いんじゃないかなジェイド?」

「まぁ、いくつかの巣は潰されるだろうけど、あれだけ固まって移動したんじゃ獲物の奪い合いが発生するのは目に見えてるよ。魔物がいつ襲ってくるかも分からない場所で、冒険者同士の変なトラブルに巻き込まれたくも無い。それと……人の目がある場所だとやりにくいだろシルビアは」

「それは……確かに……そうだけど」

「なので俺達は、なるべく人の少なそうな場所を中心に回ろうと考えいてる」

「私としてはその提案は嬉しいけど、それって平気なの? 余り稼げないかもしれないよ?」

「この森の地理には少し心得がある。前にこの森で遭難した事が合ってな……。まぁ、その時色々見て回ったから、魔物が巣を作りそうな場所も心当たりがあるし、一先ずその場所を当たってみようと考えてるんだ」

「こんな場所で遭難って……どんな人生歩んできたの」


 俺の話を聞いて、若干アーティアが引いた感じで尋ねてくる。

 俺だって好きでこんな場所からスタートしたんじゃねぇよ!


「い、色々あったんだよ色々……」 

「ふーん? まぁ、いいわ。そう言う事なら、任せちゃおうかな? 案内よろしくねジェイド」

「おう。任された」


 返事と同時に俺は久しぶりに広範囲での生命探知を発動する。

 浮かび上がるは大量の赤い丸とそれより少ない青の丸。

 この青の反応は、先程森に入っていった冒険者達の物だな。

 反応を見るに、どうやら早速ゴブリンかなにかの集落を発見したパーティがいるようだな。

 既に10人近い人間がそこで戦闘をしているようだ。

 早いねー……。

 まだ飛び出して行って10分も経ってないだろうに。

 何かしらの探知系のスキル持ちでもいるのかね?

 それと、他にも少人数で動いている者もいるようだが、既に獲物を見つけ戦闘に入っているのか、近くにあった赤い反応が少しずつ消滅している。


 冒険者達は結構広範囲にばらけてはいるようだが、まだまだ手が付けられていない魔物の巣と思われる場所も結構ある。

 その中から俺は、特に冒険者達から遠い場所と条件を絞り、良い場所が無いかを探していく。

 ……見つけた。

 ここから少し南東の方にそれらしい場所がある。

 赤の反応が不自然に密集しているポイント。

 恐らく魔物の巣だろう。

 冒険者達は比較的、西の方に多く集まってるようだし、この場所なら不意に誰かと遭遇するようなことも少ないだろう。決まりだ。


「こっちだ。着いて来てくれ」


 場所を決めた俺は、シルビア達を案内するべく、俺達も職員から袋を受け取ると、魔の大樹海へと足を踏み入れ進み始めた。



 ◆


 森を歩き続けて暫し経ち、辿り着いた場所は森の中でも少し開けた広場。

 木で作られたトーテムポールのような置物が中央にある。

 何か意味があるのかは謎だが、そのトーテムの前に、2メートル近くある巨体な豚頭の魔物が、腹を裂かれて横たわっている。

 オーク。

 だが死体だ。

 そして、それを仕留めた事を祝しているのか、まるで踊るように、オークの死体の周りを跳ねている2体の魔物が見える。


 その魔物には見覚えがある。

 コボルトだ。

 だが、2体の体毛はそれぞれ黄色と灰色。

 しかも大きさは通常のコボルトよりも一回り程大きい。

 ……上位種だな。

 身に着けている装備もただのコボルトに比べると随分立派な物で、元々は名も知らぬ冒険者の物だろう痛んだ鱗鎧を身に着け、手には鉄製と思われるロングソードをそれぞれ持っている。


 恐らくあの2体がこの巣の長のような物だろうか。

 その2体の周囲には若干錆びていたり、欠けていたりはするが、鉄製の武器を持ったコボルト達も居る。


「コボルト達の集落だな」


 コボルト達を見た瞬間マシロが少し不機嫌そうな雰囲気になる。

 そういえば、マシロって初めて出会った時コボルトに嬲られてたんだよな。

 今のマシロなら逆に無双出来ると思うけど。やっぱり昔いたぶられた事を思い出したのか早くもヤル気満々って感じだな。


「シャァァ……!」

「な、なんかマシロちゃん興奮してない? どうしたの?」

「ああ、前にコボルト相手にちょっとあってな。まぁ、ヤル気十分って事で気にしないでくれ」

「そ、そうなの? まぁいいや。えっと、改めてコボルトなんだけどさ、ざっと数えて数は全部で……30位かな?」


 シルビアが目に見える数を数えてそう言うが、実際はもう少し多そうだ。生命探知によると巣とも言える倒木を積み上げただけのボロ小屋のような物の中にも隠れているようだし。


「実際はもう少しいるだろうな。あのボロ小屋みたいな巣の中にもきっと居るだろうしな」

「でしょうね。それと数も多いけど、それよりも厄介なのがアレね。ほら、あの中央の2体。毛皮の色が違うのが居るのが分かるかしら?」

「ああ、居るな。黄色の奴と灰色の奴だろ。それ以外は青い体毛……普通のコボルトだな」

「黄色の方がDランクのハイコボルトね。そして灰色の方なんだけど……厄介ね。Cランクのコボルトナイトよ」

「Cランクか」


 俺は意識を集中して2体の上位種に向かいステータス閲覧を発動。

 少し距離が遠いが、届くかな?



[種族] ハイコボルト

[状態]  通常

[ランク]  D

[Lv]   8/15

[HP]   110/110

[MP]   65/65

[攻撃]   88

[防御]   78

[魔法攻撃] 45

[魔法防御] 65

[素早さ]  114

[所持スキル] 

 剣術Lv4 連携攻撃Lv3 噛みつきLv4 夜目


[種族] コボルトナイト

[状態]  通常

[ランク]  C

[Lv]   5/25

[HP]   178/18

[MP]   85/85

[攻撃]   165

[防御]   110

[魔法攻撃] 74

[魔法防御] 89

[素早さ]  178

[所持スキル] 

 剣術Lv5  カウンター 食い千切りLv4

 連携攻撃Lv5 夜目 嗅覚強化


 どちらも素早さがかなり高いが、Lvを見る限り、進化してまだそこまで時間が経っていないみたいだな。

 しかし、自分立よりも大きな魔物であるオークをああして狩る事ができとなると、むしろ今叩いておかないと危険か。

 これ以上進化されたりしたら更に厄介な魔物に成長するだろうし。


 だが、簡単に倒せそうな相手ではない。

 特にコボルトナイトの方はLvこそ低めだが、それでも俺やマシロと同じCランク。

 強敵だな。


 多分、倒せない相手では無いだろうが……。

 周囲のコボルトを相手をしながら……となると、苦戦は必須だな。


「ガゥ……? ガァ! グルァァ!」


 どうやって戦った物かと考えながらコボルト達を観察していると、突如コボルトナイトが、俺達の隠れている方へ顔を向けて何か叫びだした。

 コボルナイトの声を聞いた途端、周囲のコボルト達が、手に武器を握り何やら騒ぎ出した。


 これは……もしかして俺達の存在に気付いたのか?

 結構離れてると思ったんだが……。

 いや、そういえば、さっき見たコボルトナイトのスキルには嗅覚強化ってのがあったな。

 それのせいか。


 厄介だな。

 可能なら不意打ちで仕留めたかったんだが、どうやら、俺達の存在がばれてしまったようで、コボルトナイトはしきりに鼻を鳴らして周囲を警戒しているようだ。


「完全に俺達を警戒してるなあれは。場所まではまだ特定できてないようだが、このままじゃ見つかるのは時間の問題だな」

「……どうするの? 警戒してるみたいだし、このまま不意打ちで仕留められるかは正直微妙だけど……。一度撤退する? 今ならまだ大丈夫だと思うけど」

「いや。逃げたとして、あのコボルトナイトは鼻がかなり効くみたいだ。下手したら仲間を連れて追ってくるかもしれない。他の魔物の相手をしてる時に背後から襲われるのは御免だし、ここで仕留めるのが一番かな。よし、あの上位種の方は俺が相手をするよ。皆は周りのコボルト達を頼む。それと……相手はコボルトとはいえ、鉄の槍やら剣やらで武装してるのもいる。くれぐれも油断はするなよ?」

「了解。でもここは森の中だし、私だって有利なんだよ? だから上手くあしらってみせる。援護もなるべくするつもりだけど、あの数だとジェイドが最悪囲まれるかもしれないよ? そっちこそ平気なの?」

「まぁ、極力回避に徹しながら立ち回るよ。なんとか時間を稼ぐから、少しでも多くのコボルトを周りから減らしてくれ。横槍さえなければ、俺だけでもあの2匹はやれそうだ。今回は防具もあるからこの前の緑魔狼の時よりはむしろ、安全だろ? 背中は2人に任せて、粘ってみるさ」

「そう。じゃあその信頼に答えられるくらいは、頑張らないといけないわね」

「だね。それに、ジェイドがまた傷を負っても大丈夫なように、アレ、持ってきてるから。もし怪我しても大丈夫だよ」


 シルビアの言うアレってのはイエローポーションの事だろうな。

 またあの激痛を味わうなんて冗談ではない。

 これは、被弾は極力避けて戦わなければな……。

 見つかるまで待つつもりはない。やるならば、場所が特定されていない今正面から叩く。

 これしかないな。

 さて、それでは、戦闘開始といこうか。

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