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大鎌が魅せるは貴方の最期~畜生以下の存在には最期に夢を魅せましょう~  作者: いさな


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第36話 「登録と依頼」

「ネメシスが俺の意思と想いを汲んで信仰を許してもらえるのであれば、俺を闇ギルドへ入れて欲しい」


 そんな俺の言葉を聞いたネメシスは迷いなく「了承した」と返した。


「闇ギルドの仕事の受け方などの詳しい話はセバスから聞くといい。私から最後にこれを渡そう」


 ネメシスは目を閉じ、少しばかりの詠唱を口にする。


『闇は光、光は希望。ウロボロスの円環に誓い永遠の心をその身に宿せ』


 すると、ネメシスから魔力が発射されて俺の腕へと着地する。


 痛みや熱さは感じないが何かが刻まれたような感覚が残った。


「服に隠れて今は見えないだろうが君の腕に我ら闇ギルドの証明である紋章を刻ませてもらった。本当は胸に刻むんだが、君の信仰心を加味して腕にしておいたよ」


 ネメシスは「胸はシャーマ様への想いを置く場所だからね」と言ってくれた。


「そこまで配慮してもらい感謝する......」


 シャーマ様に対する信仰心まで気にしてもらえるとは。先ほどの言葉に嘘はないようだな。ここまで俺の信仰心を尊重してくれるのは素直に嬉しい。


「その紋章にはひとつだけ効果があってね、闇ギルドへの裏切りの感情を察知するんだ。心の底から裏切ると決心したときにだけ発動しないから気にしなくてもいい」


「確かにそれは必要だな。人はいつ裏切るのかもわからない。なら、対策をしておくのは普通だろう」


 というか、そんな便利な魔法があるのか。俺もその魔法があれば心から信用出来なくても置けるな。――俺の魔法でも出来るか、いつか試してみるか。


「これで私の仕事は終わりだ。あとはセバスに聞いてくれ」


「ああ、時間を取ってもらえて感謝する。これからよろしく頼む」


「こちらこそ」


 そうして俺は正式に闇ギルドへと加入することになった。


 ◇◆◇◆


「ゼノヴェル様、この度は闇ギルドへのご加入おめでとうございます」


「ああ、セバスも俺の無茶な願いを聞いてもらってすまなかった。どうしても身を預けるトップとは話をしたくてな。おかげで心から納得して加入することができたよ」


「私としても全て納得したうえで加入していただける方には、安心して依頼をお渡しできますから」


 セバスは優しい笑みを浮かべていた。そして一つの本を下から取り出して俺の前に置く。


「これが闇ギルドで受けることが出来る依頼です。ランクなどはなく、どれでも受けることが出来ますが、始めのうちは簡単な依頼で慣らすのが良いでしょう」


「確認させてもらう」


 俺はセバスから本を受け取って中身を確認する。


 本は古い順から掲載されており、始めの方には依頼達成の印鑑が押されているものが続き、半分を過ぎたあたりで未解決の依頼が出て来た。


 ――討伐者が来れない辺境での鉱魔獣討伐や、村の長の暗殺、貴族に店を潰された店主の恨みに落とし物の捜索などその種類は様々だ。


 半分くらいの割合でコラプトの外の国から出ている依頼も散見された。


「本当に幅広く依頼を受け付けてるんだな」


「ええ、助けを求める声があれば我々は救いの手を差し伸べます。時には、怪しい依頼もありますがそれを対応出来るものしか所属していませんので」


 所属したばかりだし、簡単なものがいいんだよな。となると、暗殺とかよりも討伐系がいいか。


 対象は鉱魔獣か盗賊......お、これは。


「セバス、今日はこれを受けることにする」


「どれでしょうか......なるほど『コラプトの外にいる盗賊団の排除』ですね。承知いたしました。では、私の方からこの依頼の概要についてご説明させていただきます」


 セバスはスラスラと紙にペンを走らせていく。


「こちらをどうぞ」


 手渡された紙にはこう書かれていた。


『対象名はベアノ盗賊団 コラプトから他国へ通じる道の近くを拠点としており、道行く商人や旅人を獲物にして活動している。 中規模の盗賊団であり、戦力は程々。特に注意すべきは団長のベアノフ 過去に襲われて生き延びたものの証言によれば大柄で斧を得意武器としている 達成条件は生死を問わず、排除さえすれば問題なし』


 結構詳しい情報が集められているんだな。数も多そうだし、囲まれることも想定しなければいけないがそこはどうとでもなりそうだ。ベノム盗賊団を断罪するための慣らしに使わせてもらおう。


「貴重な情報ありがとう、助かるよ」


「この程度造作もありません。質問などがあれば気軽にお聞きください」


 質問か......盗賊団に関してはこの情報さえあれば魔力感知でどうにかなるし、聞くとするなら仕事自体の流れとかかな。


「俺はこいつらを殺したあとに闇ギルドへ報告すれば依頼達成ということで合ってるか?」


「その認識で問題ありません。達成確認はしたかは職員が現地へ赴くことで行います」


 しっかりと二重で確認するんだな。


 自分を信じれないわけでは無いが、外部から見てくれた方が俺としても安心できる。


「じゃあ、これから様子見してくるよ。いけそうならそのまま殺してくる」


「今からですか?こちらとしては明日以降でも大丈夫な依頼なのですが」


「ここに依頼が来ているということは困っている人がいるんだろう?なら、被害が増えないためにも手早く片付けるさ」


 そうして俺は闇ギルドを出てベアノ盗賊団を狩りに向かった。


 ――そういえばカルネに帰ると言わなかったが、まあいいだろう。

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