お宝2
「……何か、あっ」
部屋の奥に何かがある。
薄暗くてよく見えないがそれは死体のようだった。
「何もないし、このまま入ってみるか。エド、助かったよ」
「役に立てたなら嬉しいぞ」
低い体勢なので目立ちにくく、頑丈で意外と素早いエドは偵察にも向いている。
黒いヒカリともかく、ミヒャルやルビウスは飛べるけど色合いが派手なので目立ってしまう。
カメラを回収して、エドの召喚を解除する。
トモナリたちは扉の隙間を通って中に入っていく。
宝物庫の奥に隠された謎の部屋。
期待感やちょっとした緊張感で自然とドキドキしてしまう。
「宝物庫と状態はほとんど変わらないか……」
奥の部屋も棚や箱が置いてあるものの、物はなく空の状態であった。
「あるのはこれだけか……」
何もない部屋の奥にある唯一のものにトモナリは近づく。
それは死体だった。
「もはや生前の姿はわからないですね……」
完全に白骨化してしまっていて、男か女かも分からない。
それどころから触れたら崩れてしまいそうなほどに劣化しているように見受けられた。
「お宝なのだ!」
「ああ、宝箱だな」
そして、白骨化した死体は箱を抱えていた。
かなり大きな箱は装飾もしてあって豪華。
かなりの重さがあるのか、箱の下敷きになっている骨は完全に潰れてしまっている。
いかにも宝箱、という箱にヒカリは目を輝かせている。
「横から開けようか」
こんなところにある宝箱なんてお宝確定だろうと思うのだけど、トモナリは油断しない。
少し前にあった宝箱トラップのことは忘れていないのだ。
正面に立って宝箱を開けると何か飛び出してくるかもしれない。
罠の可能性もしっかりと念頭に置いて宝箱を開けることにした。
「いくのだ〜。みんないいのだ?」
「オッケーだ」
ヒカリがやりたいというのでヒカリに宝箱を開けてもらうことにした。
念のためにみんなは宝箱から離れて、ヒカリが横から宝箱を開く。
ユシルもヒカリの頭にしがみつくようにしていつでも守れるようにしている。
「お宝なのだ!」
ヒカリは勢いよく宝箱を開ける。
もうちょっと慎重に開けてくれればいいのにと思いながら、軽く警戒するようにピクリと体を動かした。
しかし特に宝箱から飛び出してくる物はない。
「トモナリ! 何が入ってたのだ!」
「お宝!」
ヒカリとユシルで宝箱の中を覗き込み、中に入っていたものを取り出した。
「…………なんだ?」
「宝石?」
箱の中に入っていたのはハートの形をした青い宝石のようなものだった。
『ゴーレムの心臓
ゴーレムを生み出し、ゴーレムを操ることで栄華を極めた◻︎◻︎◻︎の秘宝。
ゴーレムに対して命令を下すことができる。
かつてこの秘宝をめぐって戦争が起こり、◻︎◻︎◻︎は滅びることになった』
宝石を受け取って軽く情報を確認してみる。
一部が文字化けしていて読めないが、そこは何か国名のような固有名詞だろうとトモナリは思った。
「これでゴーレムに命令が出せる……?」
古代遺跡に何が起きたのか、それもちょっと分かったような気がする。
さらには古代遺跡がゴーレムを利用していた秘訣まで暴かれた。
「お宝ゲットなのだ!」
「なのだ〜!」
ともかく攻略に役立ちそうなアイテムを手に入れることができた、とトモナリは感じたのであった。




