卑劣な奴ら5
「‘子供が死んだと聞いた時には心を痛めたよ。作戦が失敗したんじゃないかってね’」
ウーは軽薄そうな笑顔を浮かべる。
どんな人なのかは知らないが、あまり好ましい性格はしていなさそうだな、とトモナリは思った。
「‘モンスターの野郎が襲ってきてな。ただ死んだら補充すればいい’」
子供の命もなんとも思っていないような発言を返す。
英語が分からないユウトなんかはただ真剣な顔をしているが、分かっているコウは険しい顔をしている。
メイリンも顔は無表情になっているが、ピリついた雰囲気をトモナリは感じている。
「‘とりあえず頭数は揃えたようだな? ちゃんとレベルは上げたのか?’」
「‘もちろんだ。そっちの出した条件の通りにするのに苦労したぜ。レベル上げるために何人死んだと思う?’」
「‘さあ、全く興味がないな’」
「…………ひどいもんだな」
「なんて言ってんだ?」
「知らない方がいいよ」
回帰前はどうだったのだろうかと少し考える。
どうやら子供の覚醒者を連れてくるために、今いる以上の犠牲が裏にあるらしい。
回帰前もメイリンは中国から子供たちを助けただろう。
こうして他のところからまた子供を用意するような出来事はあったのか、それは誰にも分からない。
「‘あいつら強いのか?’」
ウーが強いことはメイリンの発言からもわかる。
装備から見たとしてもウーの装備はグレードが高く、相当高価そう。
装備だけ見ても頭ひとつ抜けて強そうである。
ただウーの他の四人もかなりしっかりとした装備を身につけている。
「‘ウーの同期……それにもう少し上のやつもいるわね。レベルとしては上限に近いはずよ’」
他の四人もメイリンは顔を知っている。
一匹狼気質なメイリンは他の人と絡みは多くないが、記憶力もかなりいいので普通にあったことがあれば顔は忘れない。
「‘ちょっと厄介そうだな’」
五人加わったことで数的にも相手の方が多くなった。
負けるとは思わないが、意外な抵抗に遭う可能性も否定はできない。
「‘悩んでる時間はなさそうよ’」
「‘早く入れ!’」
どうするべきか。
トモナリが悩んでいる間に、男たちは子供を檻の中に入れようとしていた。
先に閉じ込められた子供たちもすっかり怯えていて抵抗の気配すらなかった。
檻に閉じ込めたあとどうなるのか分からないが、物々しい檻に閉じ込められてしまうと良い結果にならなそうなことは間違いない。
早く止めねばならない。
「‘ウーの相手は私がするわ。他の奴らはお願い’」
「‘……分かった’」
どの道、広い部屋の中の真ん中にいられると奇襲もままならない。
正面から挑むしかなかった。
「みんな行くぞ。気をつけて戦うんだ」
トモナリたちは再び子供を救うために戦う決断を下すのだった。
改めまして、ネトコンさんで受賞しました!
ただコミカライズとなりまして、これから漫画家さんを探したりとコミカライズの公開なんかはまだずっと先になりそうです。
作品の更新はのんびりと続けていきます。
のんびりとお付き合いください。
何か進展ありましたらこうして後書きなんかでお伝えしますので。




