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17/24

3日目〜よく考えてみると、クリスマスと正月を両方共やるのはとっても不自然なような

 警察には連絡ができないので、明日の午後まで待つ事になった。

 その間、赤沙は別荘にいる。

 夏見たちは未だに信じられていない。

 まさか、赤沙が弥羅和を殺しただなんて。

 でも、弥羅和を演じていた彼女は犯行を認めていた。

 そして今はコンクール合奏。

「じゃあ、今日は兵士の合唱から」

 ファランドールのように完全小節の三拍目から始まるこの曲は、トロバトーレの中の一曲である。それを吹奏楽譜に編曲したものだ。

 その名の通り兵士役の男性陣が野太い声で歌う場面。

 金管楽器の切れと、木管楽器の速い指の動き。そして全体でどれだけ縦が合わせられ、ハーモニーがしっくりくるか。

 まあ、曲が速めの曲なので誤魔化しは多少はきく。

 先生が指揮棒を構え、四分音符160程のテンポで余動二泊の後、全員でベーの八分音符から吹き始めた。

 が、縦が合わない。

 先生はすぐに止める。

「もう一度」

 夏見はどこか納得できていなかった。

 不自然な所があるような気がする。

 何処だ。

 入れ替わったのは分かる。

 確かに合理的であるように一見、見える。

 いや、実際に見える。

 だが納得はいかない。

 原因はなんだ。

「いちっ、にっ」

 そう言いながら、先生は棒を振り下ろし、振り上げ、そして三の所でもう一度振り下ろした。ここから、二回目の演奏が始まる。

 演奏は意識しなくてもできる。

 みんなが知らなくて、僕だけ知っている事があるのか。

 僕だけで行動したのは。

 占いをした後。弥羅和を助けた時。フロントに聞きに行った時。夜にお風呂に入った時

 二日目は、お風呂の時だけか。

 今日は特になし。

 占いは佐々木萌子の要求。という事は、やっぱり何かあるのかもしれない。

 スペードのクイーン。

 スペードは、剣、権力、ストレス、死の象徴。クイーンは見た目通り女性の象徴。

 あれは、死の象徴か。それとも権力の象徴か。

 弥羅和を助けてからも特にこれといった事はない。はずだ。

 ただ、アルコールが。

 いやアルコールを飲まなくても、別にただ階段から落ちれば良かったんじゃあないか。

 本当にアルコールを飲んだのはわざとなのか。

 おかしい。

 じゃあフロントではどんな事を喋った。

 電話が繋がらない。近くのホテルも同じ。復旧が3日後の午後になるみたい。それまでは。こちらから病院に向かうのは。残念ながら。病院に行くには橋を通らないといけない。橋が壊れていて外部との接触が出来ない。

 あれ、これも変じゃないか。

「お〜い、夏見君なつみん、起きてー」

 気付くと、夏見の顔のすぐ前に春見の顔があった。

 後少しで答えが出てきそうだったのに、と少しだけ悔しい思いをする夏見だった。

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