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大鎌が魅せるは貴方の最期~畜生以下の存在には最期に夢を魅せましょう~  作者: いさな


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第40話 「終えた依頼とこれから」

「終わったな、これで盗賊どもの魂は俺のなかで悪夢を見続ける。それがこいつらに殺された人たちへの俺なりの手向けだ」


 ベノム盗賊団は俺の魅せた夢のなかで後悔し続けるだろう。これから俺が死ぬまでずっと獲物にしてきた村人に殺され続けるんだから。


 俺はその場で目を閉じてからアトラクトドレインを発動させる。


 汚い血も、醜い死体も全て魔力に変えて吸収していった。


「これで全て取り切った。また、背負うものが出来たな」


 これまで吸収してきたのは鉱魔獣がメインだった。だが、コラプトに来てからは夢を魅せるために人の魂も吸収する機会が増えてきた。


 そして、これからも魂の吸収は続いていくだろう。その先にどんな不都合が起こるかはわからない。


 だからこそ、不確定で最悪な可能性を引かないためにも魂には夢を魅せておく必要があるんだ。


「あとは、この拠点をどうするか......処理は闇ギルドに任せればいいとは思うが、金になりそうなものだけ回収しておこう」


 物色を始めようとした俺の頭のなかに無機質な声が聞こえてくる。


『魂の吸収により、固有スキルの地熊の暴爪を手に入れました』


「おお、ベアノフはある程度の力があったんだな。木龍と同じくスキルを得られるなんて」


 俺はステータスを開いて新しく手に入れたスキルに目を通す。


【固有】地熊の暴爪

 └ 地属性の大爪を両手に形成する

 └ 大きな破壊力を持つが使用には強靭な精神力を要求する


 文面だけを見るに、普段使いは難しそうだな。ただ、外器を用いた戦闘であれば使える可能性もある。


 精神力に関しては問題無いだろう。俺にはシャーマ様という崇拝対象がいる。それを差し置いて他のものに惑わされるはずなんてない。


「いつかの機会にだな。――よし、物色してから帰ろう」


 ◇◆◇◆


 盗賊狩りの依頼を終えた俺は、達成報告の泥酔の酒場に来ていた。


 すでに夜の時間なので酒場の営業はしているのだが、ここには荒くれ者や不作法なやつらはいないようだな。


 ガキの俺が入ってきても、絡まれることなくセバスのもとへたどり着いた。


「セバス、無事依頼完了だ」


「――本当ですか。素晴らしいご活躍です。ここは騒がしいですし、奥の別室で報告をお聞かせください」


「了解した」


 俺はセバスの後ろを歩いてついていく。


 通された部屋は簡素な内装で、ゆっくりと話し合いをするのに適しているように感じた。


「ゼノヴェル様、おかけください」


「ああ、ありがとう......今回の依頼対象であるベアノ盗賊団は一人残らず排除した。俺のスキルで血や死体は消したが、拠点はそのままになっている。もしよければ残骸を撤去しておいて貰えると助かる」


「承知いたしました。確認を行う職員にもそのようにお伝えしておきます。――こちらが報酬です」


 そう言ってセバスは金貨5枚を机の上に置いた。


 俺は金貨を受け取り、ポケットに入れてから姿勢を整える。


「これで依頼は終わりという流れで合っているか?」


「はい、問題ありません。もし、確認をした際に不備が発見された場合は報酬の回収、もしくは再度依頼を受けてもらうという形になるでしょう。それが無ければここで依頼達成となりますので、次の依頼を受けていただいても大丈夫です」


「理解した。説明ありがとう」


「では、お疲れ様でした。また明日からよろしくお願いします」


 無事依頼も終わったし、宿屋に帰るか。特にすることも無いしな。


 そんなことを考えながら部屋から出ると、奥のテーブルに一人で食事をしているカルネの姿が見えた。


(そういえば、カルネに何も言わずに出て来たな。報告だけしていくか)


 俺はカルネの近くへ歩いていき、声を掛けた。


「おう、カルネ」


「ゼノヴェルさん、声もかけずにいなくなっていたので心配しました。何処に行ってたんですか?」


「ん?依頼を達成してきた」


「はあ!?今日登録してきたばかりですよね?」


 カルネは静かな声で驚くという器用なことをしながら、正気か?という視線を向けてくる。


「おう、特に問題なさそうな依頼だったからな。軽く排除してきたぞ」


「はあ......やはり化け物ですね。正直、私の隠密が見破られて少しショックだったのですが、貴方になら仕方なかったのかもしれません」


 溜息をつくなんて失礼なやつだな。むしろ、褒められてもいいくらいの功労者なのに。


「カルネにはここに連れて来てもらったお礼を言っておこうと思ってな。ここでなら色々な学びを得ることが出来そうだ」


「それは良かったです。改めてこれからよろしくお願いします」


「こちらこそよろしく」


 ――それから俺は、カルネと別れて宿屋へと戻った。


 今日一日は大きな進歩がある一日だったな。今回は盗賊の討伐だったが、次の依頼は簡単なものでもいいかもしれない。


 また明日から頑張っていこう。


 全てはシャーマ様が望む世界の形を作るために。

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