表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Topsy Turvy WORLDs  作者: JAVELIN
序章:[An Fantasy With Encounter]
56/57

EPISODE:056 [違和感]

私は気付いた。

別にいちいちステータスを作る必要無いんじゃね?、と。主要な奴だけ作れば良いんじゃね?、と。

 


 グジュル。グチャッ。グジュー、…ベチャベチャッ。


 身の毛のよだつ音を立て、それは大通りを進んでいる。


 その名は、《腐肉漁る腐塊スカベンジング・コープス》。この『ポラナト大迷墓』での強者と言える魔物だ。


 それは、腐肉でできたナメクジに腕が生えている姿をしており、大量の動物や人間の死体で出来ていた。大きさは周りの建物から少し飛び出す程で、ゆうに8メートルは越えているだろう。


 その巨体は道中の墓に食い込んでしまうが、奴はそんな事も気にせず、無理やり進んでいる。


 黒い体液が吹き出し、肉が千切れるが何の反応も示さない。痛痒を感じていないようだ。


 そればかりか、完全に切り離されていない腐肉は少しすればまた元通りにくっついていた。


 明らかに尋常ではない敵エネミー。徘徊ボスみたいなそれを、私はすぐ傍の路地にフェルと共に息を潜めながら見ていた。


 何故隠れているのかというと、こいつ、敵意こそ無いが、身の回りに有る肉を片っ端から自分の体に押し当てて吸収するのだ。

 狙われても少し離れるだけでタゲが切れるから、避けるのは容易い。


 ただ、吸収シーンが大変気持ち悪いので死んで欲しい。



(気持ち・悪い・です)


 ほら、フェルもこう言っているぞ。早よ死ね。


 だけど、こいつ3体以上は確実に居るんだよなぁ。


 そう。なんとこいつは複数体居るのだ。腐肉の再現度もえげつないし、もしフィルタリングを掛けても、余裕で貫通してくるだろう。


 今のところ、決してお茶の間に流してはいけない姿、No.1だ。…このゲームではな。



 しかし、こんな徘徊ボスを避けながらでも屋根の上を渡ることで、私達の進行スピードは今までの比較にならない程に高くなっていた。


 そして、これまでの経験から試してみたところ、家の中にも入れることが分かった。


 家の中にも入ることで、更に進行スピードは速くなった。


 時には路地裏を進み、時には家の中を突っ切る。そして、家の中が何処にも繋がっていないならば、魔法なりなんなりで、壁を破壊して隣の家にお邪魔するだけだ。


 私だって、こんな頭がおかしい強引な攻略方法が正攻法だとは思っていない。

 こんな方法がとれるのは、ひとえに私達が《不死者(アンデッド)》だからだろう。普通の人間がこのようにすれば、たちまち目立って不死者に群がられて仲間にされているに違いない。



 そんなこんなで土壁の近くまで来たと思うのだが、何かがおかしいような感覚がする。

 正確にこれ、とは言えないものの、僅かな違和感を感じるのだ。何かを見落としている気がする。


 しかし、いくら考えてみても原因は分からず、フェルを置いてひたすらに首を捻っていると、向こう側の道の角から上位の骸骨人(スケルトン)が曲がってきた。


 取り敢えずこいつ等を殺してから考えるか。





[経験値が一定に達しました。個体、《高位動死体(ハイ・ゾンビ)》がLV13からLV14になりました。]



[レベルアップに伴い、各種能力値が上昇しました。]



[熟練度が一定に達しました。スキル《斧術》がLV3からLV4になりました。]



[熟練度が一定に達しました。スキル《魔闘法》がLV2からLV3になりました。]



 上位の骸骨人を一人残らず殺し尽くすと、レベルが上がったとの通知が来た。

 ようやく殺される前のレベルに追いついてきて、20レベルも見えてきた。


 ところで、レベルアップした時にスキルポイントが貰えていないのだが、不思議に思って、一度掲示板で調べてみると、仕様という事が分かった。


 まあ、そうだわな。じゃねぇと、10レベルまで上げて死ぬキチ行動がデフォになるからな。



 そこまで考えると、今度は後方の曲がり角から、浮遊する頭蓋骨と人型の黒い靄が現れた。


 それぞれ、《浮遊する髑髏(フライング・スカル)》と《影霊(シャドウ・ゴースト)》という名前で、どちらも浮遊するタイプの魔物だ。


 厄介な能力をどちらも持っていて、魔法攻撃が強力だ。

 《浮遊する髑髏》は敵対して少し経つと仲間を呼び、《影霊》は地形を貫通して追い掛けてくる。


 その代わり弱点も普通に有って、前者は物理耐久がカスだから、鈍器で何かとサンドイッチにすれば簡単に砕ける。


 後者は、地下墳墓(カタコンベ)内で遭遇した浮遊霊(ゴースト)よりも魔法防御が上がっており、これといった弱点は無い。


 更には《生気吸収(エナジー・ドレイン)》というスキルを持っていて、一度奇襲されてそのスキルをくらってしまったのだが、思ったよりもダメージが少なかった。

 スキル名にある通り、生気(←ナニコレ)を吸収したのだろうが…、そもそも私の身体は死体だし、効き目が薄かったのかもしれない。


 強いて弱点を言うとするなら、他と同様に頭が悪い点か。


 私に向けて何回も腕を伸ばしている様は流石に笑ったわ。

 《闇魔法》を持ってるクセに近距離になるとこれ(生気吸収)ばっかり使うのは、弱攻撃を最強だと思っている初心者みたいで可愛い。普通にウザいからその後シバき回すんだけどな。



 ていうか、今気付いたけど動く死体(ゾンビ)系統の魔物いなくね?ここ数日見ていない気がする。


 あの腐ったナメクジは平等に全てを吸収するし……、何でだ?


 あいつら戦い方がシンプルだからサンドバッグに丁度良いだけどなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ