27 ポイズンクロウラー
7/12 加筆修正しました。
8/5 ポイズンクロウラー出現の流れを少し変更しました。
マシロと共にこのオキシア湿原を進み始めて数時間。
俺とマシロは、この場所に生息している魔物とも十分戦えるらしく、道中襲ってくる魔物達を処理しながら進んでいた。
現在もマシロが3匹のポイズンスライムを豪快にブレスで焼き払っい、更にポイズン・トードの隙を突いてその腹を食い千切ったりして仕留めている。
この湿原は冒険者がほぼ来ない事により、魔物の数が非常に多い。
おかげで戦い続けているマシロのLvも今では12だ。
これなら油断しなければこの辺の魔物にもそう負ける事は無いだろう。
そんなマシロの様子をちらりと確認しつつ、俺も目前に迫ってきた槍の矛先を首を傾ける事により回避する。
俺も現在戦闘真っ最中。
相手をしてるのは2匹の魔物。
どちらも蜥蜴のような顔をしており、人間の様に2本の足で立ち、全身鱗に覆われた魔物。
リザードマンだ。
このオキシア湿原では珍しい毒を持っていない魔物だが、彼らの鱗と皮膚は強い耐毒性能があるようで、どうやらこの環境でも問題なく生きていけるようだ。
奴等のその手には魔物の骨を加工して作ったのであろう銛のような形状の槍を握っており、現在もそれを俺に突き立て続けている。
2匹のリザードマンは、所持スキルに槍術を持ってるようで、その攻撃は鋭く速い。
だが、対処できないレベルではない。
迫りくる矛先を躱し、両手に装備したダガーとククリで時に弾き、その隙にカウンターの要領で攻撃を当てていく。
だがリザードマンの鱗は固く、決定的なダメージは与えられない。
まるで岩に打ち付けたような手応えと音を響かせ、俺の振るう刃はその鱗に弾かれる。
また弾かれたか……。
先程から何度も反撃として刃を当てているのだが、奴らの鱗は傷一つ無い。
かなりの強度だな。
だが、魔戦法を使ってスピードを上げている俺に、奴等の攻撃は当たる気配がない。
しかし俺の攻撃も奴らに通用していない。
完全に停滞してしまってる。
どうにかMP消費を抑えて倒せないかと、エンチャントを使わずに戦っていたが、今の俺の実力だと、この辺が限界だろう。
ポイズン・トード等の比較的肉質が柔らかい魔物なら、この戦法でも十分戦えるのだが、リザードマンのような相手では、流石に無理があるか。
節約はしたかったが、虎の子であるエンチャントを使うしかないかな。
しかし、使うとしたら雷と風のどちらを使うかだ。
あの鱗が、バジリスクの鱗の様に、雷を内部へ通さない可能性もあるな。
ならば、ここは岩すらも切れる威力の、風刃付与の方で、挑んでみるか。
リザードマン達は、俺の攻撃では、自身にダメージを与えられないと思ってか、回避するそぶりも見せずに、ひたすら攻撃にのみ集中してくれている。
流れを変えるならば、今だろうな。
俺はリザードマン達の振るう槍を躱して、接近しながら風刃のククリへと魔力を通す。
そのまま前方のリザードマンへ接近し、その腕目掛け、ククリの刃を振り下ろす。
エンチャントの発現によって風の刃を纏ったククリは、今までまったく傷つける事が出来なかったリザードマンの鱗をまるで紙の様に切り裂いていく。
そのままククリを振り切ると、リザードマンの手が槍を掴んだまま宙を舞い、血飛沫が辺りの地面を染め上げた。
「ギィア”ァ”ッ!!?」
傷口から緑の血液を撒き散らし、腕を切断されたリザードマンが絶叫する。
やはりこっちならば問題なくダメージが通る。
魔力ももったいないし、このまま一気に決めさせてもらうか。
もう一匹のリザードマンは突然威力が上がった俺の攻撃に驚愕の表情を浮かべ、慌てて距離を開けようとするも俺は逃がさない。
一息でそのまま間合いまで飛び、袈裟切りの要領で斜めに切り付ける。
咄嗟に槍を横にして刃を受け止めようとしたが、その槍ごと風刃のククリはリザードマンを断ち切った。
【経験値を75獲得しました】
腕を切り飛ばされ未だに悶絶してるもう一体も、そのまま飛ぶように反転して、すれ違いざまに首を撥ね飛ばし止めを刺す。
【経験値を70獲得しました】
終わったか……。
よしよしLvも上がったようだな。
しかしまだ俺自身の能力が低いせいで、どうしてもエンチャントに頼りきってしまうな。
はぁー。
魔力増強系のスキルとか欲しいぜ……。
マシロは俺の戦闘が終わるのを確認するとゆっくり近づいて一声鳴く。
ここに来るまでの戦闘で俺も魔力をかなり消費してしまった。
生命探知で付近に魔物の反応が無いのを確認する。
マシロも腹が減ってるようだし、ここらで少し休憩してもいいだろう。
近くにあった木の根元に腰を下ろし、変幻の指輪をつけて人化の術を発動。
貴重な魔力を更に持ってかれてしまったが、この状態で食事をして補給したほうが結果としては魔力の回復が早いので仕方ない。
「マシロもお疲れさん。昼飯にするからお前も少し休め」
「シャアー」
魔法の袋から、ライムダールを出発する前に買ってきた串焼き肉を数本と小さな木の皿を取り出し、それらの串を全て外すと小皿に入れてマシロに与える。
まってましたとマシロは一心不乱に食らいつく。
俺は食事の前にマナポーションを1つ飲み干し、顔をしかめる。
相変わらず強烈な味だ……。
口直しに串焼き肉を俺も1本取り出して口に咥えると、ゆっくりと味わって咀嚼する。
あー……。
旨いんだが、魔力を使いすぎた体の疲労感が凄いから、何か甘い物が食いてぇ。
この世界でもケーキや焼き菓子等は存在しているのだか、一つ難点があるとすると値段が凄く高い。
ケーキ1つ買うと平気で金貨1枚とかする。
とんでも無い値段だ。
世間的には、こういった甘味は貴族や王族の嗜好品らしい。
何故こんなに値段が高いんだと思ったが、理由を聞くとどうやら砂糖がこの世界ではかなり貴重な物だからとの事。
砂糖の材料であるサトウキビを大量に栽培してるのは、現在東にあるレプトラン王国という国だけであり、各国は砂糖の入手をその国からの輸入に頼っている。
じゃあ単純にもっと他でも栽培して増やせよとも思ったが、どうやらこの世界のサトウキビは、魔素をかなり溜め込む性質があるらしく、魔物からしてもこのサトウキビは御馳走となる物らしい。
つまり、これを育てている場所には、サトウキビを狙って野生の魔物が頻繁に現れるのだという。
そのため、いざ育てるとなると定期的に寄ってくる魔物を撃退するために護衛の人間が必要となり、人を雇う以上当然コストは嵩んでいく。
結果、かなりの数を収穫しないと元が取れず、かなりの資金を用意しなければいけない。
だから、その辺の農村では育てる事が出来ずに、結果輸入品のみで一般人は手が出せない高級食材ということになってしまっているのだ。
「ああ。甘味。甘味が食べたい……。ケーキとかシュークリームとか懐かしいぜ畜生……」
日本に住んでた時はコンビニに寄ればワンコインで食べれてたものがこっちだとその何百倍も払わなければ口にする事が出来ない。
当然今の俺の持ち合わせにそんな余裕なんかない。
なので結局はこれで我慢だ。
俺は果物。
リンゴを1つ取り出して齧る。
甘酸っぱい香りが口内に広がり大変美味しい。
美味しいのだが……。
やっぱもうちょっと甘いの食いたいんだよなぁ……。
はぁ……。
無い物ねだりをしても仕方ないので、結局はリンゴ一つをしっかり食べ終えて、そのまま腰を上げる。
休憩終了。
食事とマナポーションにより魔力の補給もある程度出来た。
先へ進む前に、忘れずにさっきのリザードマン2体と、マシロが仕留めたポイズン・トードやポイズンスライムの核も回収して進みだす。
その後も特に強敵と呼べる相手も出ず、俺とマシロはレべリングしながらオキシア湿原を進み続けた。
もうだいぶ進んできたと思うんだが、未だにポイズンクロウラーを見ないな。
この辺にもいないとなるともっと奥だろうか?
回復した魔力も大分使ってしまってるので、現在は節約のため生命探知を使わずに、マシロが周囲を警戒しながら進んでいる。
そろそろマシロも疲れてるだろうし、また休憩でもしようかな……。
「……シァッ!」
すると突然マシロが鋭く一声鳴くと、まるで何かを警戒するように周囲を見渡している。
俺もそんなマシロの様子に何かを感じて、武器を構え生命探知を発動し気配を探る。
すると、前方より、徐々に接近してくる魔物の反応が1つ。
マシロと共に油断なく接近してくる魔物に備える。
すると突然、近くの地面へ白い糸のような物が飛んでへばりつく。
な、なんだ?
一瞬何が起こったのか分からなかったのだが、その糸を辿るように、高速で飛来してくる影が一つ。
はっ!?
急ぎその場よりマシロと共に飛び退くと、今まで俺達が居た場所にその影が降り立つ。
ずずーん……。
重い音を立て落下してきたのは一匹の毒々しい蜘蛛の魔物。
不気味に輝く赤い8つの眼で俺達を見つめ、ギチギチと牙を打ち鳴らして威嚇している。
黒い針の様な体毛に覆われしその体は、毒々しい紫色。
体長も4メートルはあるだろう。
魔物図鑑で見た特徴と一致してるな。
ようやく見つけた。
こいつがポイズンクロウラーだな。
マシロをすかさず背後に下がらせて、俺は前に出る。
この蜘蛛がどれ程の強さかを確認しないとな。
いきなりマシロが挑むには危険な可能性もある。
ステータスオープン。
[種族] ポイズンクロウラー
[状態] 通常
[ランク] D
[Lv] 18/20
[HP] 120/120
[MP] 94/94
[攻撃] 98
[防御] 65
[魔法攻撃] 35
[魔法防御] 24
[素早さ] 96
[所持スキル]
噛みつきLv3 毒牙Lv4 剛爪Lv2
毒液Lv3 不意打ち 糸操作
Lv18か。けっこう高いな。
だけどスキルはやっぱり毒特化。
正直俺からしたら、ただのデカい蜘蛛でしかないか?
能力は全体的に攻撃と速さに特化してて、俺と被ってるな……。
かさかさとその8本の脚を忙しなく動かしながら、俺の周囲を高速で動き回る。
なんか蜘蛛っていうより、ゴキブリみたいで気持ち悪いな。
速度はかなりのものだが。
さてどこから来る気だ……?
ポイズンクロウラーの出方を伺うため、武器を構えて油断なくその動きを追う。
そんな俺に対して、ポイズンクロウラーは、獲物である俺が逃げないのを確信したのか、ゆっくりと俺に近づいてきた。
心なしかその8つの眼には余裕が見て取れる。
自分の毒に絶対の自信を持ってるかもしれない。
それとも、俺が恐怖で動けないとでも思ってるのか……。
威嚇で牙を打ち鳴らすギチギチと耳障りな出しながら、徐々に俺へと近づいてくるポイズンクロウラー。
ギチギチという、不快な音が奴の接近に伴い徐々に大きくなってくる。
ギチギチギチ!
ギチギチギチギチ!
ギチギチギチギチギチギチッ!!
――うるせぇ!!
余りにも耳障りなその威嚇音に、残り少ないにも関わらず魔力をたっぷり込めた拳を思いっ切り叩きつけて、ポイズンクロウラーのその毒牙ごとぶん殴る。
蒼のオーラを纏った拳は、そのままポイズンクロウラーの顔面に突き刺さるとその巨体を吹き飛ばした。
「ギィィィッ! ギィイッ!?」
余裕の態度で接近してきた所に顔面を殴り飛ばされたポイズンクロウラーはそのまま吹き飛んで地面を転がる。
まさか毒牙がある顔面を殴られるなんて奴も思ってなかったようだ。
まぁ俺も殴る気なんてなかったんだが、あまりにもうっとおしくて、思わず手が出てしまった。
夜中に寝てる時に、耳元で蚊が飛んで来るような不快感がしたからね。
仕方ないね。
しかし、あいつ結構ぶっ飛んだな。
確かに魔力はかなり込めたつもりだったが、これは道中でLvが上がった成果が出ているのかもな。
なかなかの威力だ。多分俺の最大魔力量が増えて、魔闘法として使える魔力が今までより増えためかな。
今までが格ゲーでいう弱、中、強でいう弱~中。今のが強だ。
エンチャントを使うよりかはMP消費は少ないが、何発も使えるものじゃないみたいだ。
ただ今の一撃でも、あの大蜘蛛はまだ健在のようで……。
流石に威力が上がっていても、拳だけでこのサイズの魔物を倒すのはまだ無理だったか。
耐久力はそこまで無いって話だったから期待したんだが。
しかしダメージはあったようで、よく見ると牙が一本折れていた。
心なしかその8つの瞳は憎悪に染まってるようにも感じるが、こっらは元よりこの蜘蛛の討伐が目的なんだ。
むしろこのまま逃げられるよりずっといい。
ポイズンクロウラーは、俺に殴られて吹き飛ばされたからか、今度は下手に様子見などせずに、口から毒液を飛ばしながら突撃してきた。
飛んで来る毒液を躱し、すぐさま迎え撃とうとするが、それより早くポイズンクロウラーは前足の先端に生えている、鋭い鍵爪を高速で振り下ろしてくる。
バックステップの要領で地面を蹴って、急ぎ離脱し回避すると、先ほどまで俺がいた場所の地面が轟音と共に深く抉れて弾けた。
おいおいっ。
毒がなければそこまで脅威じゃないって思ったが、爪の一撃の威力がかなりあるじゃねーか……。
そういえば剛爪のスキルがあったが、これってあのスキルの補正か何かだろうか。
どっちにしろ食らったらまずい一撃なのは間違いないか。
「ギィィィ! ギィイイイ!!」
――ドスドスドスドスッ!
ポイズンクロウラーは怒りをぶつける様に、更に俺目掛け左右の前足の爪を何度も振り下ろしながら襲ってくる。
慌てて後方へ回避するも、その動きは予想より速く、距離がなかなか引き離せない。
というか、この蜘蛛普通に戦えば結構強いぞっ!?
毒さえなければもう少し戦いやすいと思ってたが、こうして対峙してみると厄介な相手だな。
まさかこんな威力の攻撃を連発出来るなんて思わなかった。
確かにこれなら、遠距離から一方的に魔法で仕留めたほうが楽だ。
最も俺にそんな手段はないがな。
迫りくる剛爪の一撃を躱しながら、ポイズンクロウラーを仕留める手段を、今使える手札から必死に考える。
ここはエンチャントを使うか……?
いやダメだ。
魔力が残り少ない状態でのエンチャントは危険だ。
あれは今の俺にとって最大の武器でもあるが、最も魔力を食う。
まだ先ほど使った魔闘法の拳の方が消費は少ない位だ。
体感だが、残り魔力は魔闘法で込められる最大量ギリギリだろう。
そうなるとやはりエンチャントは厳しいか。
だがこのまま逃げ続けるだけでは勝てない。
狙うならば急所……。
ここは頭しかないか。
問題は、どうやってあの前足の攻撃を躱して間合いに入るかだが。
そういえば、さっき奴を勢いで殴り飛ばした時、ポイズンクロウラーはかなり吹き飛んだな……。
魔力を多目に使った時の制御は大変だが、身体能力はかなり上昇するように感じた。
これ、両足に込めれる最大まで魔力込めたら凄い速度出せないかな……?
……いけるか?
危険だが、試してみる価値はありそうだ。
だが失敗したら魔力がほとんど尽きるな。
ならばここで撤退するか?
いや。ダメだ。
戦って分かったが、こいつは俺よりも素の素早さが上だ。
数値が見れないから詳しくは分からんが、俺がマシロを連れて逃げたとしてもいずれ追いつかれて終わりだろう。
やはりここで倒すしかない。
「ギギギィイ!」
俺を仕留めるまでこいつは止まる気は無いのか、むしろさっき以上の速度でその鉤爪を振り下ろしてくる。
徐々に躱すのが難しくなってきた。
時間が無いな。
何かこの蜘蛛の気を一瞬でもそらす事が出来れば……。
だが突如そのチャンスは意外なところからやって来た。
「シャャァ!」
突如マシロの声が聞こえ、俺の直ぐ傍の空間を何かが飛び去って行った。
それは、小さな火の玉だ。
今のは火炎球か?
いやマシロは魔法を使えない。
だが、遠距離攻撃なんて……。
まさかあれはマシロのブレスか?
そういえば俺と共に、ここまでマシロも道中の魔物を倒し強くなっている。
そして、このオキシア湿原には毒に強い魔物が多いので必然的にマシロはブレスと急所を噛み千切る事で魔物を仕留めていた。
これまでの戦闘により、マシロはブレスのスキルレベルが上がっていたのだろう。
今までは前方に火炎を吐く事しかできなかったが、恐らく新たに魔力を込めたブレスを塊状にして吐き出せるようになったのだ。
突然飛来した火の玉はポイズンクロウラーの右前脚に当り、小さな爆発を起こす。
流石にあの規模のブレスでは体が燃え上がったりすることは無かったようだが、威力は侮れない。
ブレスの爆発により、ポイズンクロウラーの右腕はあらぬ方向へと捻じ曲がっていた。
「ギギギギィ!!」
痛みに苦しむポイズンクロウラーへ、俺はチャンスとばかりに、魔闘法に残るほぼ全ての魔力を使う。
拳の一撃時の要領で、今度は両足へと魔力を集める。
集中。
魔力を多目に使うがイメージはそれを薄く伸ばし、巡回させるように。
蒼のオーラが発現したのを確認し、そのまま地面を思いっ切り踏み込み前へ進むため一気に蹴り上げた。
瞬間、周囲の景色が加速する。
まるで弾丸の様な速度で、俺の体はポイズンクロウラーへと一直線に突き進む。
それは今の俺が出せる最高速度だ。
一瞬でポイズンクロウラーの目前まで飛ぶように接近。
俺の姿を見つめる、ポイズンクロウラーのその8つの眼が驚きに満ちている様に感じた。
そのまま俺はククリとダガーの2本の刃を、ポイズンクロウラーの頭部に深々と突き刺した。
「ギギヂィィィィイッ!!!」
ポイズンクロウラーは最後に大きく悲鳴を上げて、そのまま地面へ倒れた。
【経験値を98獲得しました】
【獲得経験値が一定値に達しました。Lvが16に上りました】
アナウンスが流れるって事は……なんとか倒せたって事だよな……。
無理な加速をした反動で、体が悲鳴を上げている。
骨だけの体といっても、魔力が足りないと思うように動けなくなるのが難点だな。
そのまま地面へ大の字に倒れ込む。
な、なんとかなった……。
もうMPの残りもギリギリだ。
ポイズンクロウラーか……。
今回の戦闘は、エンチャントが残りの魔力の関係で使えず予想外の苦戦を強いられた。
毒が効かないからって油断した為にこのザマだ。
マシロがいなければ、どうなっていたやら……。
やはり今後はもう少しMP配分を考えて戦っていかないとダメだな。
色々と反省する事はあるが、まずは休息を挟んでからポイズンクロウラーの死体を回収する事にするか。
なんとか体を地面から起こして、近くに来たマシロを労うように撫でてやると、魔力を回復させる為、人化の術を発動しゆっくりと起き上がる。
戦闘続きで意識してなかったが、時刻はいつのまにか夕方だ。
今夜はここで野宿だな。
あー……。
魔力が足りなくて体が怠い。
とりあえず飯食おう飯。
次回は6/28 18時更新




