第十八話+α ディザーテッドペットショップ おまけ
ワイズボイスが先行し、グラントらは地下道を歩き外に出る。前と同じ川の前。調査部の人間が調子を続けている。
「うーん」
ワイズボイスは一伸びする。
「帰りましょうか」
「なんだよ。何もなしかよ」
「あのミスト臭い地下道は中々堪えました。まぁ、言うとすれば、目の前にムラクの中を通り町を分断する川があるってことですね」
「見りゃ分かるよ」
「なら結構。じゃ」
「あの、ちょっと良いですか?」
帰ろうとするワイズボイスを引き留めるミシャル。
「はい、何でしょう?」
「さっき、ギガンティックスライムはエーテルを大量に与えれば育成出来るって仰ってましたよね?」
「そうですね。それだけ与えることが出来れば、ですが」
微笑むワイズボイスにミシャルは恐る恐る聞く。
「それって、誘拐した人間をエサとして与える、とかですか?」
それを聞いて突然笑い出すワイズボイス。
「あはははは! まさか、それは流石にバレるでしょうねえ。魔法使いならまだしも、一般人なら百人じゃきかないですよ」
笑われたことは癪だが、少しホッとするミシャル。
「じゃ、じゃあ何を与えるんですか? そんな人間百人分以上のエーテルなんてどうやれば……」
「あるじゃないですか。百人なんて生温い、特濃エーテルが詰まった物が」
「特濃エーテル……詰まった……」
グラントは考える。そんなに濃いエーテルなど、何処にでもある物では無い。高濃度エーテル含有物は置いてあるだけで周囲にエーテル中毒者を出してしまうため、厳重に管理しなければならない。そんな簡単に手に入るものでは無い。が、皆が知り、良く使われている物が一つ思い当たる。ミシャルも何か思い付いたようだ。
「もしかして、聖水、ですか?」
「ふふふ」
ミシャルの答えに微笑むワイズボイス。
「聖水……、防魔隊かよ……! くそ!」
突然走り出すグラント。
「部隊長ー!」
ミシャルも追いかける。




