44 パーティ結成
軽いスランプ気味で、書いては消して書いては消してを繰り返してたらこんなに時間がたってました……。
一応プロットの修正がある程度終わったので、またちまちま書き始めたいと思います。
無理しない程度に、ゆっくり書いていきますが、今後2週間位遅れそうなときは、一言活動報告に記すことにします。
ギルドマスターとの面談を終えた俺とマシロは、約一日振りに白翼亭へと戻って来た。
扉を開けるとちょうど、女将のカリナが料理に使ったと思われる皿を下げている所に遭遇した。
これは、シルビア達は食堂で夕飯中かな?
「カリナ、帰ったよ」
「ん? おおっ。おかえりジェイド君。無事に帰って来たか。よしよし。部屋は残してあるから安心してね」
「おいおい……たった一日留守にしただけだろ? それなのにもう部屋の心配をしなければいけないのか?」
「いやいや。だって君、死霊迷宮に行ってたんでしょ? シルビア達から聞いたけど、なんだか凄い魔物が出たってギルドでは騒ぎになってるらしいじゃん? しかも、ジェイド君夜には帰るって聞いてたのに帰って来なかったからさ。普通は依頼で、一日二日位平気で遅れる事もある冒険者相手の商売だから、私も慣れてる方だけど、今回の場合は、普通に何かあったと思うわけで、これはもしかしたらもしかするかもなー……なんて思ってたんだよ。でも、君しぶとそうだから、案外無事に戻ってくるかもしれないとも思っててね。一応契約してた一ヶ月間は、私も部屋は取ったままにしてあげるつもりだったんだよ?」
「一応かよ……」
「そりゃ、冒険者相手にこんな商売してるし、利用してたお客さんが不慮の事故によって帰ってこない事もあるからね。それが判明したら、例え数か月契約してても、その部屋は宿側が他のお客に貸しても問題無い事になってのよ。言い方は悪いけど、いつ死ぬか分からない相手に商売してるんだもん。私達もそれを見越して前金制度を採用してるんだしさ」
確かに、いつまでも帰ってこない相手の部屋を取ってても宿屋としては商売上がったりだよな。
日本だと、考えられないがね。
しかし、このリングラッドでは魔物が溢れていて、それを相手にする冒険者が多い。
そう言った相手に商売をするとなると、確かにこうした割り切りは必要なんだろうな。
「はいはい。信じてくれてありがとよ。ところで、夕飯の注文ってまだ間に合うか? 大丈夫ならいつもみたいに、二人分頼みたいんだけど」
「んー。そろそろ洗い物を終わらせようかなって思ってたんだけど……しょうがない。なんかシロシロがお腹減ってる雰囲気感じるし、作ってあげますか」
「シャアー♪」
「ふふー。嬉しいかー? 可愛い奴めー」
料理を作ってもらえると分かって、マシロがカリナの近くまで飛んで、愛嬌を振りまいてる。
カリナはそんなマシロを撫でてご満悦な様子だ。
しかし俺と居るからか、マシロって一応危険な毒蛇の魔物なのに随分と人懐っこいよな……。
まぁ、騒ぎを起こす心配も低いし、念話で意思疎通も可能な位賢い子だからな。
俺としては、食費以外に手が掛からなくて、大変助かってるんだが。
「ああ、そうだ。シルビア達は今食堂に居るのか?」
マシロを撫でてたカリナが、その手を止めて、視線を食堂の方へと向ける。
「うん、あの二人なら今は食堂で……。ああ、そうだった……。誰かさんがジェイド君がなかなか帰って来ないもんだから、凄く心配してんだよね~。こうして無事に帰って来たんだし、直接会ってちゃんと伝えてあげたら?」
そう提案してくるカリナだが、その表情が、まるで唐突に悪戯を思いついた子供のような物なのが気になるんだが……。
「おや? 何か疑われてる? まぁ、行ってみたら分かるよ。珍しい物が見れるからさ」
珍しい物? 一体何があるんだ……?
まぁ、俺もシルビア達には、昇格試験の事で話があるし、どうせ夕飯も取る予定だったんだ。
少し気にはなるけど、結局は行く事には変わりないか。
「ほら、シルビア。少し飲み過ぎよ? そろそろ部屋に戻りましょう」
「うー……」
「きっと大丈夫よ。彼も冒険者なんだし危険は、覚悟の上で行ったのよ? それなのにそんなに落ち込んだら失礼じゃない?」
「それでも……私があんな話しなければ、そもそもダンジョンには行かなかったと思うし……」
「過ぎたことをいつまでも、うじうじ悩んでても仕方ないじゃない」
「確かにそうだけどさ……やっぱり私が余計な事言っちゃったからだきっと……」
「そんな事ないから……。心配しなくても彼、実力は有るんだし、しばらくしたらちゃんと帰ってくるわよ」
「でもぉ……」
食堂に入って飛び込んできた光景は、アーティアに慰められながら、酔って机に突っ伏しているシルビアの姿が見えた。
「珍しいでしょ? 結構長い付き合いだけど、シルビアが酔う程飲んでる所なんて、私初めて見たよ?」
カリナが言ってた珍しい物ってのはこれか……。
随分酔っぱらってみたいだが……シルビアは大丈夫なのだろうか。
というか、こんな状態だと真面に話なんかできないんじゃないかな……。
「なぁ、何の話をしてるんだ?」
それでも、とりあえず声を掛けてみると、アーティアは静かに微笑んでくれているのに対して、顔をこっちに向けたシルビアの表情が固まっている。
「酔い過ぎたのかなアーティア……。私の眼にはジェイドが普通に帰って来てるように見えるんだけど……」
「酔い過ぎなのは認めるけどね。それは気のせいじゃないわよ。ほら? やっぱりこうして無事に帰って来たじゃない。お帰りなさいジェイド君」
アーティアに、ただいまと返事をしようとしたが、それよりも前にシルビアが勢いよく立ち上がると、ずかずかとこっちに歩いてくる。
酒を飲んで酔っているのか、その顔はやや朱く、目も座っている気がする。
程なくして俺の前までやってくると、突然、ぺたぺたと両手で俺の頬に触れてくる。
そして、そのまま暫し引っ張られたりしつつ。
なんなんだこの状況は……。
困惑して、どうしようかと思っていると、
「……本当にジェイド? 生きてる? 本物?」
「一応生きてるな。それに俺の偽物が居るってんなら一度是非見てみたいもんだが……」
そう答えると、手を離したシルビアが抱き着いてきた。
「よ、よかった! 本物だ! もぅ、いつまでたっても死霊迷宮から帰ってこないから私達心配したんだよからねっ!?」
そう言いつつ、俺を締め付ける力が更に強くなる。少し苦しい。
が、皮鎧越しに、シルビアの女性的な部分が強く押し当てられて、それが少し嬉しいのも事実であって……。
というか、なんだってこんな状況になってるんだよ。
異性に、こんなスキンシップをしてもらった事なんて前世でもなかったぞっ!?
内心で俺は慌てつつも、そもそもなぜ彼女がここまで心配してるのかと思い、記憶を辿ると……。
あー。
そうだ。確か、死霊迷宮に行く時、シルビアに声かけんだったな。
その時一緒に行きたいって言ってたが、今回は日帰りで様子見してくる程度だって伝えてたんだ……。
ちょうど彼女達もギルドに依頼を探しに行く所だったからその時はそれで納得してくれたんだったな。
それでも、俺が一日たっても帰ってこないし、更に続けて、あの謎のスケルトン騒ぎだ。
最もその騒ぎの原因も俺なんだが、そんな事は当然分かる訳も無く、普通に考えたら俺もその魔物にやられたんじゃないかって思うよな……。
どうやらそのせいでシルビア達には、要らぬ心配をさせてしまっていたらしい。
「随分心配してくれたんだな……。ありがとうシルビア。死霊迷宮で少し面倒な魔物と遭遇してな。その相手に手間取ってたら、帰りが遅れちゃったんだよ。でも、マシロも俺もこうして無事だからさ」
「ねぇ、ジェイド君。その魔物って今話題になってる例のスケルトンの事?」
「いや。そっちじゃないな。俺が相手したのは、ルームガーダーだ。スカルウォーリアーだったよ」
「ルームガーダーと出会ったの? こうして無事に戻ってるのを見ると、倒して戻ってきたって事よね? ポイズンクロウラーの事と言い、貴方と居ると退屈しなさそうだわ……」
アーティアは少し呆れ顔だが、その瞳はどこか興味深そうな色を携えている。
やっぱり、俺が語ってない秘密について、多少なりとも興味が尽きないようだ。
だが、気にはなっても、深く探ってはこない所が彼女の良い所だな。
「一応、今日の夕方にはライムダールに戻ってたんだが、死霊迷宮の帰りに結構な数の冒険者と遭遇してさ。何かあったのかギルドで聞いてたら、ちょうどギルドマスターから呼び出しを食らってね……。そのまま話を聞いてたら、こんな時間まで拘束される事になったんだよ」
「はぁ……もう、なんで二人ともそんなあっけらかんと話してるのよ。なんか真面目に心配した私が馬鹿みたいじゃないの、もぉー……」
「シルビアが俺の心配をしてくれたのは、十分伝わったし、その気持ちは素直に嬉しかったよ。ありがとう。でも、シルビア。出来ればそろそろ離して欲しいんだが……」
俺の言葉の意味が少し理解できなかったのか、シルビアは一瞬きょとんとした顔をしたが、徐々に思考が冷静になってきたのか、自分が今どういう状況になってるのかを理解して顔を一層赤くすると、ばっと勢い良く俺から離れた。
いや、確かに離して欲しいとは言ったが……。
そんな急に拒絶されると男として悲しいんだけど。
「ちが、違うの。違うのよ? これはつい勢いで、えっと……」
「ふ~ん? シルビアさんが随分乙女な顔をしてらっしゃいますな~?」
にまにまと面白うに笑いながら、俺達のやり取りを見ていたカリナがそう告げると、シルビアは更に赤くなってわたわたしてる。
「そ、そんな顔してないよ!?」
「いや、してたね。それにしても、たった一日会えなかっただけで随分とまぁ、心配してたみたいだし?」
「そ、それは、だって知り合いが危ない目にあったら、誰だって心配するに決まってるでしょ!」
「そだね~。でも、あそこまで落ち込むかと聞かれたら、私は疑問に思うけどね」
「う、うるいさな! 仕方ないじゃい私、友達少ないんだから!」
そういう事を大声で言うんじゃない。
悲しくなるだろう。
まぁ、彼女はエルフである事が理由で、他人とは極力関わらないように生活してるみたいだしな。
そんな状態じゃ、確かに知り合いや友人と呼べる人は、かなり少ないのだろう。
そして俺は、シルビアに安否を気付かってもらえる位は、知り合いなんだなと、内心で少し安堵しつつ、本題であるギルドマスターから聞かされた昇格試験と身分保障制度の話をする事にする事にした。
「とりあえず俺からも二人には、話があるんだがいいかな。シルビアの酔いがキツイってんなら明日でも平気なんだけど」
「あら? 何かしら?」
「私は平気っ! ……まだ少しふらつくけど……」
「仕方ないわね。はい、解毒」
「……ありがとアーティア。うん。だいぶマシになったわ。……それで、話ってなにジェイド?」
解毒の魔法って酔い覚ましにも使えるのかなんて、どうでもいい感想を覚えながらも、話をする分には問題なさそうなので、俺は本題を切り出すことにした。
アーティアは純粋に興味ありげに、シルビアもカリナからの話題を変えられるなら、何でもいいという感じでそれぞれ俺の話を聞く体制に移ってくれた。
――結論から言うと、シルビア達とのパーティを組む話はあっさりと決まった。
「実は、私達もジェイドがよければ、私達と正式にパーティを組まないかを相談してみようかなって、話してたんだよね。私達としても、組む相手としてジェイドは理想的なんだ」
「……そうなのか?」
確かにお互いの戦闘スタイル的に、相性は悪くないと俺も思ってはいたが、そこまで信頼されているのは正直予想蛾だな。
「だって、ジェイドって亜人に対しての偏見がないからね。それに戦い方も近距離中心なんでしょ? 私とアーティアは遠、中距離を主に得意としてるから、前衛を任せられる人は欲しかったんだ」
ああ。確かに。
実力はともかく、変に気を遣わなくていいのは、確かに楽だな。
「私達もこのまま戦い続けてもいずれ辛くなるのは分かってるから、誰か前衛を誘いたいとは思っていたのよ。でも、シルビアの事もあって、なかなか信頼できる人ってのは見つからない状態でね」
「そこで、既にシルビアをエルフだと分かってて、尚且つ冒険者である俺が、その候補に上がったわけだな」
「ええ。それにジェイド君の実力も、私達とライムダールに帰る時に全て出してたわけじゃないんでしょ?」
「……まぁ、そうだな」
あの時は、魔闘法もほぼ使ってないし、エンチャントも使ってない。
それに今はナイト・スカルリッチに進化したことにより戦闘能力はかなり上がっている。
「いっそ、私みたいに他の亜人の冒険者と組むのもありかもしれないと思った事もあるんだけどね。それもさ、簡単にはいかなかったんだよね。そもそもが、既に決まったメンバーでパーティを組んでるのが8割位で、どこも追加の募集はしてないんだって。残りは、単純に単独行動を好む者もいれば、後ろ暗い過去が有って関わりを持とうとしない人が殆どだった」
「なら、いっその事、アーティアみたいに、人間の冒険者と組む事も視野に入れるべきだったんじゃないか?」
「それもねー……。余程信用できる人じゃないと、難しいんだ。だって、私達エルフって、亜人奴隷の中でも最も高値で取引される存在なんだよ? 本当迷惑な話だけどね。そして、そのイメージが強いからか、不用意に他人と組むと、その日のうちに裏切られて、そのまま奴隷商に売られちゃう……って可能性もあるんだよね」
「幾らなんでもそれは……。そもそもギルドが、そういう犯罪行為は許さないんじゃなかったか?」
「もちろん発覚すれば、それは罰せられるけどさ……。ギルドだって常に冒険者全ての行動に目を向けられるわけないしょ? 特にダンジョン探索や討伐依頼なんかの命の危険が大きい依頼だと、不慮の事故により死亡しましたって報告で一部の装備品のみ提出されて、死体は見つからなかったって手が使えるからね。実際それでその亜人は奴隷商経由でどこぞの貴族の元へ……。そんな被害にあった獣人の子の話も、極端な例ではあるけど、実際あったらしいんだよ」
「なんだよそれ……。とんでもない話だな……」
「でも、これが現実ね。人族にとって珍しい亜人は、貴族に高値で売れる事は有名だからね。もし、シルビアみたいなエルフを捕まえたら、それこそ買い手には困らないもの。目の前に大金が手に入るかもしれない存在がいるとしたら、邪な事を考える人がいないわけないじゃない?」
「そう言う面倒事を防ぐための、身分保障制度もね……。そもそも、それを受けるためには実力が必要だから、今のままじゃなかなか難しいんだよね」
「あ。やっぱりその話は知ってるのか。でも難しいのか? 二人とも俺が言うのは変だがDランクにしてはかなり強いと思うんだけど」
「それは、ギルドに提出してる素材が原因だね。私は弓の材料費に回すし、アーティアは錬金術の触媒や、魔石その物を使う時もあるから、ギルドに入る収入はけっこう低いみたいだし」
「ああ、そうか。俺は全部ギルドに買い取りを頼んでるが、人によっては素材をそのまま持って行く場合もあるんだったな」
「そ。だから、未だに私達には昇格試験のお誘いが来てないのよねー。ギルドにとっての一定量の利益って話だけど、結局の話お金が絡むんだよ。アーティアが言うには、多分各ランク毎に、目標額が決められてて、それを超えて、尚且つ一定数の依頼や魔物を倒してる人が、昇格試験を受けられるんじゃないかって睨んでるんだよね。たぶん私もその考えは当たってると思うし」
「ああ。冒険者ギルドも一種の巨大な企業だしな。その可能性は十分ありそうだな……」
「キギョウ……?」
ああ、いけない。つい口に出てしまったが、この世界にはそんな言葉無いよな。
「要するに大きな商売。商会みたいなもんだと思ってくれ。続けてくれ」
「ふーん? まぁいいや。それでね、私がトルマで冒険者をはじめた時に、身分保障制度の話は聞かされたんだけどさ。そもそもトルマは亜人の共和国だからか、この制度が無くても別に困らない事が殆どだったんだよね。それで私も少し勘違いしちゃってね。こうしてアーティアと旅をする事で、初めてこの制度が、どれだけ私達にとって有り難い物なのか理解したわ……」
ああ。確かに亜人の共和国内だけで活躍する冒険者なら、身分保障制度が無くてもある程度自由に過ごせそうだよな。
しかし、ここはトルマでは無く、キグナス王国だ。他の国よりはまだ亜人に対する風当たりは優しい方との事だが、それでも差別が無いわけではない。
そんな現実を嫌って程見てきたからこそ、やっぱりシルビアもギルドからの身分保障制度が欲しいんだな……。
なら、やっぱり今回のギルドマスターの話は、丁度良かったと思う。
「その身分保障制度だが、実はなんとかなるかもしれないぞ?」
「どういう事……?」
俺はギルドマスターから昇格試験合格の暁には、身分保障制度を授けてもらえる事を話した。
そして、パーティを組んでの試験参加の許可と、そのメンバーに対して身分保障制度を授ける事に一考して貰える事もだ。
「……私やるっ! 絶対足手纏いにならないから! だからどうか、私もパーティに入れて!」
シルビアはそう言うと、真剣な表情で俺の手を握って来た。
「俺は、元々シルビアとアーティアをパーティに誘うつもりだったんだ。だから、むしろこっちこそ、手を貸してくれとお願いする立場なんだけどな」
一応、過度な期待は良くないので、昇格試験に合格した後で、ちゃんとギルドマスターとの面談を終えてからでないと、身分保障が受けられるかは分からない事を、シルビアに伝えたんだが、
「例え私が身分保障制度を受けられなくても、ジェイドは貰えるんでしょ? なら、パーティメンバーでいれば、少なくとも今より安全度は増すもの。それに、どうあっても昇格試験を受けないと身分保障制度は今のままでは受けられないのも分かってる。だから、私としては、このチャンスに飛び込まない手は無いわ」
「シルビアが良いなら私は構わないわ。むしろ私もジェイド君とは一度じっくり話してみたかったしね」
彼女達の意志は固いようだ。
なら、もう俺から言う事は何もないな。
「分かった。じゃあ改めて、二人の力を貸してくれ」
「私達こそ、よろしくね」
「頑張って全員でまずは昇格試験合格しちゃおうね!」
こんな感じの話で俺達は正式にパーティを組む事が決まった。
試験があるのは3日後という話だし、まだ時間はある。
どんな内容かは分からないが、実力を測る為の試験が、戦闘をせずに終わるほど穏やかな内容では無いんじゃないかと睨んでいる。
シルビアもマックロウさんの作った弓はかなり相性がいいらしく、戦闘しても弓が無事な事を嬉しそうに語ってくれてた。
アーティアの魔法も、どれ位の物を使えるのかも気になるし。
なので、明日にでもお互いの実力を把握するために軽くライムダール周辺の魔物を狩りに行ってみる事を提案してみたら、二人とも快く了承してくれた。
「ホーングリズリーの時は、二人に守ってもらってばっかりだったしね。ジェイドには私の弓の腕を見せてあげるんだから」
「私も前衛である貴方に合わせて魔法を使う練習をした方がいいでしょうしね。試験前に、お互いの動きを合わせるのは大事な事だと思から特に文句は無いわ」
「じゃあ、明日ギルドにパーティ申請を出してそのまま何か軽く依頼を受けてみよう」
「はーい、お話は纏まったかな? なら早く食べてくれないかな? シロシロ待ちくたびれてるみたいだし、私も早く洗い物終わらせて、とっとと寝たいんだけどー?」
真面目な話だったからか、黙ってやり取りを見守っていたカリナが、いつの間にか作ってくれていた料理を両手に持っており、それをマシロが食べたそうにじっと見てるのが目に入った。
そんな彼女達に、待たせてごめんと謝りつつ、俺も作ってもらった遅めの夕食をいただく事にしたのだった。




