37 新人冒険者と死者の群れ
◇◇◇の部分から視点が変わります。
◇◇◇
死霊迷宮。
ライムダールの冒険者達はDランクに上がると、このダンジョンに挑戦する者が多い。
理由は出現する魔物が比較的弱く、パーティを組んでの戦闘やダンジョンの歩き方を、強くなりつつ学べるからだ。
ライムダールでは、このダンジョンの6階層まで無事に到達し、そこに出現する上位種の素材を持って帰る事が新人卒業の証とされている。
数多の新人冒険者達はお互いに切磋琢磨しつつ6階層を目指して日々努力しているのだ。
当然、俺達もこの死霊迷宮の6階層を目指して、死霊迷宮に挑戦してしている。
俺とルウの二人は、孤児であるにもかかわらず才能があったようで、生まれつき剣術と光魔法のスキルを持っていた。
戦う為のスキルを持った俺達は、成人である15歳を迎えると、孤児院を出て直ぐにギルドで冒険者登録をした。
冒険者は危険な事であり、ギルドに実力を認めれる必要があるが、その分日雇いの仕事に比べ収入が多い。
幸い俺達は戦う為のスキルがあったので、試験である薬草採取とゴブリンの討伐依頼をすぐに終わらせて、ギルドに正式に冒険者として認めて貰える事はできた。
これで、育ててくれた孤児院に恩返しが出来ると俺とルウは喜んだものだ。
まぁ、正式に冒険者となったと言っても、ランクもDになって半年位。
まだお互いのレベルも8と低い。
当然、まだまだ新人であり、収入の多い討伐依頼を受けようとしても、もう少し経験を積んだ方がいいと、いつもギルドの受付のお姉さん達に言われて、Dランクの討伐系依頼を受けられないでいた。
そんな状況に、どうしようかと掲示板前でルウと相談している時だ。
ある親切な先輩冒険者が、この死霊迷宮について教えてくれたのだ。
俺達はその先輩冒険者の助言に従い、日々Eランクの依頼をこなしながら、この死霊迷宮で修行をして腕を磨く事を決めた。
Dランクになったあの日から、半年間毎日この迷宮に潜り続け、少しずつ到達できる階層を更新していった。
そして、ついに今日、この5階層に到達できたのだ。
俺はもうすぐ目標の6階層に到達できると思って舞い上がってしまっていた。
ルウは階層の更新が出来たのだから、今日は引き返そうと言ってきたが、俺としてはまだ余裕があったし目標にもうすぐ手が届きそうだと思い、どこか冷静ではなくなっていたんだと思う。
このまま6階層まで進めば新人冒険者を卒業出来る。
そうしたら、討伐依頼だって受けられるようになるし、もっと稼げるようになる。
きっと孤児院の皆も喜んでくれる。
そんな思いに突き動かされるように、俺はルウを説得して結局はこのまま6階層を目指すことに決めた。
今思えば、この時にルウの言う事を聞いて引き返せば良かったのだ。
ダンジョンでは時に予想外の出来事が起こる可能性が、常に存在している。
なので、快調に進めていても、絶対に油断してはならない。
そう毎日ギルド職員達に言われてたのに……。
そして、5階層の終わりとも思える大部屋。
その中を進んでいる時、それは唐突に起こった。
突如、何もなかった空間から次々と大量のアンデッドが湧き出してきたのだ。
――モンスターハウス。
その存在を知ってはいたが、自分たちがそれに遭遇するなんてのは思ってもみなかった。
そして、この現象の正体に気づいた時には、既に湧き出た無数のアンデッド達に周囲を取り囲まれていた。
確認できるだけでも20匹以上のゾンビとスケルトンの群れ。まだまだ湧き出しているようで、現在もその数は増え続けている。
これが数匹程度なら、俺とルウで倒せるだろうが、この数はとてもじゃないが切り抜けられないだろう。
周囲を囲まれているので逃走も難しい。
俺は必死に震える指先に力を籠め、手にした剣を握り直す。
恐怖に震える歯を無理矢理食いしばり、ルウを後ろでに庇い、迫り来るアンデッド達に剣先を向ける。
ルウを後ろに庇いながら、必死に手にしたショートソードで前方のゾンビに切りつける。
だが、こいつらは痛みを感じていないのか、まったく怯む様子が無い。
やはり物理でこの数のアンデッドを相手にするのは厳しい。
アンデッドの群れを相手するならば、魔法が一番効果的なのだ。
だが、ルウの魔力ではこんな数を処理できない。
なんとか急所である頭や首を狙って攻撃する事でアンデッド達を倒すしかない。
「光の矢。くっ……キリがない……」
ルウも光魔法で後ろから迫るスケルトンを打ち倒してくれているが、その数はどんどん増え続けて、倒しても倒しても終わりが見えない。
「マーク! ごめんなさい………私、もう魔力が……! せめて貴方だけでも逃げて!」
10数匹のスケルトンやゾンビを倒してくれたが、ルウの魔力が底をついてしまったようだ。
ルウは泣きながら俺だけでも逃げろと言ってくるが、そんな事出来るわけがないだろ。
今までずっと一緒に過ごしていたお前を見捨ててまで、生き残ろうなんて俺に出来るわけがないんだ。
それに、ルウにそんな顔をさせたって知られたら、孤児院の皆に怒らちまうだろうが……。
「はっ! 馬鹿言えっ! これくらい俺一人で十分だよ! それに孤児院の皆が待ってるんだ! 絶対に死ぬわけにはいかない! 生きて、二人で帰るんだよ!」
空元気で笑ってみせるが、このままだと全滅なのは、馬鹿な俺にだって理解している。
せめて、ルウだけでもここから逃がさなければ。
彼女は、俺達の孤児院でも貴重な光魔法のスキルを持った子だ。
俺がいなくても、きっとパーティを組んでくれる相手は見つかるはずだ。
それならルウさえ生き残れれば、孤児院への仕送りは続けられるだろう。
何より、俺は彼女を死なせたくないんだ。
それに元はと言えば、俺がルウの忠告を聞かず、無理して先を急いだからこそ、こんな事になったんだしな。
なら、ここは俺が責任を取るべきだよな。
「ぁ゛ぁ゛ぁ゛……うぁ゛ぁ゛ぁ……」
気味の悪いうめき声をあげて、無数のゾンビ達が両手を伸ばしながら包囲を縮めてくる。
圧倒的な数で俺達を飲み込もうとするその姿は、さながら濁流の様だ。
「来いよ糞野郎共がっ!」
俺に掴みかかってくるゾンビを、その鳩尾を蹴り上げて吹き飛ばしてやる。
だが、その足を他のゾンビに掴まれてしまった。
「やばっ!」
咄嗟にショートソードを思いっ切り叩きつけて、その腕を切断するもゾンビはかまわず俺達に向かってくる。
「マーク、もういいから! 私を置いて逃げて! 貴方の足なら逃げ切れるはずなの! このままじゃ二人とも死んじゃう!」
絶望的な状況で、ルウが悲痛な声を上げているがそれは出来ないんだ。
むしろ、ルウだけを何としても逃がすように説得しないと……。
もう長くは持ちそうにない。
アンデッドの数が多すぎて処理できないんだ。
「ダメだ! お前こそ、俺を置いて早く逃げるんだよ! お前も足、けっこう速かっただろ!」
「そ、そんな事できないよ! マークっ!」
「いいから、逃げろ! 俺はお前を死なせたくなんかないんだ!」
「そんなの、私だって同じだよっ!……あっ! マーク! 前っ!」
ルウと話すのに一瞬気が向いてしまったのか、右側から伸ばされたゾンビの腕に、肩をがっしりと掴まれてしまった。
こうなってしまうと、力は魔物であるゾンビの方が上だ。俺ではこの腕を振り払う事が出来ない。
更に掴まれてもがく俺へと、ゾンビがその肉を食おうと、腐臭漂うその口を開けてどんどん近付いてくる。
「あ゛ぁ゛ぁ゛ッ!」
必死に逃れようと抵抗していたが、更に数対のゾンビが俺の体を掴まれ、俺はとうとう身動きが取れなくなってしまった。
ああ……これは助からないな。
目前に迫った濃厚な死に対して、俺はどこか客観的にそれを悟った。
そして、同時にルウを守る事が出来そうにもない事を悟る。
「マーク! だめーっ!」
ルウが俺を助け出そうと、手を伸ばし、その腕を別のゾンビに掴まれるのを見てしまったからだ。
このまま俺達はこいつらに食われてお終いか……。
ほんと、バカやらかしちまったな。
ごめんなルウ……。
「あ゛ぁ゛ぁ゛……え゛ぁ゛…?」
全てを諦めかけたその時、目前に迫っていたゾンビが突然奇妙な声を上げて、その頭がずるりと地面へと崩れ落ちた。
「……え?」
一瞬何が起こったのか理解できない俺の前に、黒い何かが、赤い光を空中に残しながら周囲のゾンビの達を次々に吹き飛ばしていく。
「あれ……は……なんだ?」
それは一匹の魔物だった。
そいつは物凄い速さで動き、ゾンビや他のスケルトンを次々と吹き飛ばしている。
「あれ、スケルトン……だよね? でも、今まで戦ってきたのとは少し違う?」
そう。その魔物は驚くことにスケルトンだ。
そかし、その姿は、一般的に見る白いスケルトンではない。
全身が黒に近い灰色をし、その眼窩からは何やら赤い輝きを覗かせている。
装備は黒いローブを身に着けており、両手にはそれぞれ特徴的な短剣。
明らかに通常種とは違うソイツは、まさに異様な姿をしているとしか表現できなかった。
更に驚愕したのはその強さだ。
普通スケルトンやゾンビのような下級アンデッドは、動きが鈍く落ち着いて対処すれば俺達新人冒険者達でも十分対処できるような魔物なのだ。
数にさえ気をつければ、正直大したことはない。
だが、このスケルトンは明らかに他と違う。
目で追うのがやっとのスピードで動き回り、その手にした短剣を使い、俺達が苦戦していたアンデッドの群れを、次々と屠っていく。
すれ違いざまに首を飛ばされたゾンビが地に倒れ、蹴り飛ばされたスケルトンが壁に当たり砕け散る。
明らかにこいつは俺達よりも強いのが分かった。
「す、すごい……」
思わず見とれる程に、そのスケルトンの強さは圧倒的で、俺もルウも暫し呆然とその姿を見つめる事しかできなかった。
「なんなんだあれは……。どうしてアンデッド同士で戦ってるんだ?」
「そ、それよりマーク! 今のうちに逃げよっ!」
ルウが一先ず先に正気に戻ったのか、俺の手を掴む。
「そ、そうだな! なんだか分からないが、今がチャンスだ。あいつが他のアンデッド達を倒してる間に俺達は逃げるぞ! 走れるよなルウ!」
「うん! 大丈夫っ!」
「よし、じゃあ行くぞ!」
確かに、このままじっとしてるのは拙い。
いつあのスケルトンが俺達に襲い掛かってくるのか分からないのだから。
俺は、震えるルウの手をしっかりと握り、部屋の入口の方へと全速力で駆けだした。
時々背後を振り返り、あの異常なスケルトンが追ってきてない確認するが、追ってきてはいないようだ。
あのスケルトンは一体なんだったんだ?
もしかしてアレがリッチって奴なのかもしれない。
もし無事にダンジョンから脱出できたのなら、ギルドで聞いてみよう。
◇◇◇
良かった。
あの二人組はちゃんと無事逃げ出せたようだな。
生命探知を使い、助け出した二人組の様子を探っていたが、無事に範囲外に出たようだし、後は二人だけでもなんとかなるはずだ。
道中の魔物も、俺達がここに来るまでにあらかた殲滅してきているしな。
しかし、このモンスターハウスって思ったよりも出現する魔物の数が多いんだな。
もうかなりの数を倒してると思うんだが、まだその数が尽きる気配が無い。
なんとも殺意が高いトラップだな。
そういえば、あの二人を助ける時に、スカルウォーカーの姿を見られてしまったんだが。
まぁ、スカルウォーカーの正体が俺だと分からないように、途中で予備のローブに着替えてるし、武器も変えてマシロの姿も見えないようにしている。
多分、これならスケルトン系の魔物って事位しか分からなかったと思うし、もしギルドに話が伝わっても、死霊迷宮内に出現したレア種……位の話題で落ち着くだろうと思っているがどうだろうな……。
今は考えていても仕方ないな。
それよりもこの大量のアンデッドの処理だ。
あの二人もここからいなくなった事だし、もう好きにやっても大丈夫だろう。
『よしマシロ。待たせたな。もう出てきていいぞ』
『出番?』
『ああ。出番だ。思ったより数が多い。倒しても倒してもどんどん湧いてくるからな。二人で一気に片付けるぞ!』
『うん。任せてとーさま!』
次々に湧いてくるゾンビとスケルトンの群れだが、こいつら一匹一匹のステータスは大した事は無い。
俺だけでも、これだけ無双できる状態で更にマシロまで参戦するのだ。
当然敗北はありえない。
上空から飛来したマシロが、刃鱗強化された尻尾を振るい、ゾンビの首を切断し、口からはブレスを数発放ってスケルトンをまとめて吹き飛ばす。
俺も負けじと両手に構えた短剣で迫りくるゾンビとスケルトンの頭部を胴体から切り離し、魔力を込めた蹴りと拳叩き込む。
【経験値を12獲得しました】
【経験値を18獲得しました】
止めを差せているかは、経験値修得のアナウンスに頼り、攻撃をしては次へ次へ動き回る。
前方から切りかかってきたスケルトンを避け、すれ違いざまにその頭を掴むと強引に引き千切る。
引き千切った頭蓋骨を投擲の要領で近くのゾンビの頭に投げつけると、両者共にはじけ飛んだ。
【経験値を15獲得しました】
【経験値を14獲得しました】
右に左に走り抜け、すれ違いざまに首を落とし、頭を砕き、アンデッド達を減らしていく。
偶に、スケルトンの振るう剣が俺に当たったりするが、そもそも奴らの剣では俺の骨を切断するほどの力はない。
ゾンビの攻撃も毒爪は聞かず、遅すぎて噛みつきも当たらない。掴みかかってきても逆に投げ飛ばしたり、引き寄せて殴りつけるので問題なし。
うん。やっぱりランク差とステータスの壁はそうそう埋まらないようだな。
これがもう少し知恵のある魔物の群れだったらこうも行かないと思うが、相手は知能なんて欠片も感じさせないアンデッドだ。
数だけは多いし、一撃で倒せる相手なので、どんどん経験値になってもらおう。
【経験値を12獲得しました】
【経験値を19獲得しました】
【経験値を20獲得しました】
【経験値を11獲得しました】
アンデッド達を倒す度、頭の中に響き渡る経験値修得のアナウンスの声。
しかし、こうも連打されるとうるせぇな……。
マシロのブレスが、俺の拳と蹴りが、次々にゾンビやスケルトンを吹き飛ばし、砕き、その活動を止めていく。
【経験値を12獲得しました】
【経験値を12獲得しました】
【経験値を19獲得しました】
【獲得経験値が一定値に達しました。Lvが17に上りました】
【条件を達成しました】
【体術Lv1を獲得しました】
おっ!
やっと念願の体術強化のスキル修得かっ!
多分修得条件が一定数の魔物を体術によって討伐……とかだったんだろうな。
しかもLvも上がった。
うん。塵も積もればってやつだな!
あれだけ数がいたアンデッド達も、かなり減ってきた。
流石にそろそろ出現数の上限のようだな。
『マシロ。あと少しだ頑張れよ』
『うん。わかった』
数が徐々に減っていくアンデッドの群れを、俺とマシロはただひたすらに蹂躙する。
そのまま俺達の勢いは止まらず、最後の一匹になるまで、俺とマシロはアンデッドの群れを葬り続けた。
――終わった……か。
数にして100以上はいたようだ。
出現したのが低ランクのゾンビとスケルトンだけだったとはいえ、この数に囲まれたら普通の人間は間違いなく命を落としていただろう。
ダンジョンは収穫も大きいが、今回のような危険なトラップや不測の事態により一気に命を落とす事もある。
当然だな。
そもそもダンジョンとは、ダンジョンマスターと呼ばれる強大な魔物が、自分の領域を守るため防衛装置として魔物を召喚している場所なのだから。
冒険者達は、その仕組みを利用して、利益をる為に、その領域へと踏み込んでいるのだ。
その行為が、危険以外の何物でもあるはずがない。
『ふー。お疲れマシロ。よくやってくれた』
『うん。少し疲れた』
『流石に数が多かったからな。俺も結構魔力使っちまったし下の階層に降りる前に、階段前で休憩してくか』
『そうしたい。それにこの部屋……酷い臭がするから早く出たい』
マシロにそう言われて部屋の内部を見渡してみると、辺りには臓物を撒き散らして動かなくなっている大量のゾンビに砕け散ったスケルトン達の残骸が所狭しと散らばっていた。
確かにこれでは、鼻の利くマシロには辛いだろう。
さっさとこの部屋を抜けて、階段まで移動するか。
そう思い視線を出口へと向けた時、ふと、ある物が俺の視界に入った。
お? あれってまさか……
俺は、急ぎ確認の為にその場所へと向かう。
やっぱり……宝箱だ。
モンスターハウスを突破した報酬かな。
そこにあったのは、鉄で作られた宝箱が一つ。
強力なモンスターを倒したり、今回のようなモンスターハウスを突破した時等に、確率で出現する事がある物だ。
当然、その出現する確率は低く、中身も多種多様だ。
中には罠を仕掛けてある物や、宝箱に擬態する擬態魔箱と呼ばれる魔物の可能性もあるので、出現したからと喜び、確認もせずに開けるのは危険だが……。
しかし、まさかこんなに早く宝箱を引き当てれるとはな……。
どうやら今日の俺は、運がいいようだな。
問題は罠の有無なんだが……。
残念なことに、俺に鑑定系のスキルは無い。
なので、この宝箱が安全かどうかがわからないのだ。
とりあえず、生命探知をつかってみたので、少なくとも擬態魔箱ではない事だけは分かる。
放置するのは……流石に勿体ないか。
とりあえず開けてみよう。
なに、この体だ。
大抵の罠なら食らっても死ぬことはないだろう。
念の為マシロには離れた場所で待機してもらい、俺は恐る恐る宝箱の蓋を開けてみた。
かちゃり。
留め金を外し蓋をあけると、特に罠などが発動した気配はない。
どうやら罠は仕掛けられてなかったようだな。
ほっとして改めて中身を確認すると、銀の指輪が1つ入っていた。
中身を取り出すと、その宝箱は光の粒子となって消えてしまった。
なんとも不可思議な現象だが、宝箱が現れたり消えたりする仕組みは未だに解明されてないらしく、俺も深く考えずにそういう物なんだと割り切る事にした。
ファンタジー世界で一々突っ込んでてもキリが無いだろうしな……。
しかし、この指輪。
僅かだが、魔力を感じる。
もしや、何かの魔道具かな?
つけて確認してみたい気もするが、中には変な呪いの品なんかもあるらしいので、少し危険か。
ただ、こうして宝箱から出たアイテムはギルドに持ち込むことで専門の職員が鑑定をしてくれるらしい。
この指輪の効果はライムダールへ帰ってから鑑定依頼をする事で確かめる事に決め、魔法の袋の中へと仕舞う。
さて。思わぬハプニングに遭遇してしまったが、目的の6階層への階段はこの先だ。
目標であるレベルMAXまではあと3つ。
この先の階層からは、上位種が混ざるらしいし今までの様に無双状態でのレべリングは出来ないだろう。
6階層前への階段前まで来ると、腰を下ろして軽い小休止を挟み、俺は気を引き締めると、マシロと共に階段を下り出した。
少し捕捉をいれておくと、ジェイドが討伐依頼をすんなり受けれたのは、ルミナに渡した立川夫婦の紹介状に、ジェイドの実力が既に一定以上あると記されていた為です。
Dランクの討伐依頼はギルドカードに記されている自身のLvが11以上、もしくは一定以上の強さがあるとギルド関係者から証明される事が条件であり、それが叶わない冒険者達は討伐依頼を受けたければ死霊迷宮でのレベリングを勧められているのてす。




