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スケルトンの冒険者 異世界生活記 ~人化の術で冒険者やってます~  作者: 肉巻きおにぎり
3章 スケルトンの冒険者(Dランク)
40/60

38 ルームガーダー

26日投稿予定でしたが、間に合いませんでした。

しかし最近PCの調子がおかしくて頻繁にフリーズが……。

そろそろ寿命でしょうね。まめに保存しないとまた書き直しになりそうで怖いです。

 死霊迷宮6階層。

 目標のこの場所にたどりついた俺は、一先ず人化の術を発動する。

 武器もククリとダガーから魔造剣に変更。

 剣術スキルのLvも上げたいし人化時の戦闘経験はまだまだ足りない。

 魔力の管理をしつつ、戦闘中に人化が解除されないように感覚を掴まないとな。

 そもそも俺は、どうもまだ人化した状態での戦闘ってのが苦手だ。

 このスケルトンの体に、変に慣れてるせいで今まで痛みを感じずに戦えていたのだが、人化したら痛覚が戻っちゃうらかな……。

 今までは当たらなければどうって事は無い精神で乗り切ってきたが、いつまでもそれが通用するとも思わない。

 ここら辺で色々慣れる必要もあるだろう。

 気は進まないんだけどな……。


 ああ。そう言えばモンスターハウスの戦闘で体術スキルも修得できたんだった。

 これも今後お世話になるだろうスキルだし、ちょうどいい。

 戦闘中色々と動きながら試してみるかな……。



 準備を整え6階層の探索を開始した俺達。

 現在進んでいるのは階段からまっすぐ伸びる石造りの通路だ。

 暗く先の見え辛い通路だが、俺には夜目のスキルがあり、マシロも特殊な探知方法を持っているようで問題なく移動できている。

 そして、そんな前方の暗闇から、カシャンカシャンと、何か乾いた音を発しながら、こちらに徐々に近づいてくる存在がいる。

 既に生命探知によってその存在は分かっているので、落ち着いて魔造剣を構え、前方から来るであろう魔物をマシロと共に待ち構える。


 やがて、暗闇のから姿を現したのは、3体のスケルトン系の魔物。

 骨の色は変わらずに灰のかかった白。だが通常種のスケルトンとは違い、ボロボロの皮鎧を身に着けており、またそれぞれの手には槍や剣、斧等で武装している。

 スケルトンソルジャーと呼ばれるスケルトン系の上位種だ。

 そういえば、俺の進化時にも、選択肢にあったな。

 ステータスはどんな物だろうか。

 確か、記憶にある説明だと動きはやや鈍く武器の扱いに長けてるって話だったような……。


[種族] スケルトンソルジャー

[状態]  通常

[ランク]  D

[Lv]   14/20

[HP]   85/85

[MP]   20/20

[攻撃]   45

[防御]   48

[魔法攻撃] 20

[魔法防御] 25

[素早さ]  48

[所持スキル]

剣術Lv2 夜目 連携Lv1 毒無効


[種族] スケルトンソルジャー

[状態]  通常

[ランク]  D

[Lv]   14/20

[HP]   85/85

[MP]   20/20

[攻撃]   43

[防御]   48

[魔法攻撃] 20

[魔法防御] 25

[素早さ]  44

[所持スキル]

槍術Lv2 夜目 連携Lv1 毒無効



[種族] スケルトンソルジャー

[状態]  通常

[ランク]  D

[Lv]   14/20

[HP]   85/85

[MP]   20/20

[攻撃]   48

[防御]   48

[魔法攻撃] 20

[魔法防御] 25

[素早さ]  40

[所持スキル]

斧術Lv2 夜目 連携Lv1 毒無効



 なるほどな。

 ステータスは全体的にやや低いが物理寄りのバランス型って感じだな。

 微妙に素早さと攻撃力の違いはあるが、あれは手にした武器による補正ニよる物だろう。

 連携スキル以外は武器がより強力になり、ステータスが全体的に上がったスケルトンって感じだな。

 しかし、こんな物か?

 ウォーカーとの分岐進化先だったしもう少し強いと思ったんだが……。


[名前]  ジェイド

[種族] スカルウォーカー

[状態]  通常

[ランク]  D

[Lv]   17/20

[HP]   125/125

[MP]   75/75

[攻撃]   82

[防御]   68

[魔法攻撃] 42

[魔法防御] 40

[素早さ]  96

[所持スキル] 

 剣術LV1 短剣術Lv3 体術Lv1 忍び足 生命探知 

 夜目 投擲Lv2 毒無効 ステータス閲覧

 魔力探知Lv2 魔力操作Lv2 魔闘法


 こうして見比べると、俺のステータスってスケルトン系にしては高い方なんだな。

 ソルジャーは14であれに対して、俺は17でこの能力値だし。

 

 ひょっとして、勇者のステータス成長値が高いってのと関係してるのかもな。

 なにせ俺も勇者と同じく、異なる世界から来た存在だ。

 召喚者ではなく、転生者だが。

 違いはあるが、異世界から来た俺も似たような効果が発揮されてるとしても不思議ではないか。

 後は、名前だな。

 ネームドモンスターも通常よりも能力が高くなる傾向にあるらしいし、これも重複してるのかもな。


 しかし、もしこの仮説があってるのなら、今後進化を続けるといずれは魔王や勇者に近い能力にも、いずれは到達するかもしれない事になるのだが……。


 まぁ、今は先の話よりも目の前のこいつらだな。

 さて。スケルトンソルジャー達はそれぞれの武器を構えて、まっすぐに俺を見ているが、あいつらはどうでるのか。


 そんな風に、奴等のステータスを見ながら、前方から向かってくるスケルトンソルジャー達を観察していたのだが、どうやら奴等も俺とマシロの存在に気がついたようだ。


 カタカタと骨と顎を鳴らし、何かの合図をお互いに送ると、其々が武器を構え俺達へと襲いかかってくる。

 どうやら通常のスケルトンと違い、その体は生前と変わらない位には素早く動く事が可能のようだ。

 油断していい相手ではないようだな。


 まず先頭にいた槍持ちが、間合いに入ったと同時に素早く突きを放ってくる。

 まっすぐ心臓の位置目掛けて放たせたその攻撃を、俺は身をかがめる事によって躱す。

 頭上を槍持ちが放った一撃が通り過ぎるのを感じ、素早く身を起こして槍持ちへと距離を詰める。

 だが、そこへ別のスケルトンソルジャーがその手にした剣で切りかかってきたので、俺も手にした魔造剣により受け止める。

 なかなか力もあるようで、受け止める事はできたが、そのまま弾き飛ばすことが出来なかったな。

 一瞬動きの止まった俺に止めを刺すように、斧を持った最後のスケルトンソルジャーが飛び掛かってくる。


 スケルトン系の癖に、連携もしっかり取れているな。

 まったく、やりにくい相手だ。

 流石に下級種の様に、俺が一方的に蹂躙できるような相手ではないって事か。

 このまま身動きが取れないと、俺の頭があの斧によってかち割られてしまう。

 それが分かっているのか剣持ちと槍持ちがそれぞれ俺を逃がさないように、挟み込んでくるように距離を詰める。


 だが、肝心のその斧が、俺の頭に振り下ろされる事はなかった。

 斧の刃が俺に届くよりも先に、マシロが援護で放ってくれた火球のブレスが斧持ちの体に直撃し爆発を起こす。

 ブレスを食らった斧持ちは、その威力によってバラバラになって吹き飛び、砕けた骨の破片が床を転がっていく。


 それにより、一瞬スケルトンソルジャー達の意識がマシロに向かったのを察知し、俺は切り結んでいるスケルトンへ素早く足払いをしかける事によってその体制を崩す。

 バランスを崩し倒れた剣持ちの頭蓋骨を、勢いをつけて踏み砕き、振り向き様に槍を俺に突き刺そうと迫ってきていた最後のスケルトンソルジャーの頭部を魔造剣によって切り落とす。

 頭部を失った槍持ちもそのまま倒れ、この場で動く者は俺とマシロだけとなった。


【経験値を75獲得しました】

【経験値を75獲得しました】


 2体分しか経験値がもらえてなって事は、斧持ちの経験値はマシロに入ったのかな。

 まぁ、あの援護が無ければ頭を割られてただろうから文句は無い。

 しかし、こいつら耐久力の割にはなかなか経験値が旨いな。

 俺とマシロの2人で戦えば、お互いに良い感じのレべリングができそうだな。


「ふー……。マシロ。ありがとな。助かったよ」

『どーいたしまして。こいつら少し強くなってるね』

「上位種だからな。普通のスケルトンより力も強いし連携もしっかりしてくるみたいだ。動きも速いし注意して戦わないとな」



 もはや動かなくなったスケルトンソルジャーの頭部を砕き、中にある闇属性の魔石を回収すると魔法の袋に入れる。

 頭を踏み砕いた剣持ちの魔石は残念ながら割れていて使い物にならなくなってしまっていた。

 しまったなと思いつつも、床に散らばっているスケルトンソルジャー達の武器も一緒に回収すると、次の敵を探しに向かう。


 6階層をマップと生命探知を頼りに進み、出現する魔物をマシロと協力して倒していく。

 事前に仕入れた情報によると、この6階層で主に出現するのはあのスケルトンソルジャー達だ。

 それ以外だとゾンビの上位種のグールやリビングデッド。そしてレイスの上位種のスペクターが確認されているとの事だ。


 スペクターはまだ見ていないが、リビングデッドやグールとは既に遭遇している。

 グールは純粋にゾンビの上位種って感じで特徴がなかったが、リビングデッドは少しイメージとは違った存在だった。


 だってあいつら、死体の癖に動きがめちゃくちゃ早いんだよ。

 初めて遭遇した時、リビングデッド達は死体とは思えない速度で走り寄ってきて、その強化された腕力で殴り掛かってきたのだ。

 正直あれはビビった。


 その辺の成人男性が全速力で走るよりも早かったからな。当然腕力もかなりのもので魔造剣によって受け止めたんだが、腕が痺れる位だった。

 確か、人間は全力の力を出してしまうと自分の肉体にもダメージがあるから、脳が常に力を一定値までしか出せないようにリミッターが掛かってるって話を昔聞いた事がある。

 たぶん、ゾンビ系の魔物ってそのリミッターが常に外れてるんだろうな。

 そしてリビングデッドは、その中でも特に攻撃と速度を求めて他を全て犠牲にしているんだと思う。

 現に殴った腕がその反動で変な方向に曲がったりしてたが、まったく気にする様子もなかったしな。


 攻撃力は高く、素早さもなかなかの物と、相手をする側はかなり嫌だろうが、こいつらはゾンビ系本来の持ち味である耐久力が総じて低い。

 そして当然知能も無いので、その戦い方はひたすらまっすぐ突撃するだけだ。

 

 なので、それが分かれば対処はたやすい。

 動きが早くてもまっすぐ突っ込んできてくれるので、俺の投擲やマシロの鎌鼬などで、手足をさっさと破壊すればほぼ無害になるからな。

 俺とマシロは手分けして、襲ってくるリビングデッド達の手足を優先して破壊し、地面を這いつくばるしか出来なくなった所を、順番に頭部を切り落として一体一体順番に処理して終わりだ。

 

 しかしゾンビ(イコール)動きが遅いって認識は止めた方がいいかもな。

 リビングデッドの進化系もたぶんこんな感じで素早いだろうし、スケルトン系統も戦術的な動きをしてくるから多少は知恵がある可能性もある。

 元の世界でもメジャーな魔物でも、実際に戦闘してみると思わなぬ行動をとってくる可能性を常に警戒した方がいいな。


 さて。そんな感じで危なげなくマシロと2人でこの6階層を回りつつ、度々休息を挟みつつも経験値を稼ぐこと既に数時間。

 やはり上位種は修得経験値が多いため、レべリング効率が上層に比べて高い。

 お蔭で、現在の俺のLvは19まで上がった。

 恐らくあと数匹の魔物を倒せれば感覚的にそろそろ目標の20に到達する気がする。


 ここまでの戦闘で体術スキルと剣術により戦い方にもだいぶ慣れてきた。

 体術スキルによって蹴りや拳のダメージも上がっているがそれ以上に、とっとに攻撃を放つときにイメージ通りに体が動いてくれるのが嬉しい。

 考えた時には既に体がその動きを実行している感覚だ。

 なので、例えば昔見たアクション映画のワンシーンみたいな動きも今の俺なら可能だろう。

 まぁ、流石に関節の動きを超えるなんて事は出来ないけど。

 この辺の魔物ならもう余裕かななんて思ってたんだけど。



 流石にこんな奴が出てくるのは予想外だったわ……。

 


 今俺が対峙してるのは、通常のスケルトンの3倍以上はありそうな巨体の魔物。

 マップを頼りに、階段から伸びる通路を進み続けて数時間。

 この先に少し大きめの部屋があるのを確認して、休憩場所にちょうどいいかなっと思いやって来たのだが……。

 その大部屋の中に入った瞬間、突如扉が勢いよく閉まり、この巨大なスケルトンがいきなり現れたのだ。

 見上げる程大きなその巨体。

 その手には、無骨な作りで先端に鉄球の様な物がついてるメイスが握られている。

 カタカタと顎を打ち鳴らし、俺とマシロにその暗い眼窩を向けている。

 とりあえずステータスを確認してみよう。 



[種族] スカルウォーリアー

[状態]  通常

[ランク]  D

[Lv]   20/20 MAX

[HP]   165/165

[MP]   50/50

[攻撃]   160

[防御]   85

[魔法攻撃] 16

[魔法防御] 30

[素早さ]  33

[所持スキル]

 棍術Lv3 夜目 状態異常無効 剛力Lv3

 肉体再生Lv3


 おおう……。Lv20ですか。

 これむしろ進化する前に出会えて幸運だったか?

 こんなのが進化されて更に強くなったら厳しいぞ。


 しかし、こいつ攻撃力とHPがぶっちぎりで高いな。

 こんな奴の攻撃まともに受けたら俺もタダじゃすまないだろうしな……。

 

 正直、出来れば逃げたいんだが。

 体力も高くてこいつの相手をするのは骨が折れそうだし……。

 いや、ギャグじゃなくってね?

 素早さは大したことが無いんだし、全力で扉までいけば逃げ出せるかな……?

 

 なんて思ってたんだが。

 残念ながら閉ざされた扉は、押しても引いてもびくともせずに、俺達はこの部屋から出る事が出来なかった。

 恐らくこいつを倒さなと開かないんだろうな。


 そこで俺は一つの可能性を思い当たった。

 多分、このスカルウォーリアーって奴はルームガーダーって呼ばれる存在だろうと。


 ルームガーダーとは、ダンジョン内部にランダムで配置される事がある強力な魔物の総称だ。

 ルームガーダーは配置された部屋の中から出る事はないが、自身が担当する部屋に侵入者が入ってきた場合、即座に扉を閉めて侵入者と強制的に対峙させられ、侵入者はルームガーダーを倒さなければ部屋の外に出られない。

 

 要するに、ダンジョンにランダムに配置された中ボスがいて強制バトルさせられるみたいな代物だ。

 それだけ聞くと酷いものなのだが、何も悪い事ばかりではない。

 このルームガーダーに挑むメリットは、倒せた場合の修得経験値が多い事と宝箱の出現率が高い事が魅力的なんだとか。

 ただ毎回出現する場所と魔物がランダムであり、なおかつ出現率自体も少ないので、いざ意識して探し出すとなかなか見つけられない物らしいんだがな。


 一応、俺もそれとなく警戒して、この部屋に入るまでしっかり生命探知を発動して内部を探っていたんだが……。

 それでもこいつの存在は引っかからなかった。

 恐らく、出現するまではコアである魔石も活動してないから生命探知では探れないのだろう。

 そして俺は、この部屋に魔物がいないと思って間抜けにも足を踏み入れてしまったわけだ……。


 改めて、部屋の中央に出現したスカルウォーリアーの方を見る。

 とにかくデカい。

 こんな馬鹿でかい骨って巨人の物なのかなー……。

 なんて感想を思いながら観察していると、スカルウォーリアーの方もどうやら俺達を獲物と認識したらしく、手にしたメイスを地面に引きずりながらその巨体をゆらして動き出す。

 ガリガリと石の床をメイスの先端が削り落とす嫌な音と、骨だけとは思えない程重い足音を響かせて、スカルウォーリアーの巨体がゆっくりと近づいてくる。


「あー。はいはい。動くよなやっぱ……。しかもこれは逃げられない。面倒だが戦うしかないか」

『とーさま。なんかこいつ……強そうだね』

「だろうなー……。見た限り動きは鈍いけど、攻撃力も高いし体力も多い。嫌な相手だ。多分長期戦になりそうだし、マシロは接近戦ではなく上空からのブレスと鎌鼬で援護を頼むよ。あの巨体の一撃を受けるとお前じゃ危険だ。回避重点で動いて隙を見つけて援護してくれたらそれでいい」

『うん。わかった。とーさまも気をつけてね?』

「おう。あと、人化を解除するから念話は常に繋ぎっぱなしで頼むぞ」


 マシロに一通り伝える事を伝えた俺は、魔法の袋からマナポーションを1つ取り出して中身を一気に飲み干すと、そのまま人化の術を解除。

 そして魔造剣を両手で握りしめ魔力を流す。

 魔造剣の刃が、その魔力によって淡い蒼の輝きを発したのを確認すると、刀身をスカルウォーカーへと向けて構える。


 あれだけ巨体の相手じゃ、エンチャントを使わないとククリとダガーでの一撃じゃ真面にダメージを与えるのが厳しそうだ。

 だが、エンチャントを使うと、反動で俺の動きが極端に悪くなってしまう。

 そんな状態で、避け損なってあのメイスの直撃でも食らえば、その時点で即死って事も考えられる。

 なので、ここは強化された魔造剣で対処するのが最良だろうな。


 さて、望まぬ中ボス戦ではあるが、こいつを倒せれば恐らく俺のLvも上がるだろう。 

 スカルウォーカーとスカルウォーリアー。

 どちらが強いかはっきりさせようじゃないか!

最近ポイントとアクセス数がじわじわと伸びており作者がかなり驚いております。

読んでくれている皆様はもちろんの事、ブクマや評価をしてくれている皆様にも最大限の感謝を。

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