4日目〜ゴールデンウィークだとかゴールデンアワーだとかゴールデンクレセントだとか
「ねえ、何で謝ったの?」
「期待を、させた」
「どんな?」
「私が解いた、と。弥羅和に、髪の、質問をした時」
昼食が終わって大部分の生徒は練習に戻ったが、何人かは残っていた。
その内の、春見と秋見の会話であった。
一方、冬見は智恵子の所にいた。
「大丈夫?」
「う、ん」
「いつもの元気は、どこに行ったの」
「どこ、でしょうね」
「彼女達は、悪気があったわけじゃないし」
「でも、私、悲しかったんですよ」
「そうだよね」
秋見はこの事を言っていたのか、と冬見は思う。
何を言ったらいいのだろうか。
「ねえ智恵ちゃん、弥羅和ちゃんの事、嫌い?」
「そんな事は……無い」
「嫌いじゃない、か。それで充分なんじゃない」
智恵子は首を横に振るが、冬見は気付いていない振りをした。
「相手のことが全部分かるなんて事、あるわけが無いでしょ。誰だって、人に言わない感情が、もしかしたら本人も気付いていない感情があるんだから。そう、自分でも分からない感情。貴方もそう。勿論、この私もあるわ。弥羅和ちゃんもそう。彼女にも誰にも言わない思いがある。でもさ、友達って、思いを言わなかっただけで、一方的に切れちゃうものなのかな。自分にもあって、相手にもある。けど相手が言わなかったからって自分の事を棚に上げるのが、友達っていう関係なのかな」
智恵子は俯いたまま冬見の顔を見ずに食堂を飛び出した。
ちょっときつく言い過ぎたかな。




