40 2度目の進化
7/31 深淵の知恵の生命探知統合をやめて、ステータス閲覧のみに変更。
さて。とりあえず体が自由に動かせる位には魔力も回復したようだ。
いよいよお楽しみの進化と行こうか。
現在の俺の種族はDランクのスカルウォーカー。
なので、順当に行けば次はCランクの魔物だと思うんだが……。
魔物図鑑で前もって調べた限りでは、スケルトン系の魔物でCランクだとスケルトンナイトとかスケルトンウィザード等が有名みたいだ。
だが、これはあくまで通常のスケルトンの進化先と言われてる魔物だ。
俺の今の種族であるスカル系は、通常種であるスケルトン種とは別種である亜種扱いらしい。
スカル系は特徴として、何かしらの能力に特化している種族らしく、例えば俺のスカルウォーカーならば素早さ特化。スカルウォーリアーならば攻撃特化といった感じだな。
また、スカル系の魔物は、目撃例がかなり少ないらしく、この世界ではかなりのレア種のようなのだ。
そして、これが個人的に衝撃だったのだが、この図鑑によるとCランク以上のスカル系は現在確認されていない。
つまり、今後もしスカル系に進化したら、それはもう新種って事になるな。
そう言えば、マシロの種族であるウィング・ドラペントも図鑑には載ってなかったんだよな。
俺達の存在が知られたら魔物を研究してる学者さん達が黙って無さそうだな……。
まぁ、だからって進化しない選択肢なんて無いんだがな。
新種上等よ。
それに俺には人化の術があるんだし、マシロもギルドに俺の従魔だという事をしっかり登録している。
この世界では、他者の従魔を奪ったり意図的に傷つけたりするのは犯罪行為だ。
なので、余程のバカでもない限りは心配ないだろう。
それでももし、マシロに危害を加えるような輩がいたら……。
その時は相応の報復を覚悟してもらうとしよう。
まぁ、そういう物騒な考えは今は置いておくとして……。
先ずは気になる進化先を見てみようか。
では、ステータスオープン。
[名前] ジェイド
[種族] スカルウォーカー
[状態] 通常
[ランク] D
[Lv] 20/20 MAX
[HP] 140/140
[MP] 13/88
[攻撃] 93
[防御] 72
[魔法攻撃] 49
[魔法防御] 46
[素早さ] 106
[所持スキル]
剣術LV1 短剣術Lv3 体術Lv1 忍び足 生命探知
夜目 投擲Lv2 毒無効 ステータス閲覧
魔力探知Lv2 魔力操作Lv2 魔闘法
【条件を達成しました。進化が可能です】
【種族を進化させますか? Yes/No】
おお。こうして改めて見るとDランクながら、なかなかのステータスだったんだな俺って。
あ。よく見たら俺のMPめっちゃ減ってる。
これってたぶんアレのせいだよな。
立川が作った魔道式時限爆弾。
第5階級魔法を疑似的にとはいえ使ったんだし、これ位は減るよなやっぱり……。
しかし、凄い威力だったからなあの爆弾。
威力が凄すぎて、人がいる場所じゃ絶対使えないけど。
というか、なんつー危険物押しつけんだよあの人っ!
これ処理に困って俺に押し付けたとかじゃないよな……?
その辺は今度会った時にでも問い詰めよう。
さぁ、進化だ進化。
選択肢なんて決まってる。当然Yesだ。
さぁ、次の候補先はどんな感じだ?
【進化先の種族を選択してください】
【Cランク スケルトンキング(最終進化)】
【Bランク スカル・アヴェンジャー】
【Cランク シャドウボーン】
【Cランク ナイト・スカルリッチ】
今回の候補は4つか。多いな。
ん? スケルトンキングだけ最終進化って表示されてるな。
Cランクでの最終進化か……。
ひょっとしたら強いのかもしれないけど、俺としては、ランクはもう少し上げたいんだよな。
つか、しれっとBランクの選択肢が混ざってね?
え?
DランクからいきなりBとか飛び級進化もありえるのこの世界?
マジで?
しかも最終進化の表示も無し。更に進化可能って事だよね?
これはもう決まっちゃったんじゃないか?
ま、まぁ、即断即決は止めておこう。
一応他の選択肢も気になるしね。まず全部の説明を見て決めよう。
先ずは一番上のスケルトンキングさんからいってみるか。
どれどれ……。
【スケルトンキング】
強大な闇の魔力を操るスケルトンの王。
闇魔法と死霊魔法を操り、その能力を使うことで大量の下級アンデッドを生成、及び操る事が出来る。
過去、その力により死者の軍隊を作り出し、一つの国を滅ぼした事もある。
これまた一発目からすげーのが来たな、おい。
なんだこれ。
アンデッド大量に操って国を滅ぼしたとか、どこの魔王様だよ……。
説明見る限り魔力はかなり高そうな種族だけど、こんなん人類の敵ルート確定だろ。
しかもこれで最終進化固定とか……。
無いわ……。
まぁ、いいや。
どっちにしろ最初からこいつは、ほぼ除外する予定だったんだし。
それよりも次は大本命のBランクだ。
一体どんな魔物なんだ?
なんだがワクワクしてきたぞー。
【スカル・アヴェンジャー】
怨念と憎悪によって蘇った呪われし骸の復讐者。
生者全てを憎むかの如く、目につく者を只々殺し続ける。
また、その体からは常に強力な呪いを放ち続けており、近付く全ての生物の魂をその呪いで蝕み続ける。
自身が消滅する時には、その呪いを一気に広範囲へ解き放つとも言われている。
俺のワクワクを返せ。
スケルトンキングなんかよりも更にヤバい奴じゃねーか……。
なんだよ、この生物絶対殺すマンは……。
こんなの人類どころか生物全ての敵だわ!
しかも、常に周囲に呪いを振りまくとか、これもう歩く大災害じゃねーか!
よかった即断で進化しなくて!
取り返しのつかない事になるところだったよ。
完全にトラップじゃねーかこれ!
そもそも、Cランク以上のスカル系って新種のはずの魔物なのに、なんでこんな説明詳しく書いてるんだよ。
毎回どっから情報持ってきてんだこれは……。
まぁ、なんの説明も無しだとそれはそれで大参事確定だったから今は素直に感謝するけどさ……。
分かるはずのない情報の出所を気にしても、しょうがない。
それよりもBランクって表示されてて、内心かなり期待してたが……。
スカル・アヴェンジャーは進化してもデメリットがデカすぎる。こんな悪魔みたいな存在になるなんて冗談じゃないわ。
当然選択肢から除外だこんなもん。
ふざけやがって。
次いこう次。
【シャドウボーン】
強い闇の魔力によって変質したスケルトンの突然変異種。
闇魔法に高い適性を持ち、また、影を操る特殊な能力を備えている。
その力を使い、体を影と同化し移動する事も出来る。
その為、影の多い場所でこの魔物と戦闘すると危険度は一気に跳ね上がる。
魔力は高いが、近接での戦闘能力は若干低め。
……ほぅ。
なかなか悪くないな。
今までの選択肢に比べて凄い真面に見えるわ。
それに闇魔法が使えるってのがポイント高いね。
魔法を使う種族って事は当然MP量も多いだろうし、これなら人化の術を使いながらの生活も楽になりそうだなー。
若干、近接での戦闘力が若干低めってのが気になるのだが……影を操る能力ってのがそれ以上に気になる。
この能力って、使い方次第で欠点も十分に補えるんじゃないか?
なんか、色々可能性を感じる種族だな。
とりあえずシャドウボーンは候補として保留だ。
今までの説明の中では一番マシだからな。
最後はナイト・スカルリッチか。
名前からしてリッチ系か?
うーん。これも魔法特化とかだろうか?
どれどれ。
【ナイト・スカルリッチ】
冥王サリエルの使い魔と言われている骨の騎士。
元々はある1人の高名な騎士であったのだが、その死後に、死体をネクロマンサーが禁術を使い蘇らせたと言われている。
数多の武器を使いこなし、闇魔法も操る大変珍しいリッチの亜種。
予想以上に優良物件だった。
これもう、これでいいんじゃね?
性能的に言えば、欠点という欠点がないんだけど。
説明を見た所、武器も魔法もどっちも使えるみたいだし、そりゃ魔法特化型に比べたら魔力は低いだろうが、闇魔法を使うんだろ?
なら、今のスカルウォーカーよりも多くの魔力を持つ可能性も高い。
それに、剣術や短剣術みたな近接補正系スキルも腐る事ないだろうし、今までの戦い方が無駄になる事も無い。
そもそも、珍しいリッチの亜種なんだろ?
リッチは強力なアンデッドだし、最終進化って表示が無いんだから当然このまま次の進化もできるだろう。
ただでさえ強力と言われているリッチの進化系だ。
この先の進化でも強さは期待できるだろう。
まぁ、アヴェンジャーみたいなヤバい奴になる可能性もあるんだが……。
流石にあんなのばっかりだって事は無いと思う。……無いよな?
後、気になる記述は冥王サリエルっていう奴の使い魔って話だが……。
冥王ねー……。
まぁ、実際に会うわけでも無いだろうし使い魔って言われてるだけで、実際に俺が使いになったりはないだろう。
シャドウボーンもかなり揺れたが、やっぱ戦闘能力が低めってのが気になる。
今後はより難易度の高いダンジョンにも挑んでみようと思ってるし、他の国にだって行く予定だ。
旅先でどんな魔物と戦うかも分からないんだし、可能な限り自分の能力を高めるに越したことはない。
というわけで決まりだな。
次の進化先はナイト・スカルリッチだ!
だが、進化先を決定したその瞬間。
俺の体が突如地面に倒れ込んだ。
……え?
そして、大きな何かが俺の中に流れ込んでくるような、奇妙な感覚に襲われる。
ぐっ……なんだこれ?
抵抗しようとしても体が動かない。
視界が暗転し、暗闇に飲み込まれていく。
マシロが俺に何かを言っていたようだが、聞こえない。
俺は今どうなっている?
わからない。
暗い。
何も見えない。何も聞こえない。
俺は一体、どうなった?
スカルウォーカーの進化時はこんな事なかったはずだが……?
これってナイト・スカルリッチを選んだ事が原因か?
体は動かせないのに、意識だけは変にはっきりしている。
一体どうなってるんだ……。
俺に何が起こって……。
ザ……ザザ……。
ザザザ……。
……なんだ?
今ノイズみたいなのが一瞬……
ザザザ……ザザ……。
【対象の魂のサルベージが完了しました】
魂のサルベージ?
なんだそれ……?
【再びギフトスキルの定着を開始】
【……成功しました】
【ギフト効果によりスキル能力が変質します】
【EXスキルが派生】
【これにより、所持スキルの統合が行われます】
【冥騎士の武術に剣術及び短剣術のスキルが統合されました】
【深淵の知恵にステータス閲覧のスキルが統合されました】
【状態異常無効に毒無効のスキルが統合されました】
なんだこれは……。
意識の中に一気に情報が流れ込んでくる。
今までこんな事は無かったぞ? スキルの統合だと?
この新しいスキルはそれぞれ統合した能力を併せ持ってるって事になるのか?
というかEXスキルってそもそも何だよ?
ユニークスキルとも違うのか?
今までにない事態が連続して起こる事により、俺の中で疑問が次々と沸き起こる。
だが、そんな疑問を感じたのも一瞬。
頭に響くいつもの声が止むと、真っ暗だった俺の視界が、突然開けた。
視界に移るのは、俺を心配して顔を寄せているマシロの姿。
そして俺に必死に呼びかける念話の声。
『とーさま! とーさま! 聞こえる? 大丈夫?』
『マシロ……? 俺は……どうなったんだ?』
『わかんない……突然とーさまが倒れて、呼びかけても反応がなくって……それで……それで……』
マシロもかなり動揺してるのか、俺に呼びかける念話も泣きそうな声をしている。
ゆっくりと体に力を入れる。
特に問題なく体が動く感覚がする。
そのまま起き上がり、四肢の感覚を確かめる。
問題なく動くな……。
体の感覚を確認した俺は、そっと、マシロの頭を撫でてやる。
『大丈夫だ。心配かけてごめんな』
『とーさま……もう大丈夫? 平気?』
『ああ。少し疲れてただけだ。心配かけてごめんな?』
『うん。うん。よかった。とーさまよかった!』
撫でる俺の手にマシロは必死に頭を摺り寄せてくる。
随分心配させてしまったし好きにさせてやることにした。
甘えてくるマシロを愛でつつも、俺は自身に起きた変化を確認していく。
とりあえず進化は無事に終わったんだと思う。
だが、今回の進化は何かがおかしい。
……といりあえず、ステータスの確認してみようか。
確かスキルの統合がどうのって言ってたし、種族以外にも何か変化があるのかもしれない。
ステータスオープン。
[名前] ジェイド
[種族] ナイト・スカルリッチ
[状態] 通常
[ランク] C
[Lv] 1/35
[HP] 160/160
[MP] 130/130
[攻撃] 145
[防御] 120
[魔法攻撃] 110
[魔法防御] 100
[素早さ] 115
[所持スキル]
冥騎士の武術Lv4 体術Lv1 忍び足 生命探知
夜目 投擲Lv2 状態異常無効 深淵の知恵
魔力探知Lv3 魔力操作Lv3 闇魔法Lv1
NP自動回復Lv1 HP自動回復Lv1 魔闘法
サリエルの加護
待って? ステータス全部100超えてんだけど?
本当にCランクなのこいつ?
Lv1でこれって35になった時めちゃくちゃ強くならないこれ?
というか、うわっ。スキルもスキルでなんか凄い事になってるし……。
しかも一つ、明らかに変なの有るよね?
スキルにしれっと、冥王様の加護が付いてるんですけどっ!?
え? なにこれ、どういう効果?
てか、何でいきなり冥王様がスキルに介入してきてるの?
アレか? 勝手に冥界ファミリーの仲間入りしたせいで、冥王様は内心怒ってらっしゃる?
実はバッドステータス発生させるスキルとかじゃないよねこれ?
い、いやいや。
加護って書いてるし、きっと祝福してくれてるんだろ。
しかし加護……加護ねー……。
加護って言ってもどんな効果があるのかまるで分からないんだが。
こんな時、スキルの能力説明でもあれば助かるんだけどなー……。
【スキル能力の説明を表示しますか?】
……は?
【スキル能力の説明を表示しますか?】
大事な事なので二回言いましたってか。
いやそんな事より、え? 出来るの?
スキル能力の表示できるの? マジで?
今までそんな事、不可能だったよな?
何度も試しても出来なかったから、名前から予想してたんだし……。
なんでこうも突然……あ。もしかして、この深淵の知恵ってスキルか?
これも名前からして、大概謎スキルなんだが……。
ステータス閲覧が統合されたのを考えると、鑑定系のスキルみたいなもんだよな……多分。
じゃあやっぱり、その効果と考えたほうが無難だよな?
とりあえずこのスキルも気になるが、今はそれ以上にサリエルの加護ってのが気になる。
一体どんな効果だこれ?
加護って事は悪い事じゃないと思うんだが、なにせ冥王様だからなー。
名前からあんまり良さそうなイメージ無いんだが……。
本当にバッドステータスを常に発生させる効果があったりとかするのは嫌だぞ俺……。
とりあえず、この謎の声に、サリエルの加護の説明を頼んでみる。
【サリエルの加護】
ギフトスキル。
かつて天界より冥王へと堕とされし女神。サリエルより授かりし祝福。
自身に対する光魔法軽減。精神支配系の魔法、呪いに対して完全耐性。
全てのステータスにプラス補正付与。及びLvアップ時、全ての成長能力にプラス補正。
……は?
何このとんでもないスキル。
説明見る限り相当にチートなんだけど?
俺のステータスがオール100超えたのってこのスキルの効果かよ。
冥王様太っ腹過ぎない?
え? 本当に大丈夫?
これだけ色々盛られてると、後で見返りになんか要求でもされるんじゃないかって警戒しそうなんだけど……。
いや、もう進化しちゃってるからどうしようもないんだけどさ。
というか、俺が進化する時に異常が起きたのって、このスキルが原因だろ絶対。
だってギフトスキルがどーたらって言ってたし……。
そもそも、何で冥王サリエルは、俺なんかに加護を授けたんだ?
冥王の使い魔って言われる魔物だから介入してきた……? それとも元からそういう物なのか?
でも、こんなとんでもスキルを持ってる魔物なら、そもそもCランクに収まるとも思えないんだよな……。
うん。明らかに意図的に授けられたと考えるべきだよなやっぱ。
なんだがとんでもない厄介事に巻き込まれている気がするんだが、今更返しますともできそうにない。
諦めて加護とやらを受け取るしかないのか……。
うーん。
絶対何か裏があるよこれ……
進化先……素直にシャドウボーンにしとくべきだったかもしれない。
チートは遅れてやってくるんだよぉ!




